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サイバーパンク転生〜企業戦士となって信仰を捧げる〜  作者: 石丼
サイバーお受験戦争
27/70

追いかけっこ

初の戦闘シーンになる?

 ここ数ヶ月、サイバネティクスの強奪を目的とする幼児誘拐事件が連続発生している。警察とマクサコフの合同捜査組織が設置され、帝国全土に捜査の手を伸ばしているが、中核メンバーを逮捕するには至っていない。誘拐された少年少女は悲惨な姿で発見されているものもいれば、生きて帰ってこれなかった子も多いと報道されている。幸い俺が住んでいる都心部では警戒網が強く、未だ犯行が行われていないと考えられるがいつ俺が誘拐されてもおかしくないというのが現状である。警戒することを自分自身に言い聞かせながら生活していたある日のこと、私は近所の子供達と共にドローンレースをして遊んでいた。


 「うーん、やっぱり索敵機器を乗せたままじゃあ勝ち目は薄いのかもしれん。」

 軽量化され尽くした近所のお兄ちゃんたちに僅差で敗れ続けて、ぼやきながら一人屋上で捜査練習のためにドローンを飛ばしていたところ、探索危機に妙な反応があった。


 (うん?探索機器に人の反応があったはずだが消えた?グライアイで確認しよう。)


 そうしてストリボーグⅤの索敵機器にあった反応を解析するべくデータをグライアイⅢに転送させる。音響探知では間違いなく人の反応があったのだが、直後に小型動物程度の反応に変わっている。これはニンジュツ使いの変身能力だろうか?気になった俺はストリボーグにしがみついて上空から静かに跡を追うことにした。今日は近所の子と遊んでいたせいでストリボーグ単体で移動させると回収ができなくなる可能性がある。不安もあるが自分もついていくのが最善だと判断した。


 しばらくすると、小動物の反応は再び大型に変わり、建物に入っていく。俺はグライアイの音響探知の設定を周囲の音を収集するように変更し、グライアイで音声解析を行う。すると二人の男性の声が聞こえてきた。


 「例のアパートだが、間違いない。マクサコフのプログラム参加者がいるようだ。ストリボーグが飛んでいたし、ちょうどそれくらいの年齢のガキが三人いた。どうする?予定通り明日誘拐しにいくか?」


 「どうかな?まだ三人のうち誰がプログラムに参加しているかまでは確認できてないのだから、性急に進めるのは良くないと思うけど…。時間が押してるのも確かだね。」


 狙われたのは、俺でした。こいつらが誘拐犯か。ニンジュツ使い相手には効果が薄いが、二人の人物の声紋を記録するために探査範囲を絞って精度を上げる。これで骨格や背格好もある程度は絞ることができるようになる。


 「マクサコフの弱体化を狙うとはいえ、子供を狙うのは気が引けるね。そもそも青田?狩りにも程があるだろう。こんなちっちゃな子を狙うより、そこそこ教育させた子をどうにかしたほうが育成にかかったコスト分損害も大きくなるだろうに。」


 「いや、子供の時を狙うことで、プログラムの実施自体を妨害するんだろう。マクサコフのエージェントは若くとも強い。それは育成の速さもあるが、幼少からの訓練の賜物でもある。阻害できずとも、規模を縮小させたり、参加するか定数の減少を目指しているんだろう。」


 マクサコフを狙っての組織的反抗だというのか、二人ともニンジュツ使いであるなら、I&Kの雇われかだろうか。そんなことを考えてると、背後から声をかけられる。


 「おーい小僧、そんなとこで何やってんだ?」

 俺は振り返ることもできなかった。背中に冷や汗が流れ続ける。二人組じゃなかったのか!?油断した。返事をできぬまま、背後に立った男は近づいてくる。


 「ここは子供の遊び場じゃあないんだ。最近は誘拐犯だって出るって聞かないか?悪いことは言わんからさっさと帰んな。」

 まだごまかしが効くと信じて、振り返って子供らしい全力の笑顔の演技をする。


 「ごめんなさい!猫さんを見かけて追っかけてきちゃった。帰り道はわかるからもういくね。ばいばいおじさん!」そう言って走り去ろうとした矢先、これの腹に男の足がめり込んだ。


 「オゲゃうぶ」


 「君さぁ、監視対象のうちの一人じゃん。子供相手だと思って油断してつけられてたのか!おい!部屋から出てこい!ガキがきてるぞ!」


 男が通信機に向けて叫び声を上げている時、俺は体に走る痛みを必死に耐えてストリボーグを呼び戻し、駆け寄った。体はナノマシンが動かしてくれる。


 「待てクソガキ!」

 肉体強化を使用しているのか、人間らしくない急加速で追ってくる男。しかし俺も未だ二歳とはいえ体は既に回復し、肉体強化をおこなって走っている。間一髪でストリボーグに捕まるとともに急上昇を行う。


 ニンジュツ使いも建物の間を跳躍して上空まで手を伸ばすが、空中での機動力ならこちらが勝る。なんとか距離を取ることができた。遠目に建物内にいた男二人が飛び出してくる姿が見えると、そのうち一人は鳥類に変身してこちらに向かってくる。小型ではない!


 「まずい…逃げ先がない。」

 つい心の声が漏れ出る。今アパートに戻っても父は不在で母は戦闘能力がない。他の家庭もほとんどの大人は出払っているだろう。家に帰っても追跡されて無理やり取り押さえられてしまう。かといってやたらに逃げ回ろうにもストリボーグのバッテリーは多くなく、どこまでも飛べるほどではない。バッテリーが切れれば鳥に変身して追ってくるやつに追いつかれて結局捕まる。どこか逃げ込める場所はないのか!?今世初の鬼ごっこがこんななんて考えたこともなかった!


 そんな焦りを抱えながらもグライアイのインターフェースで周辺状況を確認して逃げ先を探し続ける。

 


 

この世界では交通整備が万全になされているため、警察署はあっても支所となる交番は離島などにしかありません。それ以前に犯罪などのトラブルには警察署から人員が送られ、山奥などでない限り十分程度で現着します。

しかし、これは場所がわかっている地点に限り、孝のように逃げながら警察に連絡を取って合流するのは困難と言えるでしょう。

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