EPISODE49「戦争」
ヒカル奪還作戦を進める中、人造人間の一人・神威は一人、ヒカル復活を止めようと風雅に襲いかかる。
神威によれば光は自分のかつての友であり、風雅の知るヒカルは本来の光を育てるための器だったのだ。
それと同時刻、花に眠っていた“支配の厄災”と呼ばれる女王・赫夜が目覚めてしまった。カオスにカオスを重ねるな。
風雅と赫夜は宿主の花を返す返さないで口論を始め、激怒した赫夜は血の術式を解放して財団HANDの戦闘員を串刺しにした。
科学者は氷の壁を何十にも重ね、貫通すれすれだが血の攻撃を受け止めた。
だが科学者は光の核を風雅から奪取すると培養槽に入れられた素体の胸に押し当てる。その被験体の身体から巨大な光の柱で伸びた。それは後に全世界から注目を浴びることになってしまう。
やがて柱ほ消え、素体の身体は僅かに動いたものの、それ以降反応は見られなかった。
科学者は落胆の表情を見せるものの、すかさず龍我が科学者を殴って素体の上からどかした。
「風雅先輩!」
「よしきた!」
風雅は素体の元まで走るが、彼の足元の影から現れた神威が刃を下から伸ばして攻撃を仕掛ける。
間一髪で避けた風雅だったが、眉間に傷を作ってしまう。
「くっ!なんだよもう!」
「光を復活させるわけには行かないと言っただろう。奴はこの世界を終わらせる鍵だ!もう悪事を働く小悪党を懲らしめてる場合じゃねぇぞ妖狩!」
「その小悪党差し向けて来てたのお前ら!」
「俺は密かに財団に加担した妖を処刑していた!全ては厄災の依代となる妖を殺し、復活を阻止することだ!」
神威はこの世に人造人間として蘇生され子供の姿になろうとも理由は不明だが依代となった妖を探して妖を処刑していた。
「じゃあ何故俺たちと協力しなかった!」
「これは人生を厄災の闇に染められた俺の役目だ!光のような強力な妖が復活してはその妖力に当てられて復活する!あの桃色髪のガキは俺よりも早く事態に備えていたはずだ。それをお前らなんぞに壊されてたまるか!!」
神威は影から式神『鬼神・零式』を召喚し、左腕に“武装”する。
強化された左腕と黒刀・月闇との二重攻撃を繰り出す。対抗するために風雅も式神『神狼』を召喚し、“武装”する。
右腕にガントレットを装備し、風を纏って突撃を仕掛ける。
一方赫夜は自分の配下である暦とたちの方に近づき、挑発を始める。
「どうじゃ?1000年かけた復活阻止がいとも簡単に破れた気分は?平安の巫女よ。そして一国傾城の姫・椛よ。」
「なんで私たちのことを…!」
「ずーっと見てたぞ空からな。そして大正の世にこの緋月 花の亡骸に取り憑いた。財団は厄災のために肉体が同じになるように設計されていたのだ…!!これで私は自由じゃ!!」
風雅の拳と神威の刀がぶつかり合う、その瞬間だった。
ドゴォォォォォン!!!!
『!?』
光の素体の隣に何かが落下してきたのだ。
その場にいた全員が手を止めて注目する。煙の中に見えるは人影。そして手刀で煙を切り裂いた。
そこから現れたのは髪を一つに結び、赤い装束を着た男だ。
赫夜はその男を見て不敵な笑みを浮かべる。
「久しいのぉ…姿が変わっても魂で分かったわ!」
「久し振りだな“支配”!」
男は快活な性格をしており、この“神子の間”に着地した後にはまるで寝起きのように背伸びをした。
「さっきから何かどんちゃんうるさかったし、お前の妖力を感知して飛び起きたぜ。こいつらか、俺を目覚めさせてくれたのは…!」
先程の赫夜よりも重く恐ろしい妖力が部屋を覆う。一般の戦闘員は生きていることすら許されず、血を吐いて死んでしまう。
凱や雷牙もその瘴気に近しい妖力を浴びて地面に頭を垂れるどころか這いつくばってしまう。
「おい神威…何だよあいつ!知ってんのか?!なぁおい聞いてんのk…」
神威は風雅の言う事を聞かず、鬼のような形相で男に向かっていく。
「なんだ雑魚か。ほいっ。」
男が指を弾くと同時に水色の槍が飛び出して、神威の体を貫き、赫夜の元まで飛ばしてしまった。
おそらく男は術式ではなく妖力の塊を槍の形にして投げつけたのだろう。
神威の下に血溜まりができる。胸に当てたものの急所は外れていたので、虫の息である。
「神威!」
暦は神威のそばに寄り、自身の妖力を使って神威を治療しようとした。
「暦、あいつ何なんだよ…見つめてるだけで視線がビリビリして脚も重いぞ…!」
風雅は体が震えながらも暦に奴の素性を聞く。
「奴こそが“支配”に続く第二の厄災…“戦争”!神威の人生を悪夢に変えた張本人じゃ!」
「いかにも、俺こそが全ての戦を生み、愛する者、“戦争のノブナガ”!!」
「ノブナガってあの、織田信長…?!」
「今度は偉人が敵だってか!?」
凱と龍我が警戒していたところにノブナガと名乗る男は一瞬で二人の顔面を掴んで地面にめり込ませた。
「次!」
琥珀が重力で進撃を制限するも、ノブナガは“少し”だけ妖力を解放して重力を破ってしまう。
ノブナガは恍惚とした顔だ琥珀を襲おうとするも風雅の拳と雷牙の脚がノブナガを攻撃して止めた。
「ほう、お前らは楽しめそうだ!!」
ノブナガは二人の脚を掴んで思い切り投げ飛ばす。
「もっとだ……もっと戦をぉぉぉぉぉぉ!!!!」
EPISODE49「戦争」完
次回「閃光」




