シルクスイート
紅あずまで完結するはずが。
まさか、このタイミングでその姿を見るとは思わなかった。たしかに秋も遅めというかほぼ冬に出回る品種ではあるのだが。
その名はシルクスイート。紅はるかのきょうだいな品種ではあるが、その名の通りしっとりなめらかな「絹のような口どけ」が売りないもである。さつまいもの中ではかなり新しい品種のため、流通量はまだそれほど多くないように思う。行動圏では見ないことのほうが多い。
紅はるかのきょうだいにしては繊維が少ない。この点は紅あずまに似ている。
この前生協の注文書で見たのに惹かれながらもあえて注文せずスルーしたのに、なんで引っ掛かっちゃったかなあ。生協のいもは大小込みで中身も選べないけれど、お店で見たのはバラ売りで選べてしまったのだ。この差はとても大きい。
とりあえず、皮を剥いて蒸して裏ごしをする。繊維が少ないから作業はラクである。
さとうに水を少々なじませておき、火にかけ焦がす。色止めのために熱湯を加え、バッチバチにはねるさとう湯にびびり散らかす。
ちょうどいいサイズの器がないため、一五センチのスクエア型に流す。カラメルソースである。
小鍋にさとうと豆乳を入れてあたためる。さとうが溶けて沸騰しないくらいまで。ボウルにたまごを割り入れて、泡立て器でよく溶きほぐしたところに、あたためた豆乳を少しずつ加えていきながらよく混ぜる。バニラは切らしているから、ラム酒入れちゃえ。
そこに裏ごししたさつまいもを加えてよーーーーくまぜたら、万能こし器(ざるなど)で濾す。
たまごのカラザとか、うっかり入っちゃった殻とか、なんでか混ざったさつまいもの硬いところなんかを取り除くためと、裏ごししたさつまいもが固まってしまうことがあるからほぐすためも兼ねている。
さらによく混ぜて、型に流す。
……ボウルにあった量を見ていた限りでは型から溢れそうだったのに、びったりジャストに収まる不思議。
型の上部にアルミホイルで蓋をし、湯気の上がった蒸し器に入れて蒸していく。このサイズだと三〇分でいけるかどうか?
そのくらい経ったら様子を見てみるが、めっちゃ生だったので蒸しに戻す。トータル四〇分ほど蒸してみたところ、なんとなく過熱な気がする。
鬆、入っちゃったかもなあ……。
とりあえず、冷まそう。
上下をハードタイプの保冷剤で挟んでみる。型と保冷剤のサイズが合っていないから、落とすことはないだろうけれど果たしてどうなることやら。
弁当を作らなくなってから出番がとても少なくなった保冷剤、案外活躍の場があってよろしい。
あら熱がとれたら冷蔵庫へ。
予想以上に素直に型から出てきてくれた、いも入りだからどっしり系プリン。少々ラム酒の匂いが強い。
そんなに入れたつもりはなかったが、どうやら入れすぎたようだ。
しかしなんでカラメルがプリン本体と同化したかな?
それはさておき、鬆が入っているか確認すべく。
たべるよーーー。
どことなくケーキのそれを思わせる断面は、正常である。鬆が入っていなくてほっとした。
さつまいもでプリンは初めて作ったが、かぼちゃのプリンは作ったことがあるから感触と食感はほぼ変わらないと考えている。
ラム酒を入れすぎたことから、さつまいもの風味が分かりにくくなっていた。せっかくのシルクスイートなのに。でもなめらかにはできたから、結果オーライということで。
なめらかといっても裏ごしいもが入っていることから、通常のプリンのような舌ざわりというわけにはいかないが、それでもちゃんとプリンしている。えらい。
久々に作った蒸しプリン、サイズの都合で苦戦したもののたいへん満足である。
それにしても、豆乳で作るとほんっとあっさりになるなあ。




