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男の娘は着せ替え人形になる

 ショッピングモールとはたくさんのお店が入っている一大商業施設である。


 似合う服を探し求めて値段に一喜一憂してもいいし、ウインドーショッピングだけでも一日つぶすことだってできる。おいしい食べ物屋だっていっぱいある。


 だから家族連れやデートしている恋人たちでごった返していた。

 そんな中でまわりから浮いている二人組があった。


 一人は栗色の髪の毛にカチューシャをつけて、服もかわいらしいセータにロングスカートをはためかせている。


 天真爛漫な美少女で、すれ違う男が思わず振り返ってしまっては、彼女に足を踏まれている。


 そんな美少女の半歩後ろには黒いスーツを着た護衛とも見て取れる姿がある。

 髪を固め黒いサングラスをしているのだからなおさらだ。


 しかし、その手には大きな紙袋がいくつもぶらさげられている。平然と歩いているが、その重さにいつまでも耐えられるものではない。


「埜依君。買い物はまだあるのかい?」

「だいたい終わりましたよー。後一つ注文してるのがあるんですけど、まだ時間じゃなくて受け取れないんですよね」

「そうなのか。あと一つか……」

「愛莉さん荷物持ってくださってありがとうございます」

「いいさ。これぐらいなんともない」


 口ではそう言うが結構やせ我慢している愛莉であった。


「すごいですー。愛莉さんは。私じゃ絶対無理です」


 埜依が紙袋群を見ながら言う。

 紙袋の中身は料理器具で満たされていた。大小様々なサイズのフライパン群。大きな世帯用で四、五人ぐらい囲めるお鍋が二セット。セットとなったおそろいのティーカップとソーサーが一ダース。


 ナイフやフォークやスプーンなども大量に。

 他にもたくさんの器具が紙袋の中にはあった。


「詠流さんが来たのをきっかけに、不足していた食器類とか充足しちゃうことにして、それならついでに十人ぐらい来たって平気な量を買っちゃおうなんて水琴さんふとっぱらですよね」

「……そうだね」


 水琴の気まぐれのせいだった。

 水琴から『詠流くんが来たから、少し食器類買い足ししたいの。それを埜依ちゃんに頼んだんだけど、愛莉ちゃんが荷物持つの手伝ってあげられる?』と愛莉は言われていたのだ。


 詠流の分だけならたいした量になるわけがない、と愛莉は快諾したのだが、真相はこの紙袋の山だった。しかも山一つ一つが重たい。


 水琴への殺意さえ覚えていたが、一度は快諾したのだ。

 意地でも荷持ち持ちを果たそうと愛莉はする。

 それに埜依からは、あと一つだけとも聞いた。あと一つぐらいならなんとか耐えられる。


「それで、あと一つは何なんだ? 埜依君」

「はい! 特注の中華鍋です!」

「……中華鍋か」

「そうなのですよ。知り合いの中華料理屋のおじさんからお勧めの鍛冶職人さんを聞いたのです! それで特注したのが今日届くはずなのです。一気に十人前ぐらい作れちゃいますよ!」


 中華鍋、それは鉄の塊だった。調理器具の中でも最重量の重さをほこり、単独で持つのさえ難しい。だから他に荷物ある状態では持てる代物ではなかった。


 愛莉は吹っ切れた。


「埜依君。宅配サービス利用と思うのだが、その中華鍋はどうする? まだのようだが」

「もちろん私が持ち歩きますよ! 落としても投げてもOK! 私が持ったて壊れることはありません! 受けとるのが楽しみで昨日の夜寝れなかったんです!」


 中華鍋が壊れなくてもまわりの環境が壊れてしまう。少しの落差があれば、床に穴をあけるのは簡単なことだった。

 やっぱり自分が持つべきかもしれない、と愛莉は思ったが。遠足にきてる子供のようにはしゃぐ埜依を見て、まぁいいかと思った。


 屋敷の敷地に入る前に預かれば、自分たちには被害がない。

 もしもの場合にフォローするにも手軽なほうがいい。

 愛莉は一つを残して残りの荷物を送ることにした。


   *


「う!? むむ……む」

「目が覚めたのね」


 詠流が目を覚ましたのは車の中。しかも口にはテープを貼られ喋られない。手も後ろで括られている。

 詠流は完全に身柄を拘束されていた。

 そんな詠流の隣で優雅に座っている里桜は口元をわずかにゆがめている。


「むむむ」

「じっとしといてね。心配しなくていいわ。後で私が可愛がってあげるから」

「む! むむっむ!」


 いやいや、と詠流は首を横にふって意思表示をする。気づいたら車の中で身柄を拘束されていた。意味不明の事態に困惑と恐怖しかない。


 しかもほほえみかけられながら『可愛がってあげる』と里桜に言われればなおさらだ。


「うふふ。まるで誘拐してるようね」

「むっ!」


 ようねじゃなくて正真正銘の誘拐だ、と詠流は目で訴えかけた。

 しかしその熱い視線も里桜には届かない。


「里桜お嬢様。そろそろ目的地に到着いたしますよ」

「ありがとう。レイチェル。それじゃモエルちゃん。少し静かにしていてね。テープはがしてあげるから」


 そう言ってから里桜が詠流の口に貼ってあったテープをはがす。はがされるやいなや、詠流は咳き込むように里桜に訴えかける。


「里桜さん! どういうことですか!」

「そう騒がないで。説明するから」

「それじゃ早くお願いしますよ」


 詠流は不機嫌だった。後ろで手は縛られたままだから素直に話を聞くが、本来ならばもっと抗議したいぐらいだった。


「今からお買いものにいくの」

「はぁ。それで?」

「それでぜひモエルちゃんも一緒にと思って連れてきたの。モエルちゃんは寝ていたからこういう形になっちゃたけどね」

「……それがなぜオレは口を封じられ、手は後ろでしばられているのでしょうか?」


 寝ていたのでなく気を失わされていたうえに、その後に買い物にいくという理由で拘束されたのだ。詠流は里桜に疑念を覚えていた。


「そんなの簡単よ。ただの予防対策。モエルちゃんの命を守るために必要なことだったの」

「……えっ?」


 詠流は驚愕した。なぜなら、詠流の命を守るためだ、と里桜は言い切ったのだから。

 気を失っている間に何か大変なことが起きていたのだろうか、と詠流は思った。


「えーと、何があったのでしょうか?」


 何があったのか当事者として知りたくなるのは当たり前の事で、詠流も気になった。

 里桜はためを作ってから語り出した。


「まず一つの可能性を私は危惧したの」

「一つの可能性?」

「そう。モエルちゃんの寝相が悪いかもしれない可能性。モエルちゃんの事を信頼しているといっても、こればっかりは私たちにはわからなかったのよ」

「……はい? 何でオレの寝相の話が今出てくるんですか……」


 里桜が関係ない話をしようとして煙に巻こうとしているのではないか、と詠流は警戒する。

 今まで詠流は流れに身を任せる人生だったが、いつのまにかメイドになったり誘拐されたりしていた。

 流れに身を任せるだけではとんでもない方向にいってしまうと詠流は反省していた。


「だって寝相悪かったら、車の中でもぞもぞしちゃうでしょ? それで動き回ったらどうなるか想像できるよね」

「……座席から落ちたりするかもしれないですけど、シートベルトしてるから安全ではないですか?」


 意識がなくてもシートベルトで身体を支えられていれば特に問題ないよね、と詠流は考える。


「違うわよ。隣にいる私の身体にふれちゃうかもしれないじゃない。私のふとももにでも触れてみなさい。レイチェルによってあなたは道路に投げ飛ばされるわよ」

「この車は運転席から全てのドアを管理できるからね。ドアを開けて車体を左右に少し振ってあげればのんきに寝ている人間一人を道路に落とすのはたやすいことだったよ」

「……なるほど」


 納得したような納得したくないような、複雑な心境の詠流。その可能性なんて少しも考えていなかったのだ。


「里桜お嬢様の配慮に感謝するんだな」

「……オレ寝相悪くないつもりですけど、まぁありがとうございます」


 素直に感謝するのも癪だから皮肉もこめて詠流は前置きをつけた。


「どういたしまして」


 にっこりとまぶしいぐらいの笑顔な里桜。そんな里桜の顔を見ていられなくて、窓の外に視線を向ける詠流。

 窓からは偶然というべきか、詠流が里桜たちを連れてくる予定だった大型のショッピングモールが見えた。

 この場には頼りになる愛莉やポテンシャルは高い埜依もいるはずであることも思い出して、詠流は少し気が軽くなったように思えた。


   *


「ねぇねぇ! これを見て!」


 女の子の買い物はウィンドーショッピングであることが多い。

 デートならともかく荷物持ちとして付き合わされている男にとってはかなり暇に感じる時間かもしれない。もちろん下心をもっていれば別の楽しみ方が出来るかも知れないが。


「い、いや、それはどうでしょう……」


 しかし詠流は別の意味で困難に陥っていた。


「だいじょうぶ! これ絶対モエルちゃんに似合うから! だから試着室にゴーだよ」


 里桜に背中を押された詠流は強引に試着室に押し込まれ、手にたくさんの女物の衣服を押しつけられた。


「それじゃ次の服見繕ってくるから着替えといてね!」


 里桜は鼻歌を歌い出しそうなほど上機嫌で次の服を漁りにいった。

 ここはレディースの売り場。

 かわいいデザインのカーディガンもあれば、冬なのに丈の短いスカートだってある。

 真冬という季節から、露出が極端に多い衣服は少ないのが詠流にとって唯一の救いだった。

 しかしできる事ならば逃げ出してしまいたい詠流だが、レイチェルがカーテンの前で門番のように立っているので無理な相談だった。


 つまり詠流は手元にあるひらひらした服を試着していくしかない運命だった。

 というわけで、女物の服に袖を通していく詠流。

 サイズが憎いぐらいぴったりだった。店舗につくやいなやレイチェルが巻き尺を取り出して、詠流のスリーサイズを測ったから、里桜が選んだのはサイズもぴったりなのである。


 男である身で自身のスリーサイズなど知りたくなかった詠流だったのだが、バストを測られたときに『モエルちゃんAカップだね。知ってたけど』と里桜に言われた時には、複雑な心境になったのは言うまでもない。


「ほんとどうなんだ……これ」


 全身が写る鏡に映しだされた自身の姿を見て詠流はそう呟いた。

 鏡には普通に女の子がいたのだ。

 膝あたりまであるスカートからのぞく足は、スラリとしていて様になっている。

 詠流の華奢ともいえる身体のラインもあって、完璧な女の子がいた。


「モエルちゃん。着れた?」

「え、はい。着られましたよ」


 詠流が返答すると、すぐにカーテンが勢いよく開けられた。


「わー。やっぱり似合ってるよ。モエルちゃん」

「そうだね。里桜お嬢様の見立てが素晴らしいからだが、よく似合っている」


 レイチェルは里桜を持ち上げるのも忘れない。


「やっぱり似合ってるんですよね……」

「そうよ。自信持って! エリッヒみたいに男装の道に進んだらいけないよ」

「エリッヒはスーツ専門だが、男装に変わりはないからね」


 むしろ女装の道に進んでいるんですが、と詠流は心の中で呟く。


「そうだ。モエルちゃん。ちょっとこっちにきて」

「なんですか?」

「髪の毛を梳いてあげる。女の子は髪の手入れもしっかりとしないといけないよ!」


 里桜がカバンからブラシを取り出して詠流の髪を整えようとして、二人の身体がぐっと近づいた。

 詠流は気恥ずかしくなったので、目をぎゅっと閉じて里桜が梳き終わるのを待つ。

 目を閉じて視界の情報を遮断したとしても、鼻からは女の子の匂いが間近で感じれて、すぐ近くにいる事を意識してしまう。


「はい。終わり」

「ありがとうございます」

「顔赤くしちゃって。恥ずかしいのはわかるけど、女の子なんだから慣れていかないといけないよ」

「……はい。善処します」


 詠流は仕方がなく話を合わす。

 自分が男であることが里桜に知られればどうなるだろうか、なんて詠流は想像も出来なかった。


「さて、次の服にいってみよう。まだ時間はあるわ」

「……はい」

「元気ないなー。もっとうれしそうにしないと、かわいらしい顔が台無しだよ」


 詠流はこの場を切り抜けるために、着せ替え人形に甘んじるしかないと改めて思った。


   *


「ねぇ、愛莉さん。あっち見てください」

「あれは鮎川里桜にレイチェルだな」

「はい。そうみたいです」

「詠流君はどうやら鮎川里桜を連れ出す事に成功したようだな」

「ですね。けど、詠流さんはどこにいるんでしょうか?」

「あれじゃないか? 今試着室にいる子だ」

「なるほどです! 詠流さん似合ってますね」

「そうだな。メイド服姿も似合っていたが、普通の服もとても似合っている」

「そうですね。詠流さん何を着ても似合うからお得ですよね! メンズでもレディースでもメイド服でも、みんな似合っちゃいます」

「そうだね。中性的かわいさは国宝級だ。ナショナルトラストに申請してもいいぐらいだ」

「無形文化遺産もいいかもです」


 詠流が聞いたら悲しみそうな話だったが、言いたい放題の二人だった。


「あの様子なら詠流君一人でなんとかなりそうだな。ボクたちはどうする?」

「うーんいい具合に時間がつぶれてくれました! 約束の時間です! 中華鍋を受け取りにいきましょう!」

「そうか。それでその後どうする? 買い物は終了だがどこかによっていくか?」

「それじゃあとで少しお茶にしましょう! 少し休憩したいですし」

「それもそうだな。では、フランスの老舗ブランドの紅茶専門店があったはずだから、そこでお茶するとしよう。ボクがおごるさ」

「いいんですか! あそこちょっと高かったはずなんですが」

「いいさ。ダージリンをベースとした季節限定のブレンドティーがあるらしいからね。ボクも気になっていたところなんだ」

「そうなんですね。楽しみです! おいしい茶葉が見つかるといいですね」

「基本茶葉の仕入れは零西さんが取り仕切っているが、ブランド店にはブランド店ならではの伝統とノウハウがあるからね。社会見学のつもりで学んでいこうじゃないか」

「はい! 中華鍋に紅茶。今日はいい日です!」


 詠流の知らぬところで、詠流は愛莉と埜依に見捨てられたのだった。


   *


「それじゃ、これもお買い上げね」

「えっ、どういうことですか? 里桜さん」

「ん? 買うということだよ。モエルちゃんへのプレゼント」


 着せ替え人形になること数度。詠流は里桜が自分にいろいろ着せてただ楽しんでいるだけだと思っていたのだが、まさか服を買うとは思っていなかったのだ。


「いやいや、そんなの申し訳ないですよ。服買ってもらうなんて出来ません」

「いいの。私がモエルちゃんに着せたいから買うだけ。遠慮しないで受け取って」

「でも、そういうわけには……」


 一着数千円からアウターとなると数万円のものまでいろいろ着せられたのを詠流は知っている。先まで試着していて今手元にある服だってとても高額だった。

 庶民でへたれな詠流からすると、数万円の衣服を買うなど考えもしない。


 そんな詠流の価値観から、里桜もただ着せて遊んでいるだけだと詠流は判断してしまったのだが、実際は里桜は真剣に服を選んでいたことになる。


 里桜はやっぱりお嬢様だったのだ。

 豪遊などは決してしないが、いい物を買うにはケチらない。


「レイチェル。これもお会計をお願いしてもいい?」

「もちろんであります。里桜お嬢様」


 里桜が詠流の手元にあった服を奪ってレイチェルにパスする。


「あっ、でもやっぱり……」

「いいの。素直に人の善意を受けるのも時には大切なのよ」


 レジにいこうとするレイチェルを止めたい詠流だったが、里桜に行く手を遮られてしまった。


「無茶苦茶です……」

「お嬢様というのは自由奔放で傍若無人なのよ」

「そういうものなのですか……」

「そういうものなの。それにモエルちゃんのために買ってあげたんだから、いらないと言われたら私悲しいよ」

「……そうですよね」

「それに私じゃ着られないからね。バストのサイズが合わないから」

「そっちですか……」


 詠流は里桜が買ってくれた衣服を受け取るしかなかった。

 これで不足していた詠流の私服はかなり増えた。ただし全てレディースだったが。

 タンスやクローゼットの中身がメンズよりもレディースの方が多くなる事に、詠流は気づいてやるせなくなった。質と量、両方で凌駕されてしまったのだ。


 プレゼントされた衣服を簡単に捨てるわけにはいかないのだから、詠流は次の機会には絶対にメンズの服を買うことを心に決めた。


「お待たせいたしました。里桜お嬢様」

「お疲れ様。レイチェル」

「洋服は託送の手配をしておきました。特にモエルさんに似合ったと一式は別にしてあるので、よければここで着替えてしまうのもよろしいかと。許可はもらってあります」

「レイチェル気が利くわね。モエルちゃん。……はい。これ。もう着ちゃいなさい」

 里桜はレイチェルから紙袋を受け取って、そのまま詠流に差し出す。

「えっ、今ですか!?」


 買った商品を店でそのまま着ていけと里桜は言った。


「そうよ。せっかく買ってあげたんだから。この洋服を着ている姿見せてちょうだい」

「……わかりました」


 服を強引にではあるが買ってもらった立場の詠流としては、里桜の頼みを断るわけにはいかなかった。


 それに散々着せ替え人形になったせいで、レディースの服についての抵抗が少なくなってもいる。また女心を理解するのにも、こうやって女の子の格好をするのも有効かもしれない、と詠流は理由付けた。


 やがて着替え終わった詠流。里桜に再度一通り似合うの連呼をする。


「ありがとうございます。似合うのはわかりましたから、これからどうするんですか?」


 詠流はそれを遮ってこれからの行動を聞く。


「そうね。久しぶりに大勢の人混みの中で行動したから疲れちゃったわ。どこか座って休めるところないかしら?」

「はい、それならばおすすめの紅茶専門店がございます。厳選された高級茶葉でいれられた紅茶もさることながら、軽食として表面はサクサクとした軽い食感、中はしっとりとしたやわらかいスコーンが評判であります。まろやかなクロテッドクリームと少し甘酸っぱいイチゴジャムをお好みの量付けて、紅茶とともに召し上がるのがよろしいかと」

「レイチェルの言うとおりね。そういうわけでモエルちゃん。レイチェルの言ったとおり少しアフタヌーンティーにするのはどうかしら?」

「えーと、いいんじゃないでしょうか?」


 流れるように一度も滞ることのない完璧な解説をしたレイチェルだったが、詠流はその半分ほどしか理解できていなかった。


 それから里桜にアフタヌーンティーと言われてだいたいを理解できた。つまりこれからアフタヌーンティーで軽い食事と紅茶を取るということだった。


ここまでで、単行本にしたら120ページぐらいのです。

(当時の作者の時間の都合から)物語はここからより駆け足になっていきます。

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