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暗殺ヘン  作者: 林 広正
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 まぁ、一つの命が失われたのは残念だが、それが答えなら仕方がない。元総理大臣とはいえ、この世界に生きる一つの駒でしかないってことだ。

 これで世界が変わればいいっていう思いはあるが、結局は元通りなんだ。そんなことは分かっている。けれど俺はあいつを救いたかった。そのためにしたことが奴らの意見と一致して利用されたってだけだ。まぁ、お互いにな。

 それじゃあ少しだけ真実を語ってみるか?

 俺はあいつの不安定な思考を危惧していた。それと同時に政治家達の怪しげな行動も把握をしていたんだ。奴の存在には気がついていなかったがな。それでも雰囲気は感じていた。あいつがネットやらで怪しい検索をしていたことを察知していたんだろうな。奴ら公安が動く理由は他に見当たらない。まぁ、今の事実上のお偉いさんが元総理大臣を危惧していたからこそ二つが結びついてしまったんだろうがな。俺としては詳しいことまでは知らずに動いたに過ぎない。その側近を使って情報を流しただけっていうのが真実だ。まぁ、色々な思惑は別としてだがな。つまりは今のトップが宗教問題をリセットしようとしたってことが発端なんだよ。それから選挙に利用したってのもある。トップにとっては厄介者だった元総理大臣を消すいいタイミングだっただけだ。それを利用されたんだ。というか、俺が利用したとも言えなくはない。

 けれどまさかだよな。あいつの顔が変わるとは思わなかった。それが奴らの配慮だとしても、俺には思いつかなかったよ。

 あいつが暗殺犯だということに疑いはない。

 自作の銃とあの腕前は他じゃあ調達できない。今更発砲されたはずの一玉が見つからないなんて騒ぎ立てているのは大馬鹿だよな。わざと外したようだが、その理由はきっと謎に終わるだろうな。あいつでさえその理由は知らされていないだろう。俺から言える事は、その一発と壁に埋まった弾丸こそが真実への道標って事だけだ。

 あいつは公安やら政府の裏方やらからの依頼受けて実行した。それだけの事だ。見返りになにを要求したのかは分からないが、家族揃って姿を消したってことは、二つに一つだ。抹殺されたか、保護されたかだ。奴の言い方によれば、保護されているって考えて間違いはないだろうな。流石にそこまでの非道はしないだろうからな。もしもしたなら、俺にだって考えがあるってものだ。こう見えても俺は、幾つもの保険をかけている。なにかあった際の攻撃準備は整っている。

 まぁ、今回は無駄骨に終わるんだろうがな。

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