お互い様
まだ戦うには早いようです。何せデッキには五十のブレイカーを呼び出す力があるのですからね。
ルルンが戻ってきた。「どうでしたかマリオン、マイローニと気が合いそうですか?」
「ええ、一目で惚れてしまいました。」
(あの筋肉馬鹿弱いくせにまた女に色目使いやがったなー。ちょっとルックスいいからって調子に乗るんじゃないぞ……)
「どうしたのですか?ルルン様。険しい顔なさってますが。」
「あー。マイローニは人の姿をしていますが珍しい方です。普通のブレイカーは獣魔である事が多いのですよ。あまり変な期待をしないように・・・。コホン。」
「はぁ。分かりました。ところで私はこれからどうすれば・・・。」
ルルンはかなり深く思案した様子で「そうですねー。マリオン、貴方に与えたデッキは比較的残り物で弱いのですよ。前線に送り込むと戦闘不能になってしまうかもしれません。」
そうなんだー。死ぬのかな。でも私ゼリー喉に詰まらせて死んでるしなー。美人に生まれ変わって嬉しいけどこの人達ホントに正しいのかしら。特にこの赤ちゃんのルルン怪しいわ……。
「どうしましたマリオン険しい顔をしていますが?」
「あ、ああデッキの順番ってあるのか。強いのから一気に召喚出来ない物かと思いまして。」
「ああ、そうですか。それはおいおい説明しましょう。」
私は忙しいと言う匂いをプンプンさせてまたまた天国の雲の上にさっさと戻ったルルン。
はぁ誤魔化せたわ。(お互い様です……)