EPISODE2「疾風」
霊的な物を一切信じない高校生・一之瀬 光
彼は帰宅途中カマキリの特徴を持つ妖と言われるバケモノに襲われる。しかし、光の前に『赤いマフラーの男』が現れ、蟷螂男は妖狩と呼んだ。
「公安警察及び妖狩の命により、アンタを倒す。」妖狩と名乗る男は蟷螂男に指を指して宣言した。
「こんな所で妖狩に邪魔されるとは…!」
冷や汗を描きながらも妖狩を睨んだ。
「教えろ。何故罪のない人々を殺す…」
妖狩は蟷螂男に質問した。
「決まってんだろ、気分がいいからだよぉ!今まで俺を馬鹿にしてきた人間を一人残らず駆除してやるのさ!」「そうか、分かった…」
ー「斬撃(The Slash)」ー
妖狩は蟷螂男の動機を聞いた後、一瞬で蟷螂男の間合いに入っていた。
「何!?」
「ふんっ!」
アッパーカットで蟷螂男を打ち上げた。だが体勢を立て直し、腕の鎌を展開して妖狩に向かっていく。
「死ねぇぇ!」
妖狩は退くこともせず鎌を片手で掴み、蟷螂男の腹を蹴って鎌を千切った。
その衝撃で蟷螂男は地面に尻もちを着いた。彼の視点から見えた妖狩は満月をバックにこちらへ無言でゆっくりと近づいてく姿があった。
他の妖が彼を恐ろしく思うのも無理は無いだろう。
恐怖を感じながらも立ち上がり左腕の鎌を展開し、「俺は…こんなところで死んでたまるかぁぁぁぁ!」
と叫び腕を適当に振り回して斬撃波を放った。さすがの妖狩も
「こいつはやべぇな」
と呟いて斬撃波を避けていく。避けられた斬撃波は木々を切り倒し、ヒカルの元まで届いていた
「わぁ!何、何が起きてんの!?」
斬撃波を避けたが右頬には少し傷が付いた。「あれだけやって…これだけだと…」「あー、うん。そうみたい。」
軽く返した。妖狩の右拳には風が集中し、渦巻いている。
「…消えろ、風と共に!」
その一言と共に駆け出し、風を纏った拳を放ち、蟷螂男の体を突き抜けた。
「…“疾風弾”!!」
その瞬間、蟷螂男の背面から爆風が吹き出し身体が灰となり頭から崩れていった。その灰は夜風に乗り、言葉通りとなった。
灰が舞い上がっていく様子を見届け、妖狩は黙祷をした後、ポケットから黒色のガラケーを取り出し電話をした。
「あ、東刑事?無事倒しました。」
「ごくろうだったな。『妖狩・神狼』」「もう任務終わったし、本名で呼んでくださいよぉ。」
先程まで冷徹な顔をしていた『神狼』は表情が崩れ優しい青年の顔をしていた。
「とりあえず“未確認第34号『マンティス』”ってことで上に伝えといてくれる?」「了解した。」
「それと、殺された被害者と34号の関係性が分かりましたよ。」「本当か!」
東刑事は声を大きくした為、『神狼』は耳を痛めた。 「あ、はい、“兄貴“からの情報と俺が聞いた動機を照らし合わせると殺された人たちは皆、34号と面識のある人たちなんですが、先程襲われた少年は証拠隠滅の説が有力っすね。」
「そうか…今回も協力感謝する。」「ん、じゃそゆことでぇ。」
『神狼』はケータイを閉じ、放置していたバイクにまたがった。その時、
「あの!」
遠くの木に隠れていたヒカルが声を掛けた。
「おいおい逃げてなかったのかよ…。」
「僕もあなたみたいに、バケモノ達を倒したいんです!」
『神狼』は呆れた顔でバイクに頭を当てた。
「あのな坊主、お前が見たのは生身の人間では決して倒せない連中なんよ。お前みたいな夢見がちで半端な覚悟の奴ならとっくに殺されてる。…あとで警察のオジサン達来るからそこで待ってろよ。じゃあな、二度と会うことはないだろー。バーイ。」
『神狼』はヒカルに忠告をした後、バイクのエンジンをかけ、走り去っていった。
EPISODE2「疾風」完
今回の用語
「斬撃(The Slash)」腕から刃を生やし、物体を切り裂く術式。
“疾風弾” 拳に風を纏い、まるで弾丸の如きスピードで相手を倒す。最大限の火力を一瞬の動作に集中させる。




