表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖狩  作者: 定春
第一章 東編
29/29

EPISODE29「進撃」

牛鬼会のアジトに突如侵攻してきた謎のギャング集団“鬼熊組”。鬼熊組のメンバーは少数ながらも全員がLEVEL2の妖軍団であり、牛鬼会は為す術もなく壊滅。かしらの凱ですらも鬼熊組のかしら小次朗の刹那の攻撃で、惨殺されてしまった。

同時期に港町へ帰省していた妖狩エージェント一行にも鬼熊組の幹部47号が迫り、龍我は敗北。


 47号が出した条件は「明日の朝8時までに牛鬼会のアジトに来ること。来なければ東京の街をぐちゃぐちゃにする。」 

罠があるかも知れないと分かっていながらも風雅はバイクを走らせて八雲邸に戻る。続いてヒカル、琥珀も雷牙が運転する車に乗って八雲邸に戻った。

一方の龍我は港町に残って修行すると言い、同行しなかった。47号に負けたのが相当悔しかったらしい。


風雅は八雲邸の入口の門で人の足が見えているのが見え、バイクから飛び降りて走った。

「おい、しっかりしろ…って…お前、牛鬼会の…誰だっけ?」

「ジミーだよ!ごほっ!」「あ、起きた。」

「とにかく牛鬼会が大変なんだ!みんな、みんな死んじまった!!かしらもやられちまった!」

「落ち着けマミー。」「ジミーだ!」

「いいか、俺らは今から牛鬼会のアジトに向かう。正直罠の臭いがするが…8時までに行かないと大変なんだ。」

「俺も連れて行ってくれ…」

「ケガすごいけど良いのか?」

「仲間の死に比べたらこんな傷へでもない!頼む!」

ジミーの覚悟を信じた風雅はバイクの後ろに乗せ、雷牙と共に牛鬼会アジトの校舎を目指す。


    ー8月24日 AM7時54分 アジト到着ー


ギリギリ8時までにアジトに到着することが出来た一行は体育館に急いで向かった。

体育館の扉をジミーと共に開け、中に入ると中には牛鬼会メンバーの死体は無く、血痕だけが残されていた。

「あれ…みんなどこ行ったんだ…。」

死体どころか呼びつけた鬼熊組のメンバーもいない。

「風雅、あれ見ろ。」「!」

雷牙が見つけたのは、体育館奥のステージで磔にされている一華だった。

「一華姐ぇ!!」

真っ先に飛びつこうとしたのは一番慕われている琥珀だったが、風雅は防護服の首根っこを掴んで止めた。

「慌てるな、こいつは罠だ!」

「だって!」


すると一華の隣に置いてあるブラウン管が点き、映像が流れた。

『やっほー妖狩エージェント皆見えてるー?』

「あいつが俺たちを襲った鬼熊組のかしらだ!」

『時間通りに間に合ったことは褒めてやる。けどー、今からー東京の街をめちゃくちゃにしまーす!!』

その瞬間、街の方から爆音と人々の悲鳴が聞こえて来た。東京は5分と経たずに地獄絵図と化した。

『君たちが向かおうとしても無駄だよ?君たちのそばには僕の部下二人がいるからねぇ。じゃあの世からこのパーティー会場を見おろしててくれ。じゃねー!』

テレビの映像はそこで途絶えた。

「やっぱり罠か…てっきりここで決戦になると思ってたが…」


「てめぇら全員皆殺しだぁ!」

扉の前に巨漢の男と怪しげなオーラを放つ男が立っていた。

巨漢を48号とし、怪しいオーラの男を49号とした。

「はぁ、腹減った。」

48号は両のてのひらに口が付いていた。右手に誰かの腕を持っており、ゆっくりと掌の口に入れていく。

「まさか…死体が無いのって…。」

「おいらがみーんな食っちまった!」

戦慄するヒカルたち、交友関係を築けた仲間たちがこうもあっさりと泡のように消えていく。

ジミーは戦意を喪失し、膝から崩れ落ちた。

「さーてメインディッシュだぁ。」

「お前まだその腕取ってたの…?」

48号が持っている腕は他のとは段違いらしい。

「いっただきまーす!」


           ガシュン!


突如48号の前から見覚えのある大剣が飛んできて、腕を貫き、壁に刺さった。

「あ、あの剣は…!」

「待たせたな…!」

ステージの方から聞き覚えのある声が聞こえた。

「俺が牛鬼会のかしら…石動 凱だぁぁぁぁぁ!!!」

かしら!」「凱、生きてたのか!」

仲間たちは皆歓喜した。右腕は欠損したままだが、抉り取られた脇腹、肩は跡形もなく完治していた。

「な、何故生きてる!かしらが始末したんじゃないのかよ!」


「俺にも分からねぇよ…何で生きてるのか。でもよぉ、こう考えてみてくれや。てめぇらを全員地獄に送るために生き返った…屍人しびとだ…!」

凱の大剣には防護服の磁石により引き寄せることができる機能があり、腕が刺さった大剣を自分の元に引き寄せた。

そして大剣から引き抜き、欠損した部分にくっつけてみた。

「おっ、くっついたぜ!」

腕の筋肉、神経が蒸気を上げながらくっつき、右腕が再生した。

「風雅、雷牙、トミー。先に街へ行って。」

「ジミーだ!」

「ここは僕と琥珀ちゃんで抑えます。」

ヒカルの肩は怒りに震えていた。


「お前ら落ち着k…」

「これが落ち着いていられますか?」

「好きな人殺されたアンタならこの気持ち…分かるでしょ?アタシたちが食い止めるから、街の本丸潰して来なさい。」

「行かせるかよぉ。」

琥珀は指を動かすだけで48号、49号の重力を横向きにして体育館の奥へと落とした。

「今よ!」

「俺も行くぜぇ!!」

風雅たちは体育館を飛び出して、バイクに登場。凱は風雅の後ろに乗り、ニケツ状態で街へ向かう。

雷牙は車に乗車、ジミーも後部座席に乗って街へと急ぐ。

「凱、一つ聞きたいんだが、お前のその再生力大地の力じゃないだろ?」

「だな。俺に何が起こったんだか…」

その話を無線で聞いていた雷牙は一つの仮定を述べた。

『妖にはごく稀に、2つ目の術式を持つ者が現れるんだ。お前はそれに覚醒したのかも知れないな。名付けるとすれば…』 


      ー「“不死(The Immortal)”」ー


謎は多いが、術者を不死身にする能力を持っているようだ。

「言うなればお前は生きるゾンビだ。」

「でもこれで何も気にせず戦えるぜ…待ってろよ、必ずお前らの仇を討ってやるからな…!」


           ー東京ー


東京は渋谷区に到着した風雅たちは絶句した。血塗られた道路、死体を刺して作られた地獄のツリー、手をつないで状態で潰れた親子。ビルから槍の様な物が生えていたりもした。

「ひでぇ…。」

「ここはもう蹂躙しつくしたってことか…。」

するの遠くの方でビルが倒壊する場面が見えた。

「新宿の方だ…急ぐぞ!」


           ー新宿ー


バイクと車を走らせていた時だ。突如地面から大量の針が生えてきて、雷牙が運転する車のタイヤがパンクした。

「くそ!」

雷牙は特殊防護服に身を包んで、相手を探した。

「!、居た…。」

ビルの上にこちらを見つめる人影を発見。その時、再度地面から針がはえ、柱のようになり、ジミーと分断されてしまった。

「ドミノ、俺は奴を追う。自分の身は自分で守れ!」

「だからジミーだってぇ!原型ないじゃん、“ミ”しかないじゃん?!」


「いい獲物が来たぁ…。」

路地裏から現れたのはナイフをお手玉のように軽々と扱うチンピラだ。

「お前、村田と斎藤殺したやつだな…覚えてるぞはっきりと!」

「けっ、何だこいつ人間かよ。生き残りやがって、運の強い野郎だぁ。ま、すぐ殺すから関係ないけど。」

「ヒッ!やっぱ怖い…助けてかしらぁ〜」


その頃、蟹の能力を持つ47号は新宿で着々と蹂躙を進めていた。

風雅と凱は降り注ぐ瓦礫を避けながら小次朗のいる場所を探す。

「兄弟、お前たしか鼻が良かったよな、探れるか?」

「今やってるさ。ひときわ強く、恐ろしい匂いを感じた。千代田区の方向だ!」

妖狩エージェント牛鬼会連合軍VS鬼熊組の戦いが今始まる。

                 EPISODE29「進撃」完


           次回「猫又」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ