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チャクラ測定

氷って冷たくなったから氷になる訳ですが。温度以外の変化で氷にすると冷たいんですかね?

 個人のチャクラ量は、魔力と同じように測定することができる。測定の仕方は簡単で、水を氷に変化させられる量を調べれば良い。

 俺たちは、水道から流れ出る水を袋で受け止め、次々に氷にしては水道へ投げ捨て続けて何回氷を作ったのかを数える。この袋は内側に書かれている線まで水を入れると一リットル入るようになっており、凍らせると千㎤の氷が作られる。この状態変化の術によって測定されるため、俺たちのチャクラ量は〇〇㎤ないし㎥と計測される。これは状態を変化させることのできる量の目安にはなるが、使用するニンジュツによって消耗度が異なるため、一概に当てになる数値ではないので、気をつけなければならない。


 例えば先日ドッヂボールで活躍した「霧隠しの術」は空気の構成要素を変化させて水蒸気を発生させているので、細かく見れば分子や原子のレベルで物質が変化しているため、消耗は大きいだろう。自分は詳細を知らないのだが、おそらく空気中の水素や酸素、二酸化炭素を変化させてH2Oを作っているのだろう。そうなると、分離したOやCはどこにいくのか謎だが、こういった分離や結合にチャクラというエネルギーが使われていそうだ。

 一方で水を氷に変えるだけなら、水中の水分子を密集させるようにしているだけなので、そこまでの消耗はないはずだ。第三次世界大戦で戦争犯罪人として処断されたニンジュツ使いの中には、体の一部を放射性物質に変化させて自爆攻撃を命令したものがおり、活用の多様性がうかがえるが、恐ろしさも見えてくる。


 こんなことを考えながら水を氷に変化させているが、マクサコフとI&Kでは、ニンジュツの発動の仕方が違うため「ながらニンジュツ」ができている。「古来の」ニンジュツ使いは両手で掌印という、手で特定の記号を表す動作を行うことでチャクラを体内で利用できる状態にして術を行使していたとされている。マクサコフは第三次大戦後にニンジュツの研究を進める中で、この掌印という作業は記号を表すことによる自己催眠を行うことであると解釈し、サイバネティクスによって再現することを可能にした。

 俺たちが移植しているグライアイにもこの機能が搭載されており、ニンジュツを使いたいときにはグライアイからチャクラの活性機能を起動させることで、脳神経に作用して術の発動待機状態にすることができるようになっている。科学の力というのは素晴らしいものだ。

 しかし、ニンジュツ使いもこの進化に負けじと成長を遂げた。機械嫌いのニンジュツ使いたちは自らの胸腔内や腹腔内にもう一組の手をニンジュツによって作り出し、常に掌印を作らせておくという荒技を成し遂げたのだ。本当にそれでいいのかと突っ込みたくなったが、これで実際にニンジュツをいつでも発動できるようになってしまったので、マクサコフとI&Kの差は再び広がってしまったのだった。余談だが、この技術が広まったためにニンジュツ使いの便秘が多発した。腹の中に異物を作っているのだから当然である。そのため、初心者用のニンジュツの教本には便秘を治すための術が掲載されるようになっている。


 グライアイによるニンジュツの発動を続けていると、急に氷が生成できなくなる。これでチャクラ切れかと水道から遠ざかると、周りの子供たちもすでに離れている子がいたので、氷の生成回数をユン先生に報告して、クラスのみんなにも共有する。今のところ平均は十八回ほどで、自分が二十二回だから、現状やや多めくらいの認識でいいだろう。ニンジュツをうまく扱えるようになれば少ないチャクラでより大きな変化を起こせるようになると聞くし、成長に従ってチャクラの量も多くなるとも聞く。これからに期待しよう。

 未だ水道にいる子供たちは長時間の作業に飽きてきたのか、他の子の袋を借りて一方で水を溜め、一方で凍らせると言った作業を始めた。暇な子は周りで水遊びをしようかなどど計画を始めている。今度同じクラスの霧隠の術を使った子に、どれくらいの量を変化できるのか聞いてみようと考えていると、ユン先生から声がかかった。


 「そろそろ限界が来ると思うから、教室に戻って袋を干しておいてくれ。教室が水浸しにならないように気をつけてくれよ。」

 三歳児の教室らしい天井ばかり高くて、あらゆるものが低い位置にある部屋へ戻ると、物干し台が用意されており、前世で見た教室に一つはあった雑巾を干す台を思い出した。雑巾の独特の匂いが花の奥で蘇るような気がして、なんだか懐かしい気分に浸りながら自分の席に戻り、ユン先生から送られてきた自分の体格データを見る。


 身長はまだ一メートルに満たない。体重も心もとない。前世では自分の身長など気にしたことはそんなになかったが、今となっては頼りなさを感じるばかりだ。しかし、今日はニンジュツという成長を得た。一歩ずつこの世界の人間として成長し、この世界に馴染めていることを実感できる。そんな感動を得られたことが今日の成果だろう。

 


 

みなさんは自分の教室の風景を覚えていますか?

なんだか懐かしい風景ですよね。


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