忘備録=I&Kインペリアルコーポレーション
最後にニンジュツを扱う三つ目の国です。
最後に、俺の第二の故郷、日本を中心地とする大企業、I&Kインペリアルコーポレーションについてまとめておく。
I&Kというのは日本の伝統的なニンジュツ使いの流派「伊賀」と「甲賀」のイニシャルである。
伊賀流はニンジュツによる肉体強化と魔法的現象の発動を駆使して戦闘行動に長けており、第三次世界大戦ではサイバネティクスによる機械部隊や魔法使いの銃火器部隊に対しても大きな戦果を上げている。
甲賀流はニンジュツによる肉体の変貌や周囲の景色や他者の記憶操作などを行い、スパイ活動や暗殺舞台として世界中で活動している。第三次世界大戦はニンジュツ使いたちによる要人の暗殺によって収束に導かれたと歴史家はまとめており、実際に戦時中の政軍高官はほとんどが暗殺による死亡か戦争犯罪による死刑で最後を終えている。
I&Kは戦時中の中立国の諜報員を教導し、世界中にニンジュツ使いを増やしたことで、戦争の収束を導いたことで英雄視されており、終戦後疲弊した多くの国を日本国が支援・吸収合併をする中で社会的地位を向上させていった。他国と対等に交渉するためには多くの忍術使いを擁する日本に頼るしかないため、日本の勢力は拡大していき、今では大日本帝国となった。その帝国の中心であり、経済と政治の両方を握る地位にI&Kがついたのだ。日本は民主国家ではなくなってしまったのか…。
I&K社内には二人の代表がいて、それぞれが伊賀流と甲賀流のニンジュツ使いの首領であるそうだ。代表職は血縁者に受け継がれることから、出世すること自体は可能でも、最上位に位置することは現時点でほとんど不可能であることがわかる。
両者は常に半目しあっているが業務にあたっては耐え忍びながら協力しており、簡単に分裂することはなさそうであると経済アナリストは分析している。I&Kの主力商品は金融であり、伊賀甲賀のニンジュツ使いを活用して世界各地でのスパイ活動を行い、情報を支配した上での先物取引を行なっている。マクサコフやMCUに対して技術力や生産力では劣るものの、資金力や人材の活用能力は上を行っていると判断していいだろう。
ニンジュツにはさまざまな能力が見られるが根幹としては「変化させる力」であることがわかっている。伊賀流の身体能力の向上は筋繊維や骨格の変質の結果であり、口から火を噴き出す術は肺に取り込んだ気体を可燃性ガスに変質させ、吐き出すと共に着火しているらしい。甲賀流の変身はわかりやすく体の一部や全体を変化させているし、記憶操作も記憶自体を消すことはできず、都合のいいように変化させることによって行うそうだ。MCU使う魔法は「強化」させるのに対してI&Kのニンジュツは「変化」させるというのが今の世界の認識であるとまとめて間違いないだろう。これも今後進学するにあたって授業で習得していかなければならない。が、サイバネティクスを利用している自分には相性の悪い部分もあるようである。
ニンジュツによる身体の変形の幅は非常に大きく、ひとまわり大柄な人間に変身して身体能力を向上させることができるが、その変化は機械化した部分には及ばない。そのため頭部を大きくすると、相対的に眼球が小さくなってしまって機能しづらくなってしまうのだ。しかしメリットもある。ニンジュツによる肉体強化は機械化による拒絶反応を緩和し、より高性能なサイバネティクスの運用を可能にする。
今後眼球だけでなく、手足や内臓も機械化していくとすると、機械化した部分は業務に当たって強力な味方になっても付け根部分など生身が耐えられなければ十分なパフォーマンスは発揮できないのだ。
現代の各大企業のエージェントは、サイバネティクスと魔法、ニンジュツいずれかもしくは全てを利用して働いている。すでに私の眼球も科学と魔法が融合した結晶なのだ。「魔法でアレテーを強化したサイバネティクス」を「ニンジュツで強化した肉体」に載せることでエージェントとして活躍していくのが今後の自分の理想形だろう。
生まれ故郷でもあり、第二の生まれともなった日本(今は帝国)の利益に背くかも知れない。新しい両親にとっても不利益かもしれない。しかし自分はマクサコフのエージェントになり、宗教を創始するためにも、ここ日本でエリート人材育成援助プログラムに参加し、マクサコフの社長を目指していこう。この決意を忘れないためにここに残す。
これで世界を三分する企業国家が出揃いました。それぞれの大企業の思惑や活動に振り回されるのはずっと先の話…。まずはエリート人材として必要な資質を孝は示していかねばなりません。科学力の広告、魔法使いの合衆国、ニンジュツ使いの帝国、それぞれの国出身の人々と交流しながらの学園編をご期待ください。まだまだ先ですが。
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