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妖狩  作者: 定春
第一部:東編
46/55

EPISODE46「雷霆」

地下深くの研究所に落とされた風雅はかつての恋人

緋月 花と再会する。脱出を試みるも“キング”の称号を持つ人造人間ホムンクルスのキングに再び相対する。

そして対となる“女王クイーン”の称号を持つ花を無理やり妻にしようと画策するも瀬戸際でLEVEL3に覚醒した風雅が見事阻止する。再び邂逅できた二人はヒカル奪還と組織からの脱出を目指す。


       ー地下一階研究所 廊下ー


地下一階の廊下では雷牙が財団HANDが誇る26人の精鋭“エンジェル”の一人、“Eの天使”こと人斬り伊蔵と戦っていた。

伊蔵の術式は“刃(The Edge)”。両手を刃に変えて襲いかかる。しかも空間まで斬り裂くというチート仕様。

伊蔵の手刀を自分の手斧で受け止めるが、空間まで斬り裂く効果が作用。特殊防護服の生地が切られてしまう。

(くっ、耐刃生地だぞ!)

「拙者にとっては鉄は紙同然…なのになぜその斧は折れぬ!」

「残念。企業秘密だ!」

雷牙は伊蔵を蹴飛ばして、再度態勢を立て直す。雷牙や琥珀たちの使う武器には希少金属“緋緋色金ヒヒイロカネ”という物質が使われている。緋緋色金は雷牙が発見した新たな天然の金属で世界一硬いと言われているクロムよりも硬く、加工が難しい。本人曰く「学会に発表する気はサラサラない。」

工夫して加工された緋緋色金の武器は決して壊れる事はない。いくら空間を引き裂く術式があろうと武器は無事なのだ。武器は。

雷牙は床に手をつき、広範囲攻撃“紫電”を放つ。しかし伊蔵は素早い身のこなしで上に跳び上がる。

雷牙はそれを狙っていたかのように、さらに上に跳び上がる。

「“神鳴かみなり”!!」

掌に電撃を集めてそれを伊蔵めがけて上から落とす。

だが伊蔵は刃を上に掲げ、雷を受け止めた。

「避雷針かよ…。」

「拙者に雷などの波状攻撃は効かぬ!」


       ー地下???階 研究所ー


 風雅は花をおぶって研究所を進む。なぜかと言うと、キングを倒した直後に風雅の頭を一筋の光が貫通した。その光は風雅をとある場所へといざなっているかのようだった。その光を信じ、先を進んでいた。

進んだ先は照明が赤く、若干見にくいエリアである。

「あっか!何ここいかにも危なそうだが…」


      「ぅぅぅうわぁぁぁぁぁ〜!!」


小さい声がだんだん大きくなり、風雅の前に何かが落ちてきた。

「琥珀!?」

「あいてて…うお、風雅ーー!!」

財団戦闘員から命からがら逃げ延びた琥珀は運が良いのか悪いのか、この最深部の研究所に辿り着き、風雅と合流することが出来た。

「あーもう会えないかと思ったー!!ん、その人は…?」

「この子は花。俺の大事な人だ。」

その言葉を聞いたとき、まるで自分も今まで会えなかった友人と再会したような気持ちになり、涙目になった。

「良かった。やっと逢えたのね!」

だが花はまだ起きる気配はない。

「あとはヒカルの居場所を探るだけ…なんだが、なんかこの先にいそうなんだよな…。」

「そんなテキトーで大丈夫なん?」


       ー地下一階研究所 廊下ー


 雷牙は電撃が効かない伊蔵に苦戦を強いられていた。

いくら“神鳴”や“紫電”を用いても避雷針にされたり高速移動でかわされてしまう。

「いくら撃っても効かぬ。それにお主の妖力が無駄に消費されるだけだ。」

「お前が黙って受けてくれれば楽に終わるのに。はぁ…だる…。」

「お主、まだ何かを隠してるのか!」


うつむいていた雷牙が顔を上げると、恍惚とした狂った笑みを浮かべていた。さらに青いスパーク、虹色の粒子が弾ける。


       八雲 雷牙 LEVEL3解放


(もっとだ…もっと弾けろ!!もっとハイになれ俺の頭!!)


        「“轟け『雷獣』”!!」


雷牙の背後に金色の獅子が顕現し、その鳴き声は稲光を呼び、空気は轟く。

「『雷獣』、“武装アームド”!!」

10年抱えたトラウマを全て振り切り新たなスタートを切った雷牙。そんな彼の実力はまだ完全ではなかった。

今までは両脚だけの武装だったが、今まで隠していたLEVEL3を解放した雷牙の武装は両脚に加え、電撃を纏った篭手、口には獅子の牙と雷を模したマスクを着けている。

「すまないが、LEVEL3ごときでは我々エンジェルには敵わ…。!?」

話す隙は与えない。すでに雷牙の足が伊蔵を捉え、蹴りを繰り出す。

だがさすがはエンジェルの端くれ、瞬時に刀でガード。

だが雷牙は手斧を持ち、さらに追撃を加える。

「“迅雷”!!」

黄金の電撃を纏った連続攻撃で伊蔵を追い詰めていく。「くっ!重い、痺れる!」

バキッという音が聞こえ、雷牙の攻撃をガードしつつ見てみると、自身の手刀にヒビが入っていた。

頃合いと見た雷牙は最後に伊蔵を蹴飛ばして態勢を崩す。そして雷牙はクラウチングスタートのポーズを取る。


        「“神速……・雷霆”!!」


黄金の稲光が一直線で伊蔵に突っ込み、一瞬だけキックを終えた雷牙が映った瞬間、雷牙が伊蔵の体をキックで貫き、先程の映像通りになった。

伊蔵の頭の上でシュヴァルツ将軍の最期のように天使の輪が完成。

「残念無念…財団HAND…バンザーーーイ!!」

頭の輪から強烈な光が放射、光に包まれた伊蔵は万歳と両手を天に掲げながら爆発四散してしまった。“武装アームド”を解いた雷牙は一切振り返ることなくエレベーターを目指す。

                EPISODE46「雷霆」完


  

           次回「邂逅」

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