忘備録=クローフィー
いつもの設定みたいなものです。不要な方は読み飛ばしてください。
私が新しく身につけたサイバネティクスであるクローフィーは、血中に流れるナノマシンである。これは器用貧乏ながら肉体強化や身体の回復、体温調整などさまざまな能力を持つ。しかし、本来これらは別々サイバネティクスによって行われていた。
強い肉体を持ちたいのなら象も一撃で屠れる腕を肢体にサイバネティクスを移植してもいいし、体の回復などしなくてもその部位に合ったサイバネティクスを移植すればいい。体温調節は心臓型の体温操作ユニットがあった。わざわざ器用貧乏にしなくてもそれぞれ特化した物があったのだ。それでもなおクローフィーが怪異発されたのには当然の理由があった。
サイバネティクスにはそれ自体の再生能力が低いという弱点がある。ナノマシンのようにサイバネティクス同士で修復し合う機能を持たせることは可能であったが、第三次世界大戦中、特に戦闘中には機器を補修するだけの材料を都合することができず、「体を治すための機械を直すための材料」がない。という状態に陥ったのだ。魔法使いは肉体自体に魔法を使って身体を修復し、ニンジュツ使いは体を変形させて無理やり傷を塞いだ。他の二国に対してマクサコフの継戦能力が低かったのだ。
そのため、体を強化しつつ回復もできて故障しづらいサイバネティクスを作ろうとして開発されたのがこのクローフィーであった。クローフィーの特徴は特定の場所に重要機関を持たないというところであり、出血等で機器が体外へ流出することはあっても、ダメージを負って機能しなくなるということがない。つまり修理の必要はなく補給も楽であり、サイバネティクスの修理に用いる機材や技師が不要になる。また、クローフィーによる身体の回復は、ナノマシンが体内から材料を回収し、血流に乗って傷まで移動して修復するという、「自分の肉体で自分を再生する」方式をとっているので、多少の時間はかかるが医療道具や衛生兵の助力を必要としない。血液中にナノマシンを入れて仕舞えばやや中途半端でもあらゆる状況に対応できる超人兵士を作れると、当時のマクサコフでは画期的な発明の一つであった。
体温調節機能は元々は極寒や酷暑地帯を想定して用意された機能であったが、一時的に体に負担を強いることで、体温を周辺温度とほぼ同等にできるという特徴があった。ある負傷兵が平野部や森林地帯などの通常気温帯で、わざと気温と体温を同期させてサーマルカメラから逃げ切って帰還したという伝説が残っており、有効活用された例として資料に掲載されている。
ナノマシンの補給には注射器や錠剤、座薬などさまざまな方法で補給されるが大戦中は
特に食事に混ぜて供給されることが多かった。戦争に参加した前線の兵士の八割は糧食からクローフィーを移植されており、同意のないままの移植であったとされている。当時ですら実験開発段階であったクローフィーは尿や糞から適切に排出されなかった事例が存在し、その場合は多くのナノマシンは血栓となって脳卒中や四肢の切断を伴う血管梗塞を引き起こしてしまった。実はこれはまだ楽な方で、サイバネティクスへの拒絶反応を起こしてしまった兵は身体中から生きるために必要な「部品」を取り外さなければならないうえに、新しい「部品」を取り付けることもできなくなってしまい、寝たきりや水槽に浮かんでいる被害者もいるという。これらには被害者の会が結成されたという噂がネット上にはあったが、マクサコフの法務部や中央裁判所の資料を調べても記録は見つからなかった。
恐ろしい記事を見つけてしまい、自分の選択が間違ったかという後悔の念を抱いたが、自分には「拒絶反応耐性」があるとミクリマが言っていたこともあるし、なるようになるだろうと諦めている。
クローフィーを移植した翌日、再生にかかる時間の測定と、どこまでの傷なら平気なのかを確かめるために、ストリボーグに鋏を持たせて自分に傷をつけようとしていたところを母に見つかってしまい、二時間以上泣かれて、父には説教された。興味本位で行動してしまったが、彼らにとって俺が大切な息子だという自覚が薄かったのかもしれない。前世の家族のために目標を持って生活しているが、今世の家族を犠牲にするのは忍びない。幼稚園に入ると寮から通うことになるはずなので、一緒にいる時間こそ短いかもしれないが、今世を共に過ごす数少ない大切な人たちだ、そう認識を改めてかけがえのない思い出を一緒に作っていきたいと思うことができた一日だった。。
全身丸ごとサイバネティクスに置き換えない限り、どうしても身体に弱点が発生します。そういった場所を補う意味でも、クローフィーのようなものは利便性が高いかもしれません。
仕事の連休が明けてしまうので更新の速度は下がりますが、一日二千文字程度を目安に頑張って更新していこうと思います。
小説を書き始めるにあたって二千字くらいがいいと見聞きしたのですが、あってますよね?増やした方がいいとか、分量少なくしてあっさり読みたいという方がいたら、是非感想を送ってください。お待ちしております。




