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第1章‐第4話:新たなる猛者たち

 レグオズを連れ去った男は、数秒もしないうちにある廃墟へとたどり着いていた。

 その廃墟はさっきサラが訪れたところと同じだ。

「誰か帰ってきてるのか……」

 この廃墟は普段、周りから見えないように結界が張ってある。だが今はその結界は無く、誰でも入れてしまう状態になっている。

 男は何かあったのかと危機感を募らせると、レグオズを抱えたまま、足早に廃墟へと入っていく。

 男は慎重に廃墟の中へと入り、柱の影から中を覗いた。

 すると、

「あ! ガミジンだ!」

 2階から緑色の髪の少女・ベリトが声を張り上げた。

「! ベリトか」

 その声で、ようやくガミジンの存在に気づいたサラはソファから立ち上がった。

「やっと帰ってきた……。ところで、なんで隠れてるの?」

「はぁ」

 男は、何も無かったことに心を落ち着かせ、一息吐いた。


「サラ、ちゃんと結界は張っておけ」

「しょうがないよ、すぐに出て行く予定だったんだから」

 理由は謎だが、この廃墟はこの者たちにとって誰かにばれてはいけないらしい。

「そうか……まぁ、いい」

 と、柱に隠れていた男・ガミジンは柱から離れた。

「! その子……なんで!」

 サラは目を丸くしてレグオズの姿を見つめる。

「知ってるのか」

「知ってるも何も、あたしはその子のことでここに来たんだから」

 ガミジンはその場から歩き出し、ソファにレグオズを寝かせると、自分も別のソファに足を組んで座った。

「ベリト、全員呼んで来い。大切な話がある」

「OK! 了解ぃ!」

 と言うと、ベリトは上の階へと翔ける様に上っていった。


「ガミジン。その子、元“(テネブラ)”だよ?」

「知ってる。だが重要なんだ。こいつの存在がな」

「どういう……?」

「全員そろってから話す」

 と、ガミジンは目を閉じた。

 サラはソファに横になるレグオズを見つめ、一つため息を吐いた。


「帰ったぞ〜」

 と、一人の赤髪の男が中に入ってきた。

「あっ、ガミジン、アイム!」

 男は手にレジ袋のようなものを大量に持っていた。その袋には野菜から肉まで、様々な料理が入っている。

「シャックスか」

「今は、サラって呼んでよ」

「お、おぉ。ところで辛気臭い顔だな……。何かあったのか?」

 その時、シャックスはレグオズの存在に気がついた。

「なるほどな……」

 レグオズを見ただけで今の状況を理解したシャックスは、このフロアの端にある台所のようなところまで歩き、手に持っていた袋をすべてそこに置いた。


「みんな呼んできたよ!」

 ベリトは階段を降りずに、2階からそう叫びながら勢いよくジャンプし、飛び降りた。


「あー眠むい。何だよ話って」

 目をこすりながら、天然パーマであろう金髪の男が目をこすりながら階段を降りてくる。

「ったくもうちょっとで勝ったのに……」

「残念やったな、お預けや」

 と、今までゲームをしていた2人も階段を降りてくる。

 悔しがっていた方の男は青色の髪、独特な話し方の男は逆立てた銀髪をしている。


「後は……マルコシアスだけか……」

 ガミジンはメンバーを全員確認すると、ソファから立ち上がった。

「みんな、集まってくれ」

 ガミジンは大きな声で皆を呼び寄せた。

 すると全員がガミジンのいるソファ付近に集まり始めた。


 するとその時、

「物騒だな。結界張っといたぜ」

 と、茶髪オールバック気味の鋭い目の男がこの場に帰ってきた。

「マルコだ!」

 ベリトがそう叫んで、その男・マルコを指差した。

「これで全員だな」

 ガミジンは一つ息をはくと、もう一度ソファに座った。


「みんな、もう一度言う。今から話すのは、大事な話だ」

 ガミジンの一つの言葉で場が静まり返る。

「率直に言おう。そこに寝てる少年、今日から俺たちの仲間だ」

 『!』

 その場にいるメンバー全員が心を驚かし、目を丸くした。

「さっきベリトが言ってた新しい仲間ってこの子のこと!?」

 と、サラが思わず叫ぶ。

「そうだ」

「……何か、見たのか?」

 マルコがそう言う。

「あぁ。実を言うと、コイツの存在は前から知ってた。コイツの中には俺たちと同様、心の存在があるって事もな。……それにさっき、もう出てきていた」

 心の存在とは、レグオズで言うガロンのことだ。

 『!』

 また、みんな目を丸くする。

「コッチの世界に出てきたって事か?」

 関西弁の男・ワァプラがそう言う。

 それに対しガミジンは1回頷いた。

「で、どんなやつだった?」

 と、シャックスが問う。

「上級の守護獣(ガーディアン)・ガロンだ」

 『!』

 またまた皆が心を驚かせる。

「ガロン……行方不明になってた……。それも……最強種……」

 驚きの連続ですっかり目が覚めたシトリーが目を大きく開いた。

「この少年(ガキ)何者なんだ」

 マルコがレグオズの姿を見つめる。

「元“(テネブラ)”。で、多分ゴールドシルンの出身者」

 と、サラが自ら知った情報を口にする。

「“鏡”……それにゴールドシルンの……。身分は?」

 ワァプラがそう問うと、ガミジンが静かに口を開いた。


「王族だ」


 『!!!』

 今日最大の衝撃の驚きがメンバーを襲った。

 王族。それは、その国を治める王の血族。

 ガミジンはレグオズがその王の血族だというのだ。

 だがそれを簡単に信じるやつは、どこにもいないだろう。

「ちょっと待ち。おかしいで。なんで王族が“(テネブラ)”に入っとんねん」

 ワァプラの疑問は最もだ。

 が、ガミジンはその問いにもすぐさま答えた。

「記憶を失っている。そして彷徨っている所を“鏡”に拾われた」

「記憶喪失……ってことぉ?」

 ベリトが難しい話に頭を悩ませながらも、何とか付いていっている。


「……ごめん、あたしそろそろ行ってくる」

 と、サラがソファを立ち上がる。

「そうか、そういえば潜入操作中だったな」

 マルコがそう言う。

「うん。めんどくさいけど面白いからいいけどね。でもこの子とシルン=フォードが繋がってるとしたら……。さらに深く捜査する必要があるみたいね」

 と、サラが分析した。

 それに対しメンバー全員が無言で答えた。答えはもちろんYESだ。全員がその頭を下に1回頷かせた。


―――そしてサラは建物の外へと出た。

「結界完了! よし、急ぐか」

 と、サラが後ろを振り向いた。

 その時……

「!」

 何かがサラを襲った。

 サラは何とか体を側転させてかわしたが、顔に傷を負っている。その傷から見て襲ったのは刀か、刃のあるものだろう。

「ったく、なんで俺が行かなきゃいけねぇんだよ」

 耳をかきながら、現れたのは……

「君、あのときの!」

 サラの目に映ったのは……


 “鏡”第7の組織員、ベゴンだ。


「事情が変わった。レグオズ、返してもらうぜ」 

やっとこの展開に入れました。


多分序盤の話で一番盛り上がってくると思います。(個人的にですが……)


僕の予想としては、ガミジンファンが増えると思います!

イラストを載せるのでまた見てくださいね〜

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