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たどり着いた世界には

一話に引き続き読んで下さりありがとうございます!


いよいよ異世界に迷い込んだ雪那の冒険が始まります!


真っ暗闇なのに自分の姿とその周りだけがはっきりと見える世界で雪那はネックレスを見ていた。


--きっと私死んじゃったんだ。まだお母さんに何も返してないのに。本で見た太陽のようなオレンジ色をしたこのネックレスのせいで。


雪那はメガネを外し溢れ出てきた涙を拭う。もう一度メガネをかけると雪那の目の前には灯りがついていた。ロウソクのような淡いを光に手を伸ばすと熱くもなく手を通り抜けてふわふわと漂う。雪那は何故か無性にその灯りにネックレスをかざしたくなった。そっとネックレスを持ち上げ灯りに合わせるとそれらはかっと明るくなった。


「まっ眩しい! 」


雪那は思わず目をつぶりネックレスを手から落とす。

慌ててしゃがむと灯りはだんだんと元の明るさに戻る。雪那はゆっくりと目を開くと目の前に見たことがない田舎の風景が映った。雪那がネックレスに手を伸ばすとまたぐいっと引っ張られる。




はっと気づくと見慣れない部屋が映った。雪那は荒い息を落ち着かせようと大きく息を吸って吐く。何度か繰り返すうちにだんだんと呼吸と共に気分が落ち着いてきた。周りを見回すと雪那が寝ていた布団のそばには机と椅子しかなく簡素な部屋だ。雪那は状況を頭の中で整理していく。


--えっと確か蒼葉ちゃんと歩いててそのまま階段から落ちそうになって……。蒼葉ちゃん!大丈夫!?


雪那は慌てて布団を剥ぎ取りベットから飛び降りる。が思いのほか高くて転んでしまう。ドンと大きな音を立ててお尻をぶつける。お尻を撫でていると扉がガチャと開けられそこから赤毛の雪那より少し大人びた女性が顔をだす。


「あら? どうしたの? 」


女性は笑いながら雪那をもう一度布団に戻す。


「まだ顔色が悪いわね あなたこの近くの森で倒れてたのよ 」


女性は椅子を近くに寄せると深く座る。


「あの あなたは?」


恐る恐る雪那が声を出すと女性は明るく笑って自己紹介を始める。


「私はへープって言うの あなたは?」


ヘープは雪那の手を取り握手する。


「私は雪那と言います」


「へっ?ユキナ?珍しい名前だね で、アンタ幾つだ?私は二十歳なんだ。」


「私は十七歳です」


雪那が十七と言った瞬間ヘープは顔色を真っ青にした。口をパクパクとさせて慌てて立ち上がった。


「ちょっと!アンタ今日は十七の目覚めの式だろ!なんでこんな所で呑気に寝てんだ!早くい来な!あっ……でもアンタの変な服じゃ行けないだろ!ちょっと待ってな!」


ヘープはヒステリックに叫びながら扉を開けてバタバタと動き出す。雪那は現状も分からずしかも赤毛のヘープに驚いていた。


--あの人の髪の毛もすごい色だったな。目は緑だったし。


雪那は自分の耳にかかっていた髪の毛を手に取る。今までの世界ではなかなかいなかった髪の毛の色がこの世界ではいるかもしれない。そしたらこの世界も悪いとこじゃないと雪那は思った。


「ほら!早くこれに着替えて!」


ヘープが持ってきたのは肩が大きく出た紺を基調としたワンピースだった。有無を言わさずヘープにいままで来ていたパーカーやらズボンやら下着を全部脱がされた。終いには


「へぇーアンタ胸結構あるじゃない」


なんていわれる始末だった。


雪那がなれない変わった下着を付け肩の大きく出たワンピースを着るたヘープは満足そうに頷いた。


「アンタ元がいいからね 結構似合ってるじゃない」


ヘープは玄関らしき扉を開けると雪那の背中を押した。


「ほら、いってきな」


雪那は転びそうになったのを何とか堪えてヘープを振り返る。


「あの、ヘープさん なんでこんなに良くしてくれるんですか」


「私の性分なのさ 倒れてるやつ見つけたら構わないといらんない質なのよ いいから早く行きなさい その森を抜けたとこにあるから」


ヘープは森を指さすと家の中に戻ろうとする。雪那は大きな声を振り絞る。


「ヘープさん!ありがとうございます!」


雪那が深く頭を下げるとヘープはなんだそのポーズと言って笑いながら家に入っていった。

雪那はもう一度深く頭を下げると森に進みだした。



雪那は歩きながら状況を整理した。


--この世界は多分私が元々いた世界とは別世界。それで十七歳になると目覚めの式というものをやるらしい。髪とか目の色も日本と違って黒じゃない!この世界なら私も普通の分類に入るのかも!


雪那は嬉しさのあまりスキップをしだす。鼻歌交じりに森の中を進んでいく。あまりにも気を抜いていたからだろうか雪那は上に広がっていた青空を見上げる。

その瞬間雪那は太陽の光に目がくらみその場に崩れ落ちた。興奮のあまり雪那は自分の体のことを忘れていたのだ。


--やばい。日差しは日本よりも強いしこのままだと……。


今までしたことのない露出面積が広い服によってどんどんと肌が焼けていく感覚が雪那を襲う。






……異世界に迷い込んだばっかりだけどこのままだと死ぬ。







やっと始まった冒険もすぐに行き詰まってますね。


次回は「名前を教えてください」です。


よろしくお願いします

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