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−18話(後半):心

「失礼します」

 俺はそういいながら一室の扉をノックした。

 俺は扉を開けるとそこは、明かりがうっすらとしか付いていない部屋だった。


「レグオズ……。目が覚めたか」

 そこではグノウが黒い椅子に座っていた。

「はい。心配かけてすみませんでした……」

 俺は、こういうときは誤るものだと思って、とっさに謝った。

「だれも……心配などしていない」

 グノウの言葉に俺は、金槌で胸を打たれたような気分になった。グノウは俺を心配していなかったってことだよな。俺は悲しくなってきた。


「レグオズ……武器を見つけれたそうだな」

「え、はい」

「見せてみろ」

 グノウは話を突然変えてきた。グノウは空気を読むような人間じゃないし、そういう心を持ち合わせていないやつと言うのは、もうさっきので分かった。

 俺はグノウの言うがままに、武器を取り出そうとした。

「あ……」

 武器は自室においてきたままだということに今気づいた。

「? どうした」

「その……部屋に忘れてきた」

「一つ覚えておけ。武器は心の力。自分の意思で呼び出すことが出来る」

 心の力。ガロンがそういっていたような気がする。


「失礼しました」

 俺はそういって顔を下にうつむけて部屋を出て行った。



 一方グノウは……

「あいつを任務に行かせる。」

「どこへ?」

 グノウがそう呟くと、グノウの背後から男がすっと出てきた。

 部屋の暗い陰に隠れてちょうど顔は見えない。服は組織のものだ。

「ハイラントだ」

「!!! いくらなんでも早すぎる! 何を目的に?」 

 タイラントとは宇宙最大の世界。そこに自ら危険を冒して、新人を向かわせるという無謀なことに、男が反論するのは無理も無い。

「ゴールドシルンは世界が崩壊し始めている事に関して、それが人の意思によるものだと感づいている。そしていつかは、我々にたどり着くだろう。それなら、今あいつらを潰しても変わりは無いだろう?」

「……」

 男はそのまま黙ったままだった。

 グノウの言い分は正しいと取ったのだろう。

「ゴールドシルンには近づけはしない。まずは、その周りの弱小中堅国から順に潰していく。実行は明日からだ」

「……御意」

 男はそういうと、ドアに向かって歩き始めた。そしてその時、謎だった男の姿が露になった。

 顔には不気味な仮面をつけ、仮面からは右目だけが覗いている。その目は青く輝いている。

「マスク……外したほうが良いんじゃないか?」

「わーってますよ」

 男はそういいながらドアを開け、出て行った。


―――

「俺の……武器」

 部屋に戻った俺はベッドに座り、クローゼットに立て掛けられてる銃と剣を見た。

 複雑な気持ちだった。

 初めて“殺し”を体験した。それが人間でなくても、それが敵の化け物だろうと関係は無い。あの時俺はショックを受けた。この手で生物の生命を裁ったということに俺は、胸を打たれるような気分になった。それに、直後のあの出来事。俺の脳を襲った、あの映像。あれは俺じゃないと信じたいけど、心のどこかで俺なんじゃないか。って思ってる。

 俺はこれから組織員として、守護獣とか敵と戦っていかなくちゃいけない。でも、敵を斬ったりした時にまたあの映像が出てくるかもしれない。もうあんなのはゴメンだ……。

 

 その時、俺の部屋を誰かがノックした。

「おい、入るぜ」

 その声と共にベゴンが入ってきた。

「グノウのところには行ったのか?」

「あぁ」

「どうした? 元気ねぇな」

 俺は、ベゴンといると安心するようになった。つい最近の出来事だ。

 だから俺はベゴンなら安心だ。と、俺のさっき考えていたことを話した。


「……そんなのが頭の中に入ってきたのか。でもまぁ、お前じゃねぇって」

 そういってベゴンは俺の方をポンと2回軽くたたいた。励ましてくれてるんだろうか。

「またすぐに任務が始まるだろ? 絶対に戦闘はあると思う」

「……レグオズ、実はな……」

 ベゴンは神妙な顔つきで何かを話そうとした。

 その時、今度はノック無しで誰かが入ってきた。


「レグオズ。知らせだ」

 チェイグティだ。

 よく見るとチェイグティの服のズボンの裾が少し破れてる。

「それ……どうしたんだ?」

 俺はそこを指差した。

「お前には関係ない。それよりも……」

「守護獣にやられたな? しかもお前がやられるとなると……上級だ」

「!」

 その言葉にチェイグティは目を大きく開いた。

「図星ってわけだ。ロウクゴットも一緒なんだろ?まあ、さっきやつから聞いたんだけどな。で、2匹の捕獲に失敗。成功したのは1匹だけか……」

「お前にも関係の無い話だ。その任務は続いている。もう1匹も捕獲する」

「へぇ〜。ま、頑張れよ」

 ベゴンはそういうと、チェイグティの肩を1回叩いた。そしてそのまま部屋を出て行った。

 俺に何か話そうとしてたけど、なんだったんだろ?

 チェイグティは叩かれた肩を、汚いものをのけるみたいに払って、俺に目を向けた。

「明日任務に出てもらう。初めての外出任務だ。場所はタイラントのジュゼーネブ、グレミオ、セイントシュタイン・ホリドマの4国だ。この国たちにはそれぞれ守護獣が守り神として守護している。それを討伐しろ、という任務だ。分かったなら準備をしてもう寝ろ。油断すれば死ぬぞ」

 チェイグティは俺が質問すら出来ないような早さで話して部屋から出て行った。

「やっぱ……戦いか」

 俺は静かに眼を閉じた。

 明日に来る、嫌な戦いのために俺はそのまま眠った。

 



 

やっとバトルに入れます!!!

次から本格的に始まるので、どうぞお願いします〜

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