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NATSU:2045  作者:
29/31

29.ごめんなさい

今回短めです。終わりが近いぞ……

 考えるより先に、身体が動いた。


 ナツは咄嗟に、アイリスの手を引いた。飛んできた弾丸が、左肩を貫く。右手に持っていた剣を、思わず落としてしまった。


―――本当に階段から落ちたくらいの痛さだ……。そして、結構痛い。


「何やってるんですか!?」とアイリスは、酷く驚いた様子だ。


 ナツは、アイリスの声を無視して、足元の剣を拾い上げた。まずは、敵を倒さなくては。相手は一人。さっきよりも、かなり楽に倒せるだろう。ナツは踏み込んで、敵へ向かって一直線に走り始めた。


 敵は、走ってくるナツを見て 焦ったように銃を乱射した。先ほどまでの、狙いを一転に絞っていた物とは違い、四方八方に銃弾が飛び散る。


―――重い。


 ナツは盾を捨てた。守りを捨てた。こちらへ向かってくる弾丸を剣で斬り、さばききれないものは全てその身に受けた。


―――アイリスを、守らなければ……もっと……もっと速く!


 ナツは加速を続ける。身体に受ける銃弾の数も、徐々に少なくなってきた。敵はますます焦って、連射モードに切り替えた。


―――遅い。


 ナツはそれら全てを避けるか 剣でいなすかして、敵のもとへ辿りついた。


「……もう、邪魔はするな」


 今日で何度見たかも分からない淡い光が、ナツの斬撃とともに空中に散った。



「ナツさん。もういいんです」


 アイリスが、僕に走って近づいてきた。


「もう、ナツさんは頑張ったじゃないですか。こんなに怪我して」


「だからって、もういいって何だよ……」


 アイリスは、何を言っているんだ?これからも、一緒に色々なことをしたいって。そう思って―――……。


「私、結構楽しかったです。こんなに世界が美しいものだなんて知らなかった。ナツさんに出会って、全てが変わりました」


 そんな、もう終わるみたいに……。


「ごめんなさい。守ってくれたのに。それに、私も一緒に戦ったのに。私、さっき別の人に撃たれちゃったみたいです」


 アイリスはそう言って、苦笑いをこぼした。

作者は別に意図的に鬱にしたいわけじゃないんだ……ただ自然にそうなるだけであって……

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