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妖狩  作者: 定春
第一章 東編
16/29

EPISODE16「不良」

     ー7月12日 AM11時58分ー


 風雅たちは警察署に呼ばれ作戦室に集められた。

「なんすか?大事な話があるってわざわざ全員呼び出して。」

「今日みんなに集まってもらったのは、助っ人として新たな妖狩エージェントを紹介しようと思ったからだ。」「は?助っ人?!」

「入りたまえ。」

東が作戦室入口のドアに呼びかけた。扉が開いた。

入ってきたのは、身長180センチ以上はあるだろう屈強な青年で、前髪で片目を隠し、背中に大剣を背負っている。

「牛鬼会・かしら 石動 がいだ。夜露死苦!」

まさしくヤンキーの常套句で作戦室に声を響かせ、女警さんたちをビビらせたと共にそのルックスでメロつかせた。

石動 凱 22歳。

子供の頃から筋金入りの喧嘩好きで、地域の悪ガキを見つけては片っ端からボコしていた。まさにガキ大将。

今では街をまとめるギャング集団“牛鬼会”のかしらを務めている。

「助っ人がギャング!?」「警察がそれ採用して大丈夫なわけ?」

「実はな。今の牛鬼会の主な活動ってのは街を荒らす不届き者の制裁と、親のいない子供たちに子ども食堂を開いたり、毎月第三日曜日は河原でゴミ拾いしてるぞ。」

「おい、バラすなよ恥ずかしい!せっかくギャングってかっこいい名前でやってんだよ!」

凱は赤面しながら雷牙を指差して怒鳴った。

一方の風雅は苦い顔をして出来るだけ凱と顔を合わせないようにして、身長がほとんど同じの雷牙の後ろに隠れた。


「そして、また会ったな八雲 風雅!」

「イッタイ、ドナタデショウカ。僕ハ八雲 雷牙ダヨ。」

「変な声マネやめろ、アホ毛でバレバレ何だよ!」

「ちっ!」


これ以上隠れても無駄だと判断したのか、雷牙の後ろからひょこっと顔を出した。

「先生そんな嫌そうな顔してどうしたんですか?」

「知り合いなの?」

「えぇ…どなたでしたっけ…」

風雅は一点として凱に対して嫌そうな顔をして他人のふりをし続ける。

「おいおい、忘れたとは言わせねぇぞ?去年お前は俺と戦ったんだぞ!」


       ー1年前 10月31日 ー


 風雅が警察からの要請で駆けつけた先で遭遇したのは巨大な人型の牛の怪物。

「こいつが未確認第15号か!でっけぇな!」

「お前、俺と戦え!」

15号は風雅を見るやいなや勝負を仕掛けてきた。

拳は大人1人分程大きく、攻撃を避けただけでコンクリートにクレーターが出来た。

「“変身”!!」

風雅が『神狼』を“武装アームド”し、数発で未確認第15号を倒した。

15号の装甲が溶けて中から石動 凱が現れた。

「この攻撃受けて死ななかったのお前が初めてだよ。」と倒れている凱を見おろしながら称賛した。


「お前こそ…強いな…すまねぇな術式が暴走しちまって制御出来なくなっちまった。」

「まぁ幸い死人は出なかったし、街の損壊も多くはない。1、2週間檻に入るだけで済ませてやるよ。」

凱は警察2人に支えられ護送車に乗せられることになった。護送車に乗せられる直前ある約束をした。

「八雲 風雅!!いつかまた、勝負を申し込む!その時は必ず俺が倒す!!」

そして護送車に乗り、搬送されていった。

当初はやかましい奴だなとだけしか思っていなかったのに、


          ー現在ー

 

 風雅は誤魔化していたのではない。本当に忘れていたのだ。だから凱から声を掛けられても元々のコミュ症が発動して苦い顔をしていた。

「石動 凱、我々に協力してくれて感謝します。牛鬼会の人数とパワーがあれば妖の対策もしやすいですよ!」

東は一喜一憂したが、凱は東の顔の前に手をかざして言葉を遮った。

「おいおい、誰が簡単に協力するって言ったよ。俺は妖だぜ?それとも何だ、周りに善良な妖がいるから感覚麻痺ったのかよ刑事さん。俺がここに来たのは八雲 風雅と戦って勝つためだ!!」「!」

凱は背中に背負った大剣を取り外して風雅に刃を向けた。

「どうしても俺を仲間にしたいなら条件を出そう。我々牛鬼会から3人、ソッチから3人戦える奴を選出し、3番勝負を行う!試合は明後日だ、それまで手を洗って待ってろ!」

「首だよ首。」

そう宣言し、大剣を収めると腕を組んで高笑いしながら作戦室を出ていった。

「一体何だったんだアイツは…」

「とりあえず警察の利益のためにも勝負受けるしかないだろ…本当はメンドーだけど…」


       ー明後日 7月14日ー

 

 風雅たちは凱から試合会場の住所が書かれた紙切れをもらっており、一同は到着した

       

         「小学校…?」


風雅たちがたどり着いたのはもう使われていないであろう小学校。校舎や窓にヒビが入っており、いつ壊れてもおかしくない。

校門には女性が1人立っていた。

「あのー…すみません。牛鬼会との3番勝負の会場はここでしょうか…?」

ヒカルが校門まで1人で女性の元まで交渉しに行き、女性は風雅がいることを確認した。

「そうだよ。ここが会場であり、牛鬼会の現アジトだ。着いておいで。」

4人は門番の女性に言われた通り着いていくと、たどり着いたのは大きな体育館。

扉を開けて体育館に入ると目の前に見えたのはプロレスで使うようなリング。そして多くの牛鬼会メンバーが上の階の座席や扉付近に溜まっており、風雅たちが入って来るなり大ブーイングの嵐。

「ヒェ、これがギャング…?」

「ふん。めでたい歓迎だな。」

風雅が皮肉を言った時、体育館最奥のステージにかしらである凱が立っていた。

「よくぞ来たな妖狩エージェント!!

さぁさぁ牛鬼会のお前らもこれから起こる熱い戦いに覚悟しろよ!!!」

『おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』

牛鬼会全員による大合唱。それは体育館を震わせ、とてつもないパワーを生み出しているかのように感じた。

「とう!」

凱はステージから飛び出し、リングの真ん中に着地した。

「これから始まるのは“まつり”だ。全力で来いよ?」

『おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』

「お前らはいいんだよ!」

再び始まる大合唱に凱はツッコミを入れた。

その間に妖狩エージェントチームは誰が参戦するかを円を作って考えていた。

「なぁ、誰が行くよ?」

「俺は降りるz」

「兄貴にははなから期待してないから除外として…」


参戦するのは風雅、ヒカル、琥珀。次は出る順番だ。

「よし、ヒカルお前最初に出ろ。」

「えぇ!でも相手が誰を出すかもまだ分からないのに先に順番決めるのはちょっと…」

「何言ってんのよ。アンタが相手の実力測るのに最適な人材なのよ?だったら最初に出たほうが良いかなってなっただけよ。」「うんうん。」

「もしかして僕使い捨て!?」

               

                EPISODE16「不良」完


           次回「祭典」

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