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サイバーパンク転生〜企業戦士となって信仰を捧げる〜  作者: 石丼
サイバーお受験戦争
19/70

忘備録=ストリボーグⅤ

なんとかもう一話かけました。一日の投稿字数を決めている訳ではないですが、アイデアは薄れないうちに文字にしてしまいたいもので。

 マクサコフ機械公社製。汎用索敵偵察用ドローン「ストリボーグⅤ」


 

 ストリボーグシリーズの最新機であるストリボーグⅤは従来までの共通企画であったブルーライン通信による近距離制御から方針を転換し、ヴァイキング通信システムの採用により、周囲に一切の障害物がなければ半径600メートル。自社及び他社の通信基地局等がある環境下においては最寄りの基地局から半径600メートルまでの距離を移動できる。つまり、都市部などの基地局が多い地域では内蔵電源が続く限りの距離まで遠隔操作することができる。


 このヴァイキング通信システムは基地局の通信システムを短時間でクラックし、通信回線を確保する新方式のシステムであり、一般的な通信局のセキュリティを1マイクロ秒で突破し、ユーザーとの通信を維持し続ける。クラックはストリボーグⅤに搭載されたAIが自動で行うだけでなく、自機を通してユーザーが手動で行うこともできるため、エージェントのスパイウェアとしての運用も想定されていそうだ。これがあれば俺自身が危険を犯さずに遠隔で望む機械をハッキングすることもできるようになるわけだ。


 ストリボーグⅤには索敵機器として動体レーダー、音響探知、電波逆探知機、光学カメラ(前方及び下方)、魔力探知機、サーマルカメラが搭載されている。グライアイⅢとの同期機能では動体レーダー、音響探知、光学カメラ、サーマルカメラのデータを同期することができ、リアルタイムに支援を受けられる。


 ストリボーグは索敵・偵察に向いたドローンのため、兵装はほとんどついていない。自沈、自爆用の爆薬がついている他には、対空ミサイル対策のレーザー撃墜システムが上下についているだけだ。銃火器を搭載するためのマウントが用意されているが、流石に赤ん坊に銃火器を送りつけることはできなかったのだろう。そういったものは郵便物に含まれていなかった。まあ、爆薬が搭載されているだけでもお腹いっぱいなのだが。


 ドローンの命とも言えるクアッドローターはマクサコフの技術だけでなく魔法の技術が用いられており、静音性が従来より40%向上しているそうで、半分以下の出力で運用する分では20デシベル(無音室内程度の音)ほどしか音を発しないとのこと。つまりほとんど音が出ないと言っていい。現に父の背後を追い回していても十分ほどは気づかれなかった。(急なUターンに機動が間に合わずバレてしまった。)


 警察組織等が対テロ用に配備することが決定している機種であるため、犯罪者に対する警告や交渉に必要なスピーカーとマイクが搭載されていて、今回はその機能を利用して両親と話すことができた。自分自身で話す練習はしているが、舌や口、喉が成長していないためまだまだ自分で話すのは時間がかかりそうだ。先日夜中に目が覚めた時にドローンを母の元に送って絵本を読んでもらうように頼んだところ、怖がらせてしまったので、使う場面は考えなければならないと反省している。また、声が怖すぎるとのことだったので、ネットから落としたフリーソフトでやさしい男の子の声に変更しておいた。


 連続稼働時間は起動しているシステムの量に比例し、最高速で全ての機器を起動している場合は14時間が最長で、速度を制限し、索敵機器のいくつかを使用する程度であれば30時間以上稼働することも可能なようである。


 ストリボーグとグライアイの同期機能は非常に高度で、自分の視覚は壁で遮られていても、ストリボーグの光学カメラや音響センサーで認識できる物体は壁越しにでも認識できるように補正をしてくれす。息子がやっていたホラーゲームの透視のようだった。

  

 ストリボーグは戦前に開発が始まったドローン製品で、元々はドローンレースという機体を高速で飛行させ、広大な敷地に設置されたリングをできるだけ早く全て通過すると言う競技に使われていた。

 このドローンレースが発展し、VR機能を併用してドローンを戦闘機に見立てて五対五で戦うドローンフォースというスポーツが生まれた。ドローン搭載のカメラにより主観視点で空を舞い、敵を探して撃墜するこのスポーツは、図らずもドローンの軍事転用の土台を構成してしまい。大惨事大戦勃発後はドローンとそれを操作するプレイヤーも兵役に就くことになった。


 戦時中に開発されたストリボーグⅢは、軍事基地にいる電子兵が操作して敵を探知し、地上兵に共有するという方法で運用されていたが、ミサイルや魔法使いによって強化された狙撃銃による撃墜が後を立たず、自己防衛能力を持ったドローンの開発が求められた。

 そのためストリボーグⅣはミサイル対策の撃墜用レーザーを搭載したほか、撃墜後に修理して再運用が可能なように、地上部隊内の隊員がグライアイなどの機械化した眼球を利用して遠隔操作しながら運用できるように改良された。撃墜用レーザーはミサイル対策だけでなく、魔法使いの狙撃兵を優先的に索敵し先制攻撃することにも使われ、対魔法使いの兵器としての地位も確立していた。


 ストリボーグⅤは今までの設計思想を引き継ぎ、偵察や自己防衛のための機能は維持され、航行距離も伸ばされた正統な後継機と言えるだろう。センサーや兵装類を取り外すことで、公式のドローン競技へ参加する規格へ調整することもできるようだ。俺にとって最初の愛機だ。大切に使っていきたい。


 翌日、リビング内でドローンの機動練習をしていたら母に没収されてしまった。悲しい。


 


 

 

 ドローンを用いたレースはすでにラスベガスやドバイなどで観戦できるようですね。いつか自分も見て見たいものです。この世界では、ドローンを用いで某航空戦ゲームのようにVR機器を用いて対戦します。基本的に五対五での戦闘で、戦闘機は二機ごとにペアを作り、残る一機は司令兼任の哨戒機となります。

 いつかこんなスポーツができるといいですね。

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