進級審査会
やっとこさ二年生へ。今後サイバネティクスの量とかが増えたらプロフィール的なのにまとめた方がいいんですかね?
「え〜では、定刻になりましたので、一学年の進級審査を行います。今回は学年主任が不在ですので自分、ヤオが司会を兼任しますので、ご了承ください。例年は成績順に並べて下位3%の足切りという方針でしたが、教育改革と人材育成方法の見直しということで、人数の間引きは進学、つまり小学校への移動時に行われますので、よろしくお願いいたします。では、一組の一番から…」
憂鬱だ。毎年毎年この時期になると行われる進級会議はかなずと言って良いほど各組の担任からの苦情等で遅々として進まなくなるのだ。この会議には一学年の授業を持つすべての学級担任と教科担任が出席する。マクサコフ学年の厄介なシステムとして、児童の将来的な成績が確実に指導者に反映されるようになっているという点が挙げられる。ニンジュツの発動に必要なチャクラ量や魔法に使う魔力量など、現段階から厳選を重ねておかないと、将来脱落した生徒を進級させた責任が発生する。そのため全ての教員が胸を張って進級させられる生徒など多くはないのだ。今年は学年主任もいないし…。まあ今年は成績がギリギリの児童は俺の学級にはいないから問題ないだろう。
「魔力量が圧倒的に不足することが予見されるわ。」「チャクラの使い方に難がある。センスが足りない。」「運動神経がおかしいとしか言えない。今後の成長を期待するだけ無駄だね!」「サイバネティクスに対する拒絶反応値が高い。今後新しいものを移植するのは不可能だろう。」「生活態度に問題がある。社会性にも乏しく、今後エージェントとして活躍するための資質に欠けているだろう。」「道徳科目の成績が足りませんわね。理想家で利己主義の傾向は組織として不要ですわ。」「自主学習の量が圧倒的に足りない。自己研鑽のできないものは進学してもろくな成長がない。」「保護者に逮捕歴が追加されている。今後マクサコフで働く同士となった後にこの経歴は問題があるだろう。」
「……では、この生徒の進級は不可ということでよろしいでしょうか?」
「「「「「「「「異議なし。」」」」」」」」
来年度以降はこの会議はAIの補助を入れてもらえるように申請しておこう。まだ俺のクラスの三割にも満たない人数しか終わっていないのに一時間以上経過している。
「え〜では、次の児童ですね。次は神前孝です。身長は百六センチ。体重17キログラム。まあ平均の範囲内ですね。伸び率も同様です。学習成績は全科目A判定を受けています。移植したサイバネティクスは眼球型のグライアイ、血液に移植したナノマシン型のクローフィーの二種です。ドローンは標準のもの。故障経歴は入学前の一回のみで整備等も積極的に行なっています。進級時の新規サイバネティクスにはルカボカを希望しています。希望理由に書いてあることには、クローフィーによる身体強化ができるため、出力的な問題は不要と考えようです。能力、資質には問題がないかと思われますが、進級だけでなく、進路等についてもご意見があればお願いします。」
「魔力量はやや平均より上という程度だけれど、物質への魔法の発動は十分以上にできます。次の学年からは習熟度別のクラスを変えても良いかと思うわ。思考が柔軟でアレテーの解釈の自由さも評価できるので、制限魔法や裏魔法などの指導を始めても問題がないかと。」
魔法の成績は上々のようだ。俺の学級の児童として嬉しい限りだが、魔法にかまけられても困るので、俺も発言しておかなければ。
「ニンジュツの方も問題ない。初心者クラスからのスタートだったが、チャクラ量も十分で今後の伸び代もある。習得しているニンジュツの数こそ少ないが、今あるニンジュツを使いこなしている。修練コースや熟練コースに編入させても追いつけるだけの努力家でもある点を踏まえると、魔法の方は今のままにして優秀なニンジュツ使いにすることを念頭に置いても良いのではないかと思う。」
「いえいえいえいえ。彼はサイバネティクスの適性が学年で最高と言っても良いでしょう!ニンジュツや魔法の練習にかまけているなら我々の実験…いや、サイバネティクスやドローンの操作技術の修練を積むべきです!データを見てくださいよ!現時点で二種類の、しかも片方は血液に混合したナノマシンを移植しているのに拒絶反応はほぼ皆無!実験対として最適ではないですか!」
「本音が出ていますよ。ヴラドレン先生。児童を実験隊にするなんて自分の担当でなくても嫌がるものですよ。周りを見てください。引かれていますよ。」
彼らがドローンの教練に参加するメリットとして進級できなかった上質な実験隊を求めていることは我々教員陣の共通認識であるが、それを容認している訳ではない。ましてや優秀な人材を実験台にするほど余裕があるわけでもないのだ。
「神前孝は実験台にはもったいないですね。ドローン教練の成績も拳闘の授業での成績も高い。非常に実戦に向いている能力と資質を示しています。それこそ入学試験の時から。彼は小学校進学時点で特進コースを想定して指導することにしませんか?この学園から『キメラエージェント』の輩出は急務と行って良いでしょう。働きに期待しましょう…」
俺のクラスから特進コースへの進学は嬉しいが…まああいつなら大丈夫だろう。死ぬ気で努力すれば案外死なずに済むかもしれん。そう思って最終確認の担任決済を行なった。
誤字脱字の報告ありがとうございます!助かっています。
進級会議で基礎学力や伸び代が足りないもの、資質に問題があるものなどを弾いた上で進級を行います。この際にクラス替えや各教科の習熟度別授業の振り分けを再度行います。何か特化したものがあるけど進級は難しいか?という児童には特別支援学級への移動があります。これは実験[検閲済み]




