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家族を探して

わたしは佐竹美晴……。

ごく普通の中学三年生の14才。

身長は145センチと小柄。髪型は顎ラインで切り揃えたショートヘアー。

顔立ちは超普通のザ.平均顔って感じだ。

わたしは学校から帰って来たあと、ずっと家にいた。

なんか雲行きが怪しい気がする。

いつもの薄青のソライロが今は、くすんだ灰色になっていた。


雨でも降るのかな?と思ったけれど、どう考えておかしい。

灰色が濃すぎる。

それに加えて外から変な声が幾つも聞こえるのだ。


ァァァァ……

喉から絞り出すような、空気が漏れるかのような不気味な声……。

何かが起きていることは明らかだった。


そう言えば、お母さんがまだ妹を迎えに行ったきり帰ってこない。

お父さんも会社にいるままだ。

妹の遥も保育園からまだ帰っていない……。


大丈夫だろうか?

わたしは堪らなく心配になってきた。


そうだ、わたしがお母さんと妹を迎えに行こう……。

そう思い、わたしは家を出て、鍵を掛けた。

門から出た瞬間、わたしの心は恐怖で支配されてしまった。

何故なら、周りに、変な呻き声をあげている人がたくさんいたから。

変な呻き声をあげるだけなら未だしも、何故ならばそれは、死亡してかなりの時間が経過して、腐敗が進み肌が変色している。

そう、まるでホラー映画のゾンビのようだった。

いや、もうゾンビその物だった。

テレビの画面越しで見るだけならば怖いなーくらいにしか思わないけど、本物を見ると、迫力が違う。

怖いなんて言葉が優しく感じるほどに恐ろしかった。

途端に石に躓いてしまい、

「きゃッ。」

と声が漏れてしまった。

わたしの存在に気がついてしまったのか、ゾンビが1・2・3・4・5体こちらに向かってきた。

怖さのあまり、動けなくなってしまう。

蛇に睨まれた蛙とは正にこの事だ。

昔の人もよく言ったもんだ……。

ゾンビは変色した歯をカチカチさせながら、わたしに食らい付こうと襲ってくる。


怖さが限界に達してしまった。

「きゃああああああああ❗」

わたしは大声で叫んでしまった。

わたし、映画みたいな無惨な死にかたするの?


絶望を感じたその時だった。


ザンッ……。

何かを斬りつける音が聞こえた。

何事?と思うとゾンビの首が飛んでいた。

こんなに首を綺麗に斬れるなんてかなりの達人に違いない。

バキッグシャッ

何か硬いものが割れるような音がした。

ゾンビの頭が割れていた。

ヒュッ……

何か空を切るような音が聞こえる。

ゾンビの頭に矢が刺さっていた。

また、何かに切り裂かれたのか、ゾンビの手足が宙を舞っていふ。

ゾンビはその動きを次々停止させた。

誰か助けてくれたんだ……。

でも……誰かな?


そう思っていると、視界の端にゾンビがいた……。

腐敗がかなり進み、肉が削げかけ、骨が見えていた。

「あ……あぁ……あぁ。」

それを見てしまったわたしは大声で叫びそうになる。

その時、わたしは何者かに口を塞がれた。

「んぐぐ……。」

口を塞いでいる手を見てみる、どうやら若い男性の手のようだ。

「叫んだら気付かれるからね。今は我慢。」

爽やかな声が耳に滑り込んでくる。

誰なの?

目線を上に向けると、一人の少年が木刀を持って戦っていた。

それに、二人の青年が日本刀を持ってゾンビの首を斬っていた。

二人共、鎌倉時代の服装をしている。

純和風の格好に日本刀がよく似合っている。

一人のセーラー服姿の少女はアニメなんかでよく見かける大鎌を手にして戦っていた。


みんな後ろを向いているので顔は分からない。

どうやら純和風の青年と、セーラー服の少女、木刀を持った少年、今、わたしの口を塞いでいる少年がわたしを助けてくれたみたいだ。

もう……大丈夫……。

誰かが助けてくれたという安心感で満たされ、私は落ち着きを取り戻していた。

それが分かったのか口を塞いでいる手は離れた。

五人共私に向き直る。

その瞬間、わたしの胸は高く鼓動した。

だって……。

木刀を持った少年は色白ですっと通った鼻筋、整った唇に眉毛のかなりのイケメンだったからだ。

年は私と同じか少し上だ。

また、わたしの口を塞いでいた少年もメガネがよく似合う上に大変整った美しい顔立ちをしている。

年はわたしより少し上だ、高校生くらいかな?

えっ……わたし、こんな素敵な人に口を塞がれてたの?

そう思うとまた胸が高鳴った。


水色の直垂を着た青年は色白の滑らかな肌に、切れ長の目、すっと通った鼻筋の中性的な顔立ちの美青年だし、

若草色の直垂姿の青年は整った端整な顔立ちで結構かっこいい。

二人ともわたしより、4、5歳年上って所。

セーラー服姿の少女はほんのり薔薇色の掛かった綺麗な肌に、茶色く澄んだ綺麗な瞳、肩よりもやや長く伸ばした髪の毛は、茶色で銅色が掛かっていて美しかった。

女のわたしですら惚れ惚れするような美少女だ。

うそ……。

気持ち悪いおっさんじゃなきゃ構わないと思っていたのにこんなにも素敵な人に助けてもらえるとか夢みたい。



てか、気づいたけどこの美少女同じクラスの明日美ちゃんじゃん。

明日美ちゃん、本当に美人なんだから……。

しかも同じクラスの祐太にそのお兄さんの一翔さん、水色の直垂姿が義経さん、若草色の直垂姿が季長さんだよね?



五人共、何処に行くのかな?

「ねぇ何処に行くの?」

わたしが問い掛けると、

「避難所だよ。」

と明日美ちゃんが答えた。

避難所……。

ひょっとして、わたしの両親がそこに避難しているかもしれない。

妹も一緒にいるかもしれない。

「一緒に来ていい?」

迷惑かもしれないけれど彼ら彼女らにねだった。

「いいよ、おいで。」

明日美ちゃんが快く受け入れてくれた。


やったぁ。ありがとう。本当に助けてくれてありがとう。彼女らが居なければわたしは間違いなく死んでいたはずだから。そうわたしは心の中で言った。


わたしの家族探しは始まったばっかりだった。


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