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サイバーパンク転生〜企業戦士となって信仰を捧げる〜  作者: 石丼
サイバーお受験戦争
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実験体

ポケモンを人生初めてプレイしながら執筆しました。

侮っていましたが難しいですね。虫のジムリーダーの最後の一匹に全抜きされて負けました。

 もう言葉が理解できるようですね。


 という松下管理官の残した言葉とともに、ファイルが転送されましたという通知が視界に表示される。俺は混乱の余韻を残したまま松下が出ていくまで何も行動することができなかった。ファイルにウィルスやらなんやらが入っていないか手探りで調べようとしてみたが、どうすればいいかわからず、仕方なくファイルを展開した。そこにはメールが入っていた。


 「孝くん。こんにちは。自己紹介は済ませているので、割愛します。あなたがどれだけのレベルで言語を理解したかはわかりませんが、現状について説明する文書をお送りします。我々新生児管理チームでは、あなたたち新生児のグライアイⅢの活動時間や通信量、グライアイを通して接続したインターネットの利用状況をモニタリングしておりました。

  あなたの昨夜から今朝までにかけての通信量は新生児の中でも群を抜いており、当社のみならず、大企業について調査していることを把握してます。これは、新生児に電脳を移植して未来のエージェントにスパイを潜入させる工作を防止するための措置であり、全プログラム参加者に実施しています。つまり、今回病院に訪れたのは不正な移植手術が行われた形跡がないかどうかと、実際に孝くんの生体情報を確認してスパイであるかどうかを確認するためでした。医師との面談や孝くんの様子を確認して、容疑は取り下げられたので、ご安心ください。孝くんのように多量の通信が行われた場合は今まで100%が他企業の産業スパイであったため、今回の対応は現場担当者である私、松本の責任で判断しました。

 今後もモニタリングは継続されますが、節度ある利用を心がけてください。また、本状は本社製品共通機能の視線間高速赤外線通信機能を用いて送信いたしました。グライアイは実験機であるとともに最新機種ですので、有効活用するようお願い申し上げます。また、十分な言語能力を獲得していることを確認したため、グライアイⅢにおいて制限されていた機能のいくつかについて解禁申請を上司に提出しました。あなたが将来の優秀なエージェントとして成長できるように活用してください。新生児管理官松下綾」


 恐ろしい。いくらスパイの防止に努めているとはいえ、新生児にまでモニタリングを行わなければならない世界なんて、あっていいものだろうか。新生児になりすますスパイも、それに対策する会社も、それがまかり通っている社会も俺には歪んで見える。

 松下管理官も恐ろしい女性だと認識を改めなければならない。両親と話すために十数分部屋に滞在していたとはいえ、その間に自分のことを見た時間なんで数秒しかなかったはずだ。そんな一瞬で俺の状態を確認して、さらにはこの文面を用意して機能の解除まで行っている。

 神前孝という人間はマクサコフにとって将来のエージェントであり、実験体なのだろう。サイバネティクスを活用して優秀なエージェントになろうが、生かしきれずに機器を使い潰してパーになろうが、どちらにせよ収穫はあるのだろう。いいだろう。そっちが手綱を緩めてくれるなら、俺も精一杯予習して、お受験戦争を勝ち抜いて見せようではないか。

 ところで、モニタリングの範囲はどこまでなのだろうか。まさか忘備録や俺の思考まで目を通されているのでは…。


 松下からのメールを読んで疑心暗鬼になっている俺の元に今度は初めて通常の回線からメールが届いた。


 「孝くんへ。先ほどのメールは読むことができたでしょうか。もし読めなかったとしても、このメールには制限されていた機能の解除プログラムが伴っているので、機能自体は使えるようになります。また、当社規定のコンプライアンス事項に則り、当社製品利用者へのモニタリングは私的記憶領域へ行われていないことを明言しておきます。規定についてはグライアイⅢの仕様説明・利用規約の1452pをご参照ください。なお、本庄への返信は不要です。新生児管理官松下綾」


 …届いたタイミングが怪しすぎて信じ難いが、忘備録を保存した領域へはマクサコフの監視は及ばないらしい。疑っても防ぎようのないことであるので、ここは信じておくしかないだろう。それにしても、仕様説明・利用規約は全編3000pを超える超大作だ。おれは前世では電子レンジの説明書すら読みきったことはないのだからこんなのを読む能力も時間的余裕もない!受験対策をしなければならないのだから。


 誰にも届かない、相談できない愚痴を脳内に反響させながら病室で1時間ほど新機能についての説明書を読みながらそのうち寝てしまった。


次回新機能の説明や初めてのお宅訪問(自宅)

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