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自作小説倶楽部 第18冊/2019年上半期(第103-108集)  作者: 自作小説倶楽部
第107集(2019年5月)/「青葉」&「庭」
22/26

04 E.Grey 著  庭 『極秘文書の件 5 公設秘書・少佐』

   //粗筋//


 公設秘書佐伯祐が、婚約者である長野県月ノ輪村役場の三輪明菜を助手に、水野秘書官が閣僚である建設大臣・島村センセイの極秘文書を盗み、仮想敵国であるソヴィエトに亡命を図った。その陰謀を打ち砕くべく佐伯たちは奮闘する。


挿絵(By みてみん)

挿図/Ⓒ 奄美剣星 「気になること」




     5 庭


 佐伯は、ロールスロイスを検分するのを止め、腕を組むと、煙草を吸って遠くを見やった。視線の先には、山の青葉が……ではなく、テニスコートがあった。若い女の子たちが黄色い声を上げて、プレイしている。きっと別荘とかホテルに滞在している、ご令嬢たちだ。

 頭を整理するフリして、何を見ているんだ、佐伯。――このむっつりスケベが!

 テニスコートのご令嬢たちのスカートがはためいて中が見えた。もちろん中の白いショーツは、見せパンだ。とはいえ、形が下着のパンティーそのものだ。お股のスレスレまで見えているではないか! それにご令嬢たちがコート内を縦横無尽に走り回るたびに、シャツごしにオッパイが左右に揺れているのも見えた。

 私は、佐伯の双眸に手をやって、視界を遮ってやった。ばーっか!

「明菜、眼鏡に油脂がついたじゃないか!」

「いいじゃない、祐さんは私のお手付きだもの」

 そう言って、隙あらばと佐伯を狙っている泥棒猫・安田次官を振り返り、素敵な笑みを見せてやった。

「ねえ、佐伯さん。グライダーが見つかった、栃木県に行ってみませんこと?」

「ああ、そのことですか……」

 佐伯の目線が安田次官に向かった。詳細を述べるならば、バスケットボール大の乳房二つにだ。それはブラウスに包まれ、さらに灰色のジャケットで覆われてはいた。だがジャケットは、キツキツに張っていて、前で止めたボタンを弾き飛ばしそうだ。安田次官は、ときどき佐伯に、悩まし気な視線を送っては、巨乳とデカ尻を左右に振って、プルンプルンさせていた。――この女は!

 佐伯の眼球は、私の胸と、安田次官の胸を、テニスコートを往来するボールのように、ポンポンと行き来していた。

 佐伯が私の貧乳を見て行った。

「明菜、やっぱりおまえは最高だ。僕にインスピレーションを与えてくれる! おまえは、オッパイが小さい!」

 どつくぞ、ボケ!

「安田次官、謎が解けました、事件の全容をお話しますから、センセイたちのところに戻りましょう」

 え、もう、謎を解いたの?

 私と安田次官とは、顔を見合わせた。

          次回「極秘文書の件6」で最終回になります。

  //登場人物//


【主要登場人物】

佐伯祐(さえき・ゆう)……身長180センチ、黒縁眼鏡をかけた、黒スーツの男。東京に住む長野県を選挙地盤にしている国会議員・島村センセイの公設秘書で、明晰な頭脳を買われ、公務のかたわら、警察に協力して幾多の事件を解決する。『少佐』と仇名されている。

三輪明菜(みわ・あきな)……無表情だったが、恋に目覚めて表情の特訓中。眼鏡美人。佐伯の婚約者。長野県月ノ輪村役場職員。事件では佐伯のサポート役で、眼鏡美人である。


【事件関係者】

●島村代議士……佐伯の上司で建設大臣、衆議院議員。センセイと呼ばれている。本事件の依頼者だ。

●岸本会長……某財団会長。島村センセイの学友。中軽井沢に広大な別荘を構えている。

●安田次官……建設省官僚。グラマラスな美女。

●水野秘書官……国務大臣秘書官。極秘文書を盗んで失踪したとされる。




5月号はここまで。

6月号は7月初旬に……。

皆様のご高覧に感謝いたします。

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