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せめて記憶の中にでも  作者: 鴻ノ木悠里
1/6

昔々あるところに


昔々あるところに、自然豊かで長閑な王国がありました。


四方を広大な森に囲まれたその国は、他国との交流も緩やかながら良好で、国民同士の諍いや王政への不満もなく、皆が幸せに暮らしています。

他人への憎しみもなく幸せなその国には、優しく穏やかで誰からも好かれる王子様がいました。

国民のことを第一に考える王様やお妃様を見て育った王子様は、時折密かに王城を抜け出して、身分を伏せて街中へと繰り出し、色々な経験を積んでは、彼なりにこの国の在り方を考え続けていました。


***


ある日ある時ある場所で、王子様は悪い魔法使いに記憶削除の呪いをかけられてしまいます。

王子様が誰かに触れる度、お互いの記憶の中から相手の存在が消えてしまう呪い。

そうとは知らずに王子様は、将来を誓い合った最愛のお姫様に触れ、今まで共に過ごしてきた思い出を全て失ってしまいます。


まるで今日初めて会ったように振る舞う王子様とお姫様を見て、王様とお妃様はたいそう悲しみ、王子様に呪いをかけた誰かを心から憎んでしまいました。

呪いを解き記憶を戻そうにも、いつどこでどのように呪いをかけられたかが分からない王子様。

自分の所為で憎しみに囚われてしまった王様とお妃様を目の当たりにした王子様は、その負の感情を消し去る為に一つの決断を下します。


『少なくともこの国には、そんな負の感情なんて、あってはいけない』


それが、彼なりの信念だったのです。


***


誰からも好かれるが故に呪われてしまった王子様と、彼を取り巻く人々の信念を描いた絵本。




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