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第4話 帰宅 それは分岐点

「ただいまー」


「おかえりー」


 ふぃ~、疲れた~ 今日は特にものすんご~く疲れた。


「お兄ちゃん ご飯は作っといたよ~」


「ありがとなぁ~」


 おお、愛しの妹よ~ご飯を作ってくれてたなんて可愛い奴だなぁ~

でも、待っててくれたら尚うれしかったなぁなんて・・・・・・

まあ、無理ですよね~

年頃の女の子が夜遅くにごはんをたべたら太っちゃいますからねぇ

おっと、いけないいけない妹への愛が暴走してしまったな(テヘ)

 帰ってきて早々、僕は何をやってるんだろう・・・・・・まぁいっか。


 ふぅ 手洗いよし、うがいよし 


「さてと、そんじゃ いただきま~す」


「召し上がれ~」


 うん、やっぱり他人が作った料理はおいしいなぁ、

でもこれニートの発想だ、

いやいやいや僕はちゃんと働いてますから労働者なんですぅ~。

 

 一体、僕は何に対して弁解しているんだろう

誰も僕の心の声なんて聞こえてないはず・・・・・・


 閑話休題・・・


「そういえば、愛理 花火大会の日はどうするんだ?」

 

 例年なら家でのんびりしてるか、

ヤギさんのとこでお客さんの愚痴(ぐち)を聞いてるかだもんなぁ


「お家でお兄ちゃんと一緒に花火見るよ~」


 嗚呼、お兄ちゃんはこんなに可愛い妹が居て幸せ者だよぉ 

うぅ、目からヨダレがっ!

でもね、お兄ちゃん今年はチョ~ット事情が違うんだよ。


「それが、優ちゃんに誘われてなぁ

 それでちょっと出かけることになって・・・」


「優(ねえ)さんにですか・・・・・・」


 愛理が渋い顔をしている。

うんうん分るよその気持ちやはり同じ遺伝子を持つ者同士

シンパシーがあるみたいだなぁ、お兄ちゃんとっても嬉しいよ。

おっと、大事なこと言い忘れるとこだった。


「優ちゃんが愛理の分の浴衣も用意してるってさ、

 でもほら行くのがい「行きますっ!」」


 へ?


「いや絶対付いていきます いやと言ってももうダメですからね、

 お兄ちゃん水臭いじゃないですかお祭りに行くんならしっかり

 楽しまないとダメですよ、も~」


 現金な奴だなぁ、ま しょうがない女の子だもんな

可愛いものには目がないし・・・・・・

つっても、僕が愛理を祭りに連れて行ったことなかったもんなぁ、

基本的に僕と愛理の二人暮らしだったし てか、今でもそうだし。


「はぁ、分りました分りました」


 ここまで来たんなら本当に諦めよう完敗だ、

大人しく優ちゃんの着せ替え人形になろう。


「浴衣っ浴衣っ♪」


「幸せそうだなぁー」


 でも、愛理が幸せそうならいいや。


「はいっ 幸せですぅ~」


「そうかそうか うん うん(死んだ魚のよな目で)」


 よかったよかった


「お兄ちゃんは楽しみじゃないんですか?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「何ですかその無言は?」


「トッテモタノシミダヨ~(棒読み)」


「はぁ、どうせまた女装させられるんでしょう?」


「その通りでございます」


 うん、もうねお兄ちゃん諦めたんだよ~


「安心してお兄ちゃん・・・」


 うぅ、愛理なんて優しい子なんだ、これぞ心のオアシス 癒し 天国

僕を慰めてくれる愛理ちゃん可愛い!


「女装しても普通に可愛い女の子にしか見えないから」


 サムズアップしないでくださいますか?

 薄雪に無限のダメージ、うわ~んの薄雪のヒットポイントはゼロだよ~。


「はぁ~~~~」


 めちゃくちゃ憂鬱、行きたくない・・・・・・はぁ~~~






















 この時、僕は重大な間違いを犯してしまった。


 

 是が非でも花火大会に行くべきではなかった。



 しかし、僕は何も知らなかった、無知であった。



 人生をやり直せるとしたらどこからやり直すか・・・



 僕は間違いなくこの日を選ぶだろう。



 この日こそが、運命の分岐点、



 あったかもしれない唯一の見せかけの救済の可能性。



 だが、それはあまりにも無意味で無価値な行いだろう。



 仮に選択できたとしても



 それは覆しようのない結末の先送り、



 一時的なものでしかない。



 それに、僕は既に選択を終えてしまった。



 運命は変わらない ただ一点に収束する。



 それは悲劇 誰も幸せになれない結末



 それは絶望 抗えない 大いなる力の奔流(ほんりゅう)



 これは不変の真理 自然の摂理 絶対の理 



 その事象を歪めるには神の権能(けんのう)あるいは













 ()()
























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