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三話目です。


ちなみに雪那の身長は156cmのショートヘアで胸はDです。



雪那はベッタリと地面にへばりつき一歩も動けなくなっていた。普段よりも露出面積が広く強い日差しに弱っていた。


「誰か…… 助けて」


雪那が必死に叫んでも声は小さく誰もいない森の中では無意味だ。雪那は横目で青空を見る。あまりの眩しさに目が痛いが初めて見た青空の美しさに惚れ惚れとしていた。しかし雪那の皮膚はどんどん赤くなり気温も高いため汗が止まらない。熱中症になりかけている雪那の視界はだんだんと暗くなってきた。


「お前、何してんだ」


雪那の意識が落ちる直前呆れた男の声が雪那の意識を揺さぶる。


「気持ち…悪い」


雪那が震えた声で呟くと声の主はため息をつきながら

皮で出来た水筒を腰から外し雪那の口元に運ぶ。


「ほら飲め」


ぶっきらぼうな低い声に雪那は首を振る。


「の…めな…い」


雪那はあまりの気持ち悪さに呂律も回らなくなってきていた。はぁはぁと荒い息を続ける雪那を見た男は水筒の中の水を口の中に入れた。雪那の首を支えながら頭を持ち上げると雪那は片目を開ける。


「何…するの」


雪那がそう言い終わらないうちに男は雪那の唇に自分の唇を重ねた。正確にいうと口の中の水を雪那に移すためだ。男の口の中にあった水がなくなると唇を離しもう一度水を口に含んでまたキスをする。何度目か分からないキスで雪那の意識がはっきりと戻ってきた。


--えっ?えっ?えっ?今何が起きてるの?!この男子だれ!


雪那は慌てて起き上がろうとすると男のおでことぶつかる。二人とも後にひっくり返りいった〜と叫ぶ。


「あの、すいませんでした!もう大丈夫です!」


雪那が慌てて土下座をする。男はゆっくりと起き上がると黒い目を光らした。雪那は冷たい目に震え上がるが男は気にすることなく落ち着いた声をだす。


「お前、肌真っ赤だけど」


「あ、これはいいんです。私肌が弱くて日に当たるとすぐ赤くなっちゃうんです あはははは…」


雪那がは赤くなった肌を擦りながら笑うと男は着ていた黒いマントを雪那にかける。


「目の前で死なれても気分が悪い」


男は雪那の手を引っ張り立ち上がらせる。


「この森は魔獣が出るから早く立ち去った方がいい」


雪那は聞きなれない言葉に一瞬引っかかったがそのままスルーする。


「あの!私これから目覚めの式に行かないといけないんです どこでやってるか教えて貰っていいですか」


男はその場でくるりと方向転換すると歩き出す。


「俺もその式に出る ついてこい」


雪那は返事をすると男に着いて歩く。


--悪い人じゃないのかな?マントくれるし…水も飲ませてくれるし


雪那はもうひとつ質問をした。雪那が声を上げると男らピタリと止まる。


「あの!私の髪の毛の色って普通ですか!?」


「…今まで黄色、赤、青、茶色の髪の毛 目の色を見てきたがお前みたいな白い髪にそんな目の色は見たことがない 俺の黒目黒髪も珍しい」


男はそういうとスタスタと歩き出す。雪那は肩を落としため息をつきながら男に続いた。歩きながら手に持っていたネックレスを首にかける。


--このネックレス今度こそ私に幸運を運んできなさいよ。







神殿のようなところに雪那は居た。


「十七の民よ ようこそ 私はこの城の主だ」


壇上に上がった太った主はどこから出てるのか分からないほど大きな声で話し出した。


「十七の今日其方たちはこれから自分の中の魔力を目覚めさせる。其方たちの体の中には魔力をため封印している所がある。そこを今から魔力がこもった杖に触れてもらうことで封印を解く。触れた瞬間其方たちは魔力をもつ立派な成人となるのだ」


雪那は目と口を見開いていた。今まで魔法に関係しない日本に住んでいたが急に魔法や杖など不可解なことが目の前に飛び出してきた。

雪那以外の人間は当たり前の様な顔をして当たり前のように杖を触っていく。雪那は不安になってさっきの男に話しかけた。


「あの…魔力って…?」


雪那がぼそっと尋ねると男はまたかという顔をしてため息をついた。


「お前ほんとに何も知らないんだな 魔力ってのは一人一個生まれつき持ってる力だよ その魔力をここで目覚めさせることで今後魔力を使えるようになんだ」


雪那はマントをぎゅっと握りしめる。


--私にそんな力あるの?日本育ちだよ!


そんな叫びも虚しくとうとう順番が回ってきた。杖は二つあり男と一緒に説明を受ける。


「目を閉じてそっとこの杖に触れて下さい」


鎧を着た背の高い兵士が雪那のほうを見向きもせずに言う。雪那は恐る恐る目を閉じ手を伸ばす。息を吐き出した瞬間杖に触れると光が溢れ出した。


「えっ?」


「な、何事だ!」


主の声で雪那が目を開けると雪那の杖と男の杖が赤く輝いていた。兵士は驚きのあまり腰を抜かし主は座っていた椅子から立ち上がり雪那達に迫る。雪那は何か悪い予感がして慌てて杖から手を離す。男も手をそっと下ろす。雪那はどんどん近づいてくる主から逃げるために一歩下がるが後にはいつの間にか駆けつけた兵士達が道を塞いで居た。


「そこの女と男よ!其方ら目を閉じてみよ!」


雪那は反射的に目を閉じる。


「心の中で魔力を封印してた箱を開くような想像をしてみろ!」


雪那は頭の中で大きな木製の箱が開くイメージをすると体に何か熱いものが走った。苦しさに身をよじるとドクンと心臓がひとはねする。主は興奮したように叫ぶ。


「あやつらは貴重な研究材料だ!捕らえろ!」


男は襲いかかる兵士を持っていた短刀で返り討ちにしながら叫ぶ。


「誰がお前らについて行くかよ!」


その瞬間無意識に雪那は覚えのない言葉を口走る。


「世界を創り動かす神よ 私を加護して下さる神よ 私の願いをお聞きください 神の恩恵に私の感謝と祈りを捧げます アトナの御加護を与え給え」


雪那がそう唱えると雪那の周りに強い風が吹き付ける。杖から出たような赤い光が雪那を包み込みそこから一人の女が出てきた。雪那の目は首元に下げてたネックレスの様な色に変わる。


「お前…」


雪那の変わった姿を見て驚いた男は目を見開いていた。


「名前!」


男に目もくれず雪那は叫ぶ。男は意味が分からずはぁと叫ぶ。


「だから、あなたの名前教えて!私は雪那!」


雪那は男の方を見て笑った。男は雪那の顔をみると同じようにニヤリと笑う。


「俺はラントだ!」


ラントが名前を叫ぶと雪那は大きく息を吸って光から出てきた女に向かって叫ぶ。





「アトナ!私、雪那とラントを守って!」






雪那の目覚めでした。

次回は「一緒に」です。

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