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異世界で目覚めた俺は、名前未登録のままレベル1だった

はじめまして、通りすがりの人です。

よくある異世界ものかもしれませんが、

「名前を失ったら、人はどう生きるのか」

そんなところから書き始めてみました。

少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

第1話 ログアウトできない世界で、俺は名前を失った

 

 目を覚ました瞬間、まず思った。

 ――ああ、やらかしたな。

 視界いっぱいに広がるのは、青すぎる空と、現実じゃ見たこともない白い雲。

 寝転んでいる草原はやけに柔らかく、風が吹くたびに草がざわざわと音を立てる。

「……ここ、どこだよ」

 起き上がろうとして、違和感に気づいた。

 体が軽い。いや、軽すぎる。まるで自分の体じゃないみたいだ。

 恐る恐る、自分の手を見る。

 細い。白い。指が長い。

「は?」

 声を出した瞬間、さらに混乱した。

 俺の声じゃない。少し高くて、若い。

 慌てて全身を確認して、理解した。

 ――知らない少年の体になっている。

 そこで、視界の端に半透明のウィンドウが表示された。

【ステータスを確認しますか?】

「……はは」

 乾いた笑いが漏れた。

 昨日の夜、布団の中でプレイしていたVRMMO――

 異世界ファンタジー系の、よくあるゲーム。

 ログアウトボタンが消えたまま、サーバーメンテに入って。

 そのまま、意識が落ちた。

「……まさか、本当に?」

 ウィンドウをタップする。

 ゲームの操作と同じ感覚だった。

【名前:――――

 種族:人間

 レベル:1

 スキル:???】

 名前欄が、空白だった。

「……名前、ないのかよ」

 その瞬間、頭の奥がズキリと痛んだ。

 自分の名前を思い出そうとしたのに、何も浮かばない。

 怖くなって、必死に考える。

 学校、家族、友達――全部覚えているのに、自分の名前だけが抜け落ちている。

「……俺、何者だ?」

 草原の向こうから、誰かの声が聞こえた。

「おーい! そこの子! 一人か?」

 振り返ると、剣を腰に下げた男が手を振っている。

 NPC? それとも、俺と同じプレイヤー?

 助けを求めたい気持ちと、関わるのが怖い気持ちがせめぎ合う。

 でも――

 ここが現実で、戻れない世界なら。

「……一人、です」

 そう答えた声は、思ったよりも震えていなかった。

 名前を失ったまま。

 レベル1のまま。

 この世界で、生きていくしかないのなら。

 ――せめて、最後まで足掻いてやる。

 俺は、剣の男の方へ一歩踏み出した。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

まだ始まったばかりの物語ですが、

この先で主人公が何を得て、何を失うのかを書いていく予定です。

よければ、続きを見届けてください。

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