休日①
仕事が忙しすぎて更新が捗らないですね。
できるだけ頑張ります。
マクサコフ学園の休日は忙しい。幼稚園生から高校生まで課題や準備物、自主学習や特訓等で各々自由に過ごしているが、単純に「休んでいる」人間などいるのだろうかと、疑問に思うほどには忙しい。特に低年齢の俺たちにとってこの忙しさは厳しく、毎日お昼寝やおやつなどで休息する時間は確保されているといえど、丸一日遊んだり、休んだりする日など長期休暇程度しかなく、学期途中の現在はみんなそれぞれストレルが溜まっている。その結果、寮で同室の面子みんなで大型商業施設へ出かけて、今度の潮干狩りの準備をすることとなった。
大型商業施設はマクサコフ学園からバスで三十分ほど離れた場所にある複合施設であり、ファッション、サイバネティクス、魔法関連用品、ニンジュツ使いの訓練教室、食料品売り場などのほか、娯楽施設等も併設されている。今回俺たちの目標は潮干狩りに使用する水着やイヤーガードなどの水泳用品と娯楽施設での遊戯である。
マクサコフでの水泳の授業では基本着衣水泳ということで水着を使用してこなかった。ニンジュツ使いにとってもサイバネティクス使いにとっても水着はそれぞれの能力に合わせて変更する必要があるため、学用品として指定したものを用意するという発想がないのだ。俺の生前では息子の水着を選びに妻と一緒にスポーツ用品店に行って買い物をしたものだった。当時は男児用の水着にもラッシュガードとかいう上半身用の水着があるべきだとかどうとか色々な議論があったが、現在ではそもそも水着がいらないとは…。時代の変化は恐ろしいものである。
だが、水着なしで水泳が楽しめるのは浄水を利用できる施設管理のプールのみである。河川や海洋水は先の第三次世界大戦と戦後の環境を無視した開発による汚染によって並の人間ではとても遊泳することができない環境になってしまっている。笑い話にもならないが、「海行ってくる」は「自殺してきます」のカジュアルな表現になって、冗談で通じてしまう慣用句となってしまった。
前世ではイスラエルやヨルダンにあった「死海」どころではない死海になってしまった今世の海に対抗するにはサイバネティクスの装備が推奨されている。ダイバースーツのような全身一体型の水着が主流だが、俺たちはマクサコフから支給されている格闘用サイバネティクスがあるので、手首より先を省いたモデルを購入することになった。
担任から送られてきた「潮干狩りのしおり」では、対放射線、対刃、耐圧性能が高いほど良いと書いてあったので、各自で予算の範囲内で揃えることとなった。ニンジュツ使いの子とナノマシンを投与している俺は放射線への耐性が高いため、サイバネティクス製のボディースーツではなく、防刃性能の高いダイバースーツを選択した。値段が他のものに比べて十分の一以下であるというのも魅力的である。こういった各自で選ぶ学用品は親が出すものだから、できるだけ負担を減らすよう心がけたいものである。親からするとそんなことを心配するなと感じてしまうものだが、この世界でも金は重要なのだから仕方ない。
因みにゴーグルは必要ない。グライアイが埋め込まれている眼孔は内部をコーティングされているため比較的安全なのである。心配症の人はつけているようだ。逆に前世では気にしたことのなかったイヤーガード(耳栓)は重要なようだ。脳に近い部位に水が入るのを防ぐためだろう。内部構造的にも洗浄が難しいため、これについては推奨ではなく必須とされている。
買い物を済ませて集合した俺たちは、商業施設に附設されている娯楽施設に移動している。以前両親とここに来た時には、商業施設の見学だけで一日が終わってしまったことや、まだ赤ん坊だったためにこちらにくることはできていなかった。前世では息子や娘を連れてボウリングやバスケットボール、ボルダリングなどを楽しんだものだが、現代ではこれらのスポーツはすでに廃れてしまっている。多くの人類がサイバネティクスやニンジュツ等を身につけている現代では身体的スポーツや球技に運動や競技としての意義が少ない。現代のスポーツの主流は「Eスポーツ(エレクトロニクススポーツ」と呼ばれるものが占めている。生前にあったEスポーツは電子ゲーム等を用いたスポーツを中心とした文化であったが、今世では水陸海の各種ドローンを用いたドローンレース、格闘用義体を用いた義体格闘倶楽部、各種電子ゲーム、そして今回ここを訪れた目玉である仮想現実技術を用いたリアルタイムFPSゲームである。
このFPSゲームはグライアイなどの眼球型サイバネティクスを移植している人間のみ利用可能なサービスで、広いフィールド内に仮想空間を投影し、さまざまな地形で銃撃戦を行うことができるというものだ。マクサコフ学園の中等部・高等部の射撃部が練習場として利用することもあり、非常に人気のアクティビティとなっている。銃器は実際の重さを再現したものや、俺たち子供でも扱いやすいように最低限の機能以外は軽量プラスティックで再現した物などさまざまである。そしてこの施設限定の機能として、立体フィールド生成というシステムが導入されており、ゲーム開始一分前から、最新型の3Dプリンタによって建築物や樹木、土嚢などの遮蔽物が即席で生成され、プレイヤーは瞬時にフィールドを把握して戦闘に参加する必要があるのだ。久々に自習をせずに遊びに徹する休日にすると決め込んだ俺たちは長めの時間予約をとって遊戯に耽ることとなった。
因みに資金は節約した水着代である。同じ部屋の仲間たちには墓まで秘密を持って行こうと誓い合った。
ワールドトリガーが自分の最推しコミックなんですが、いくら近未来でも再現できなさそうですね。
ワールドトリガーのゲーム新しいの出ないかなぁ。




