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気まま渡り人の軌跡〜金髪美少女と異世界生活〜  作者: メディポ
新たな出会いは難題へと
19/42

模擬戦:前編

今回もよろしくお願いします。


 学園に入るための入学試験を受けに来たのだが、何故か模擬戦をやることになってしまった。


「模擬戦の一般的なルールは知っていると思うけど一応説明しておくよ」


 1.模擬戦は一対一で刃を潰してある剣を使用する。

 2.相手が降参するか続行不能、もしくは審判のジャッジで勝敗を決する。

 3.魔法、魔術の使用は補助系統のみ使用可。(攻撃系統は反則)

 4.その他、反則行為は禁止する。


 と、こんな感じだ。


 剣の経験がまだ浅い俺にとっては補助系統の魔法有りはとてもありがたいルール。唯一勝機がみえているものだ。


 しかし、相手は剣術でこの学園に入学してくるツワモノ。一撃で沈められないように最初から気合を入れていかなければならないだろう。


「じゃあメディ君。模擬戦を楽しみにしているよ」


 そういって俺とは反対の控室の方へ歩いていくクラー。俺も準備しなきゃな…。


 俺も自分の控室に向かって歩き出す。すると、


「メディ君…」


 アリシアさんに袖を引っ張られた。とても心配そうな顔をしている。


「大丈夫だよ、アリシア」


 安心するかは置いといて弱音なんかは吐けない。


「でも……ううん。わかりました。メディ君、私のせいでこんなことになってしまいましたが頑張ってください!」


「ありがとう」


 もとよりそのつもりだ。アリシアさんのためにも負けるわけにはいかない。

 というかアイツの言いかけていたアリシアさんとの関係が気になる。


 アイツとアリシアさんの関係…。いや、今は集中しよう。


 模擬戦に勝てば分かるはずだ。


 控室に入り用意されていた動きやすい服に着替え、準備体操をする。

 体が温まってきたところで使う剣の素振りをしてみる。重くはないが振り回すとなると思い通りに動きにくくなるだろう。


 そこで魔術の出番だ。


 もともと魔術とは誰でも魔法が使えるようにするために生み出されたもので、使用する魔術に対しての属性をもっていなくても使うことができるのだ。


 なので俺が無属性で補助系統である【アップ】という魔術を使っていてもなんにも怪しまれることはない。


 この【アップ】という魔術はいわば身体能力を上げるもので、重いものを持ったり速く走ったりする時に使われるものだ。ただ難点なのが使用した箇所に大きな負担がかかってしまうのと、必要な魔力量が強化していくに連れて二乗に比例するような形で上がっていくため日常生活で使用することはあまりない。


 まぁ俺は魔力量が多いようなので体の限界の方が先に来てしまうのだが。


 とにかく、まずはこの身体能力強化で様子を見る作戦でいくことにする。


「メディ君、あちらは準備ができたようですよ」


 ドアの向こうからアリシアさんが声をかけてくる。


「わかった。ありがとう、今いくよ」


 支度を終え控室を出て模擬戦の会場へと向かう。


 気合は十分だ。勝ってアリシアさんに良いところをみせるぞ!






 会場に入ると観客席がかなりの数埋まっていることに気がついた。


 いきなり行うことになったのによくこれだけの人数が集まったなと思ったがよく見てみるとその大多数は受験者であることが分かった。


「やぁメディ君。服のサイズはどうかな?動きづらいとかないかな?」


 会場の真ん中にいたクラーが呑気に話しかけてきた。


「かなり動きやすいので大丈夫です」

「それはよかった。…もう紹介は終わっているから初めていいかな?」

「もちろん、いつでも大丈夫です」


 お互いに距離をとり、向かい合う。


 すると会場のざわめきがおさまり視線が俺たちに集中するのがわかった。静寂の中、開始の合図を待っている間は長く感じる。


 俺は剣を片手で水平に持ち、クラーは両手で剣を立てて構える。


「始めっ‼」


 開始の合図と共に俺は【アップ】の魔術を発動させ、身体能力を上げる。そしてそのまま強化した脚力を使い一気にクラーとの間合いを詰め、強く握った剣でヤツの首筋ぎりぎりのところを狙う。


 一瞬でケリをつけようと思ったのだ。


 しかし次の瞬間、クラーの剣は俺の攻撃を受け止めるように移動していた。そのまま互いの剣がぶつかり合い、耳をつんざくような高い音と重い衝撃が俺に伝わる。


 このままつば迫り合いが起これば剣の経験が少ない俺が不利になると悟って一瞬だけ【アップ】に込める魔力量を増やし、剣の柄を両手で持って思いっきり振りきった。


 クラーの体がよろめいたところで俺は後ろに飛び距離をとることにした。


「凄い力と速さだね…。君の【アップ】はどうなっているんだい?」


 態勢を立て直したクラーが額に汗を浮かべながら尋ねてくる。


「あなたもどんな反射神経しているんですか…?」


 今の攻撃は普通の人なら反応できないだろうと思うスピードで繰り出したはずだ。その攻撃を余裕を持って受けていたのはしっかりと剣筋が見えていたと言うことだ。


「ハハ、危なかったけど一瞬で負けるわけには行かないからね」


 模擬戦前の余裕は無くなっているがそれでも笑顔は崩さない。


「お返しに今度はこちらから行くよ!」


 そう言って剣を構え、走って間合いを詰めてくる。剣を振りかぶり勢いよく振り下ろそうとしていた。


 何を考えているのだろうか。俺の攻撃を受けたやつにしては動きが単調すぎる。


 俺は剣を受け止めてからのカウンターを狙っていた。


 そして剣どうしがぶつかりあい、重い、重い一撃が伝わってくる。


「くっ‼」


 その衝撃は【アップ】で強化してある体でも耐えられず、俺は後ろに吹き飛ばされ地面を転がっていく。


 な、何だ今の重さは。ただ単に振りかぶっただけの重さではない。一体何だ?


 受け身を取りながらすばやく起き上がり、追撃を受けないようにヤツと対面する。剣の柄を握っている手がジンジンと痛みを訴えてくる。額から流れてくる汗を拭い、ひと呼吸置いてヤツを睨みつける。


「そんなに睨まないでくれよ。"お返し"と言ったじゃないか」


 追撃してくる様子もないことを不思議に思い、今クラーが言った言葉が頭の中を巡っていく。


 "お返し"と言う言葉と先程のクラーの行動…。そうか!


 こいつはわざと俺に分かるような動きをしていたんだ。俺がカウンターを狙うように仕向けて攻撃を受けさせ、そこで…


「あなたも【アップ】が使えたんですね」

「もちろんだよ。魔力量は少ないから君みたいに常時発動はできないけどね」


 一時的な【アップ】によって身体能力を高めたのだろう。そうすることで魔力消費も少なく済むし相手の不意をつくことができる。


「ここからは私の方から攻めさせてもらうよ!」


 地面を蹴り上げ距離を詰め迫ってくるクラー。迎え討つべく剣を握る力を強くする。


「はああああっ!」

「ふんっ!」


 再び剣と剣は交わりあった。


拙い文章を読んで頂きありがとうございます。

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