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サイバーパンク転生〜企業戦士となって信仰を捧げる〜  作者: 石丼
サイバーお受験戦争
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忘備録=食文化について

サイバーパンク世界にはこんな食生活があっていいのではないかと妄想を膨らましました。

 「それでも、サイバネティクスがないよりはずっといいはずよ。これからの時代は必需品だと告知も出ているし、これがないと食事すら味気のない世界になるのでしょう?」


 母は俺を子ども部屋に連れて行く前にこんなことを言っていた。気になったので、インターネットで検索すると、この世界の食生活の異様さがわかったため、ここに記録しておく。


 この世界で主として流通している食品は全て「ネクター」と呼ばれる完全栄養食品をもとに作られてられている。このネクターは分子の大きさや食品プリンターで出力するときに与える熱の強さに応じて食感が大きく変化し、グミからステーキ、パスタや素麺、キャベツやこんにゃくなどあらゆる食感や歯触りが再現できるように研究され尽くしている。しかし、味はネクターに含まれている栄養素の素材の味でしかない。


 こんなことになったのは、サイバネティクスやニンジュツによって人間の体が強靭になったことによる環境への無関心や、第三次世界大戦によって引き起こされた環境汚染によって、陸上、海洋におけるさまざまな生鮮食品の安全性に疑問を感じた各国が代替食品の生産へ共同研究を持ちかけられた事がきっかけである。この世界には環境問題に声を上げる少女はいなかったのだ。


 ネクターは世界中で生産される食肉や穀物、果実や野菜を原料としている。原料は食の安全を守り、食品ロスを可能な限り防ぐために全ての食品を分子レベルまで分解する。どのようにして行うかは社外秘ということで判明しなかった。分解された分子で栄養素を構築し、バランスよく配合したものがネクターと呼ばれるもので、ドラムに詰めて出荷され、各社の食品工場で「食品設計士」の資格責任者が計画した通りに3Dプリンターで食品を出力するのである。原料はどの食品で合っても同じであるため、牛丼もラーメンもりんごの切り身(ネクター製と表示されている)も全て同じ色、味、原料で作られている。ただし、牛丼ひとつを作るにも、炊いた米、煮たネギや牛肉、紅生姜などをそれぞれ別でプリントしたものを乗せ合わせて作るため、意外と手間がかかっている。


 ではそんな食品がどのようにして食されているかというと、コンビニエンスストアやスーパーマーケットでは、食品を陳列する棚に、「おすすめ味!」というPOPとともにQRコードが掲示されている。このQRコードを記録し、食品を食べるときに脳に接続しているサイバネティクスにインストールすると、なんと牛丼は牛丼の味がするようになるのである。このQRコードは「調理師」の資格責任者が安全に配慮して調子した食品を食べた消費者(被験者)が味をどのように舌の味蕾が受け取り脳へ送信しているのかを解析したデータが入力されている。

 そのため、我々がコンビニで購入するのは、牛丼のような食感をしたネクター製完全栄養食であり、サービスとして配布されている牛丼の味覚データを読み込みながらこれを食すことになるのだ。無理やり納得するならば、かき氷を購入したときに後から好きなシロップを食べていい状態になっているということだ。嫌な世界だ。


 ちなみにスーパーやコンビニで配布されているQRはネット上にも公開されていて、どのネクターを食べている時であっても再生できるため、麺状のネクターを食べながらエビチリ味を楽しむこともできるし、綿飴状のネクターを食べながらステーキの味を感じることもできる。どんなメリットがあるのかは知らない。

 また、ネクターの食感は熱によって変化するという特性上、ほとんどが常温で食す必要があり、あつあつのステーキやラーメンを食べることはできないという欠点がある。


 犯罪組織が運営しているウェブサイトでは「脱法QR」というものが販売されているらしく、高級料理店等で限定公開されるQRを闇取引しており、これを読み込みながらコンビニのネクターを食することで、いつもよりもリッチな味を楽しむ事ができるとか。稀に、というか当然のように偽物やウィルス入りのデータも流通しているため、コンビニ等で購入する際にはQRのプレートにシールで上書きされていないかどうか確認したり、ネット上で不用意にQRを読み込まないように消費者庁が注意喚起をしている。


 こんな食生活が世界的に行われていることもあり、世界中の食材を生産していた農家や酪農家、漁師、食品加工業者は大きく数を減らしたが、調理師がネクター用の食品QRを作成するために料理の原材料は必要とされているため、安全な環境が保障されている一部地域で生産に営んでくれている。


 そんなわけで、私はこれからネクター製のミルクや離乳食、給食を食べていくことになる。この世界が味気ないものでないことを祈りながら、夕食のミルクを飲むときにはネクター製ミルクの公式ベージに掲載されていた「照り焼きマヨソース味」をダウンロードしてみることに決めた。ゲテモノが好きなのだ。


こんな世界も面白いかもしれませんが、あつあつのたこ焼きとキンキンに冷えたコーラが飲めない世界は嫌ですね。

ポケモンは無事一人めのジムリーダーに勝てました。

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