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草太とスライムの異世界物語  作者: ミケイト
01 草太とスライム
2/8

01-02 草太と洞窟

二話目です。

のんびりいきます♪


「知らない天井、もとい洞窟だ……」



目が覚めると、そこは洞窟の中だった。

体の下には藁のような乾いた草が敷かれている。



「体には、異常はないみたいだな」



上半身を起こし、体を確認してみる。

うーん、異常がないどころか、やたらお肌がスベスベしてる気がするぞ?

てか、服がなんか知らない服になってる。


ま、いっか。


軽く背筋を伸ばして、あたりを見渡してみた。



「洞窟……だな」



ひとまずは現状確認。


俺の名前は真島草太。

高校1年生の16歳。

家族構成は父、母、妹。

付き合ってる彼女は今はいない。

……ごめん、ずっといない。


今は7月末で、高校生になって初めての夏休みが始まったばかりだ。

夏満喫するぞ!


うん、ここまではいいな。


で、あーそうだ、妹にじゃんけんで負けて、アイスを買いにコンビニに向かってたんだ。


コンビニは、うちから見ると裏手の神社を挟んで反対側にある。

だからいつものように、神社の中をショートカット。

これがいけなかったのか……


神社の鳥居をくぐると、急に体のまわりが白く光り始めて――




――あれ?




その後の事が思い出せない。

頭の中に霞がかかったのような、そんな感覚。


その後のことで思い出せるのは、美女とスライムの夢だけだ。

……まったく、変な夢を見たもんだ。




ところで今何時だろう?

左腕にはめた時計を見ると、



08/29 08:33:57



ふん、朝の8時半くらいか。

……ん?



08/29 08:34:06



見間違いだろうか。

8月……?


なに、え?

俺の覚えてる日付から1ヶ月くらい経ってるんだけど。


え?


あ、宿題やってない。

てか、夏満喫してない。


……いや、そんなことより、ここ1ヶ月の記憶がない。



胸に込み上げる焦燥感を、無理やり飲み込む。

焦っても仕方ない。



身の回りの範囲で、わかることから考えてみよう。



まず服装。

柔道着を薄くしたような、というか。

甚平の裾が伸びて生地が厚くなったような。

そんな感じの服。

色はクリーム色がくすんだ感じ。


俺はこんな服持ってなかったけど、この1ヶ月のうちにファッションセンスが大幅に変わったんだろうか。

うーん。



右手の中指には指輪がはまっている。

男がアクセサリーを着けるなんて軟弱な!

……というか、センスに自信がないからそーゆーのを着けたことがなかったんだけど。



身に覚えのあるのは、腕時計とスニーカーくらいか。


腕時計は4月に親からもらった誕生日プレゼントで、ソーラー充電式で耐水性・耐衝撃性を兼ね備えた結構な値段するやつ。

ま、無事志望校に受かったご褒美もかねてってところだな。


スニーカーはお年玉で買ったお気に入りのやつ……だったんだけど、どうやらこの1ヶ月でちょっとボロくなったらしい。

泣きそう。




さて、この洞窟、どうしようか。




なんかの人さらいにでもあってるなら、この隙に逃げた方がいいだろう。

でも、洞窟の広さも出口もわからない状態で出歩くのは危険すぎる。

仮に迷って穴に落ち、身動きが取れないまま餓死……うへぇ、嫌な想像しちまった。



ここまで運んでれた人がイイ人って可能性も考えられる。

状況も分からない今、下手に動かない方が得策だろう。





この時、俺は想像していなかった。



ここに俺を運んだのが、「良い人間」か「悪い人間」かのどちらかだろうという想像しかしていなかった。



だから――




『あ、お兄ちゃん起きたんだね♪』




背中から聞こえる()に振り返ると、そこには、血のような真っ赤な色をした「スライム」がいて――




「うぁぁだでだぁぁへはぁぁ!!!」




俺はとんでもなく情けない声を上げ、腰を抜かしてへたりこんだ。


やっと草太以外の人が登場です。

人じゃないけどね。

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