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妖狩  作者: 定春
第一部:東編
54/55

EPISODE54「混沌」

      

       ー8月30日 AM11時58分ー


夏祭りも終わり、一応が一段落したところで風雅たちは財団から入手したデータを持ち、警察署の作戦室に訪れた。

「これが、今回奴らから奪ったデータだ。データは暗号になっていて、俺一人じゃ解読しきる事は出来なかった。だから警察の力を借りたいと思ってな。」

雷牙はUSBメモリを警視総監に渡した。しかし何か違和感を感じたのだ。

「あれ、警視総監何か変わりましt…?」

突然のことだった。その場にいた刑事全員が妖狩エージェントに向けて拳銃を向けたのだ。

「どういうことだよこれ…。」

「お前たちは我々の許可もなく鬼熊組の侵攻による被害者の拡大、財団への独断侵入により財団の者と手を組んだ、その責任を取り妖狩エージェントの解散と処刑を命ずる!!」

「ふざけんじゃねぇ!!」

     

            ビリっ


凱は憤慨して警視総監の袖を掴むと、警察のロゴが剥がれてその場所から財団HANDのマークが現れた。

「お前ら…財団の偽警官か!」

「偽ではない、全て本物だ!この国の警察は財団HANDのお得意様でね、今までの超次元怪死事件は我々の協力によるパフォーマンスの一環なのだよ!!」

もちろんこの警視総監も本人ではない。本人は純粋なる警視総監であった。そこをつけ込まれて殺害されていた。今の警視総監は警察の制服を脱ぎ捨て刀を携帯した白い制服へと変わった。

「どういうことだまったく話が見えん!」

「つまり君たちは最大の企業と気づかぬうちに結託していたのさ。殺せ!」

その場の警官たちは皆一斉に発砲、銃弾の雨が飛び交う。“元”妖狩エージェントとなってしまった風雅たちは特殊防護服を着装。

「じゃあ今まで俺たちの戦いと被害は財団の実験に過ぎないっていうのかよ!」

人を守るため今まで警察と共に闘ってきた組織に裏切らられ、風雅はひどく動揺する。

「そんなのってないわよ!」

あづまのおっさんはどこ行った!」

凱は裏切られた怒りで血眼で唯一信頼できた東刑事を探す。銃弾の雨が妖狩エージェントたちに襲いかかる。

「ふん!」

斥力リパルジョン!!」

「『玄武』“武装アームド”!!」

風雅は風のバリア、琥珀は斥力、凱は『玄武』の“武装アームド”で銃弾を止めた。凱は仲間にもバリアを付与しながらも銃弾を残った片腕のバリアで止めた。

そして一気に警官たちに突っ込むのだ。

あくまで討伐対象は妖。人間は不殺でなければならない、せいぜい骨折くらいに留めなればならない。

雷牙は得意の蹴りで警察たちをダウンさせ、琥珀は重力の斥力を使って吹き飛ばす。凱は大剣の鎬の部分で警察たちを殴打。龍我も得意の拳法を使って翻弄する。

「!?」

突然のことであった。風雅はパンチで警察たちを翻弄していた時嫌な予感がして、突然走り出し、作戦室を飛び出して行った。

「兄弟!?」


 風雅は廊下を駆け回るがその道中にも白い制服を着た財団戦闘員がいた。さらにはいつも挨拶する女性警官さえも震えながら銃をこちらに向ける。

「受付のお姉さんもかよ…警察全員腐ったか!」

「止まれ、未確認第1号!」

「こいつら…。うぜぇ!」

風雅は女性警官に当たらない程度に“鎌鼬”を飛ばし、財団戦闘員の刀を折って、折れた刃は戦闘員の胸に突きささる。

「死なない程度の傷だ、病院に行くか、財団お得意の薬で治すんだな。」

風雅は再度走り出し、外に出ると停めてあったバイク「マシン・ストーム」に跨り、家に向けて走り出した。

「財団がついにあっちから手を出して来やがった!となれば狙われるは俺の家、今は花以外に誰もいない…花も危ない!!」


           ー八雲邸ー


緋月 花はとても退屈だった。話し相手がいないのだ。知り合いは皆警察署に行っているので風雅が作り置きした昼飯を食べながら机に頬をぷくーと膨らませながら突っ伏していた。仲間や夫が警察に裏切られたのも露知らずであった。

「あーあ、風雅くんの料理美味しいけど本人いなかったら感想すぐに言えないのよね〜。早く帰ってこないかn…。!」

花は何かの気配を感じた。家は閑散としており、物音一つ立とうものなら何かが迫っている合図だ。

庭の縁石がジャリっと音を立て、花は身構えた。

その時だった。屋根から三本の弓矢が突きだして来た。

「!?」

八雲邸の屋根は刀を通さぬ程硬いと雷牙は言っていたが、この弓矢は平然と家の中まで入ってきたのだ。

「なにこれ!」


風雅はストームに乗って家の前まで辿り着いた。しかし、突如風雅に向かって火の玉が飛んできた。風雅は避けようとしたが、バイクは転倒し、風雅は放り出されてしまった。

「痛ててて…何なんだ?」

風雅の目の前に現れたのは5人の男たち。その者たちが着ていたのは風雅たちの着る特殊防護服のような作りの衣装だった。



「お前ら誰だ…財団の戦闘員か…!?」

5人の中で一際目立つのは剣を握っている赤髪の青年であった。

「我々はお前たち妖狩エージェントに変わる新たな討伐組織・“妖狩エージェントりつ”。俺は律の一人、“紅 悠介ゆうすけ”だ。」

悠介と名乗るこの青年は四人の部下を率いて八雲邸を取り囲んでいた。

「で、その新人くんたちが俺たちになんの用よ。」

「お前たちは敵であるはずの財団HANDの緋月 花や他の人造人間ホムンクルス共と結託したと警察から言われ、お前たちを始末しに来たのだ。」

悠介は剣を振るって風雅に差し向ける。

「そうか…じゃあ相手が悪かったな、俺をマジで怒らせたこと、あの世で後悔しろっ!!」

花を危険な目に合わした自分への怒りと花に刃を向けた“律”の妖狩エージェントたちへの怒りが妖力のオーラで一目で分かる。

「かかれ。」「御意。」

四人の部下たちは風雅に向かって刃を向ける。四人の内、悠介よりも後ろにいた部下は弓を引いて矢を放つ。

だがさすがは最強の元・妖狩エージェント。矢よりも早く移動し、弓使いの妖狩エージェントの顔面を粉砕させた。

「次…!」

刀を持った二人の妖狩エージェントが風雅に向かうが、刃を受け止め、へし折った後、眉間に突き刺し殺害。

「太刀筋がなってねぇ…次!」

最後の一人は拳銃を使い発砲するが、風雅は弾丸をキャッチ、一瞬で頭の上に移動し、脚で首を挟み折って殺害。こんな残忍な風雅をとても花には見せられない。

「次…!」

最後に残ったのは悠介ただ一人。風雅は体内に嵐を起こし、ギュイイン!!という音を立てながら悠介に立ち向かう。

だが、悠介は片腕の篭手だけでLEVEL3に覚醒した風雅の拳を止めてしまった。

「お前たちとは“生まれ”が違う!」

悠介は掌を風雅の腹に近づけた時、紅蓮の炎が噴き出した。

風雅のマフラーに引火してしまい急いで鎮火。だが少し焦げてしまい舌打ちをする。

「炎の妖…珍しいな自然系の術式は…。お前らなにもんだ、妖狩エージェントなら財団HANDとは敵対の関係にあるはずだ…。」

「財団HANDは俺たちに力をくれた。この力で醜き妖共を全て燃やしてやる…!!」

(やべぇ…復讐系主人公じゃん…俺苦手なんだよなぁ…)

「まぁ敵だと分かったなら手加減しねぇぞ。」

「来いよ、灰も残さず燃やしてやる…!」


         ー「“イグニッション”」ー


                EPISODE54「混沌」完      

         次回第一部最終回!


         次回「戦禍」

  次回はついに第一部最終回。第二部を新作として連載します!第二部に移ってもぜひ読んでください!

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