潮干狩り 前編
日本の海軍の潜水艦や軍艦の内部がテレビとかで放映されて今すけど、とても大変そうですよね。
陸軍と空軍に比べてお給料とかいいのでしょうか?
日曜日に一話分だけ書き溜められました…
やってきたるは太平洋。前世の記憶から言うと茨城県の北側。福島県との境に近いところに位置する海岸線である。どれだけ贔屓目にみても「ビーチ」や「浜」とは言い難い立地であった。長い時間を輸送車に揺られてやってきたお嬢様方はこの光景にフラストレーションを募らせており、今にも爆発しそうな雰囲気を醸し出している。
防衛の都合上、直前まで場所が知らされないだけではなく、場所も毎年ランダムに決定されているとかで、前情報がなかった女児たちは素敵なエメラルドグリーン(汚染水)のビーチを勝手に想像していたようだが、現実はそんなに甘くないのだ。そもそもねお琵琶湖ですらも虹色に輝く恐ろしい環境なのに、核兵器をバンバン撃ちまくった戦争後の世界の海が綺麗なわけがないのである。
だが、学校もこんな崖っぷちから遊泳してこいと言うほど鬼ではない。これから防衛施設を搭載したマクサコフ製の軍艦に移乗し、船をベースとして遊泳やドローンの実地教練、水中訓練などを行うスケジュールになっており、三泊四日で訓練に明け暮れる日々を過ごすこととなる。
クラスごとに用意されたマクサコフの戦闘艦六隻はお気に停泊し、俺たちは担任のゆん先生の指示によってブリーフィングルームに集合した。
「さて、これより正式に潮干狩りを始める。これからの三泊四日の間はこの軍艦の水兵と同じように生活してもらうことになるので、覚えておいてくれ。生活のマニュアルや緊急時の対応チャートは今各自のグライアイに転送したので、できるだけ早く確認しておくこと。有事の際にあってから目を通しては大概は手遅れになるからな。」
ユン先生は相変わらずの端的な説明しかしてくれないが、話が短くて助かる。みんな海に飛び込んで見たくてウズウズしているからな。
「あと、念のため口頭でも説明しておくが、軍艦の後部にいは近づかないこと。緊急発進の際には高速でスクリューが稼働するかた一瞬で海の藻屑の仲間になる。また、水深七十メートル以下の海域には海獣が空いでいる可能性が高いため、それより深く潜ったり、茂木しないように気をつけること。それでは活動開始時間までは艦内の探索や自室での荷物整理等を行うこと。先に荷物整理だからな。それでは、解散。」
解散して動き出すのは言いつけを守気の少ない男児たちである。探検をしたくて仕方ないのだろう。俺はクラスの中のいい友人たちと同室なので、落ち着いて自室へ向かった。
この艦は俗に「万能艦トリグラフ」と呼ばれ、正式名称は「全環境対応戦艦トリグラフ」である。この全環境と言うのは陸海空の三環境のこと指しており、艦内に設置された小型原子力発電機構によって大量の電力を生み出すこの戦艦は、陸海空さまざまな環境で運用できる戦闘用ドローンを格納しており、いわばドローン用空母と言って差し支えないのである。俺たちのドローン教練で利用するドローンも格納されており、陸海空どこから敵性体がきても十分対処可能である。また、従来の海軍においての懸念事項であった真水の確保は原子力発現機構から生み出される電力によって解決されており、水もお湯も好きなだけ利用できるようになっている。湯船に浸かることこそできないが、十分な時間シャワーを浴びることができるようになっている。
食糧事情についても完全栄養食であるネクターがこれでもかと積載されているため、毎日かわるがわる味と食感を変えながら食事を楽しむことができる。因みに最近の学園での流行はいちごショートケーキ味のヌードルである。もちもちした食感の面を噛み締めながら味わう苺と生クリームの味は衝撃である。二度と食べない。
休眠室にはベッドが所狭しと並べられているが、生前のテレビ番組で見たような三段や四段の薄いベッドがあるわけではなく、縦型の休眠ポッドが設置されているだけであった。この休眠ポッドは三時間の睡眠で八時間分の睡眠効果がある休眠医療用カプセルとなっており、反重力システムのおかげで立っていながらに無重力のおかげで眠ることができる。
一通り荷物等の整理が終わった俺たちも艦内の探索をしていると、トリグラフの管制室を見せてもらうことができた。管制室では眼球型サイバネティクスを装着しているのであろう大人達が空中を見つめながら椅子に座っている。見ている分には非常に不気味である。唯一艦長だけはサイバー攻撃や遠隔でのクラック対策に有線接続での操作を行なっているようであった。首筋につながる色とりどりな線の数がやり取りする情報の量を物語っている。
サイバネティクスの普及によってレーダーや火器管制に必要な人員が削減された分、管制室に必要な人員は削減され、その分をドローンの操縦士に振り分けているらしく、管制室の先に操縦士のための個室が用意されていた。今日の午後のドローン教練ではこの部屋を使うとのことだった。
因みに初めて見たマディナの水着姿には、「何もない」と言う感想しかなかった。強いて言うならば娘の小さい頃を思い出してしまって、少し寂しくなったくらいだった。俺が天使になることには幾つになっているのだろうか…
マクサコフの軍艦はトリグラフを筆頭とする支援系の軍艦と長距離攻撃用のレールガンを搭載した攻撃艦や、撃墜ミサイルや防御用電磁シールドを搭載した防御感がありますが、今回は児童のドローン教練があるために全て支援艦になっています。




