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決意

あたしは考えた。基本的に誰ともつるまないあたしは彼女たちの詳しい情報を持っていない。

怜奈も友達ではあるが、いつも一緒にいるという仲ではなく他のクラスメイトよりはあたしと話をするという程度のものだった。


ふと渡り廊下から横を見るとそこは裏庭に続く場所だった。

今では見つからない四つ葉のクローバーが生えていたという裏庭。

次の授業のことなど忘れてあたしは裏庭へと足を踏み入れた。

今はきれいに剪定された木が植えてあり、地面には「竜のひげ」などの草もきれいに植えられている。

定期的に庭師さんが手入れをしているらしい。


そして、あたしは見つけてしまった。裏庭の隅に生えているクローバーを。

しかし、どれも三つ葉でさすがに四つ葉ではなかった。

(もし、今でも四つ葉のクローバーが生えていたら…)失踪した二人のクラスメイトはここから四つ葉のクローバーを見つけたのだろうか。あたしはその場にしゃがみこみ、無我夢中で四つ葉のクローバーを探し始めた。

見つけたいという気持ちと、見つけたくないという気持ちに葛藤しながら。

不思議なことに、あっさりと四つ葉のクローバーを見つけ出してしまった。


「あった…。」


茎で千切れてしまわないように丁寧に根から抜き、ポケットから取り出したハンカチの中に包み込む。



すでにこの時点であたしの心は決まっていたのだ。

(あたしもやるしかないんだ)と。いや、二人目のクラスメイトが失踪し怜奈の態度がおかしいと感じた時には決まっていたのかもしれない。

怜奈は友達だと思うし、仲も良い方だと思う。しかし怜奈の身近な人間が二人も失踪し、さらにさっきの彼女の態度を思い返すといくら他人に無関心なあたしでも気になってしまう。



ハンカチに包んだ四つ葉のクローバーをポケットにしまい、あたしは教室に戻った。

クラスでは4時間目の先生が授業を進めていてあたしが教室に戻ると不思議そうな、心配そうななんとも言えない顔で

「どうした?具合でも悪かったのか?」とたずねてきた。確かにあたしは今まで無断で授業をサボったりしたことなどないから、当然の反応だろう。


「すみません。体調が悪くて保健室に行こうと思ったのですが少し外で休んだら良くなったので戻ってきました。ご心配おかけしました。」

そういって自分の席に着くと、斜め前に座っている怜奈が振り返って口だけ「大丈夫?」と動かして聞いてきた。

さっきの怜奈の不可解なオーラは一切感じられず、いつもの怜奈だった。

(さっきのは一体なんだったの?)戸惑って目をそらしてしまいそうになったが、そうしてしまうと彼女に不信感を抱かせてしまう。平静を装った。

あたしは同じように「大丈夫。」と口を動かし、彼女に笑顔を向けた。

すると安心したように彼女は前を向いて授業を聞き始めた。


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