神様とオカンッ!!?
「春ちゃんももうお風呂にはいっちゃいなさーーい」
現実逃避にアリンコを眺めていたオレはお袋の声にわれに返った。
気づけば、もう夜じゃないか。どうりでアリンコがどれか分からないわけだ。
窓から部屋に上がったオレは驚愕の光景を眼にした。
おい、お袋なんで楽しそうに女神としゃべってんだ。
「お袋、なにやってんだ?」
「春ちゃん、ママでしょ。何やってるってどういうこと?」
「・・・・なぜ、こいつと井戸端ってるんでしょう?」
「なに、春ちゃんヤキモチ?」
「ヤダ春奈君、私のことをそんなに・・・。」
ばかやろう。服を脱ぎ始めるな。
「ちがいます。だから服着ろ。後オレの服もってこい。」
そう、オレはまだパンツ一丁だったのだッ!!
まぁ、その話はこの際おいておこう。
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おれは女神が持ってきた服に着替えて二人に向き直る。ヘンな組み合わせだな、また。
「で、お袋は、何故にそんなに親しそうなんだ?」
「だって、これから春ちゃんがお世話になるんですもの、仲良くしておかなくっちゃ」
・・・・・・・。
マテ、お世話になるってどういうことだ?
「・・・あの、お母様?お世話になるってどういうことですか?」
「いや、だから、今度お父さんが海外に転勤するのにママもついて行くでしょ」
おいおい、初めて聞いたぞ。・・・お袋、半笑いはやめろ・・・。
「だからその間お世話してくれるお手伝いさんを呼んでみましたーー。」
・・・・・・・矛盾だらけだな。
「・・・お袋、話しは後で聞こう。女神ちょっと来い。」
横でケラケラ笑っている女神を指さしていう。びくってすんな、お前のせいだろ。
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「・・・・・何しやがった。」
女神のやろう、わざとらしく口笛なんてふいてやがる。
「・・・言いなさい。」
「ごめんなさい、お母さん。」
「誰がおかあさんか。いいから吐けッ」
「だって、セッカク男の子と女の子が一つ屋根の下で住むんだから、邪魔者がいちゃまずいでしょ」
仮面で小首を傾げるな、気持ち悪い。ってか、いつ付けやがった。
「・・・・・・誰も住まわせてやるなんて言ってないが。」
「えーーーーーー」
「えーーーーーー、じゃない。って何してる。」
いきなりしゃがんだかと思うと、何かの機会をいじっている。
「なにって、私のモノにならないなら、いっそのこと爆破しちゃえ☆」
笑いながら言うな。後、語尾に星つけんな。
「・・・やめろ。早くその機械をしまいなさい。ってか、どこからそれだしてきた。」
「ぐすん、ぐすん。」
って、おおぉっ!??
「どした、何で泣いて・・・・・・ッ」
「住まわしてくれないなら・・・・、住まわしてくれないなら・・・・ッ」
おいおい、なんなんだ。相手が女神だけに仕返しがこえぇ
「春奈君にもう一人お父さん作っちゃうんだからっ!!!!」
「やめなさいッ!!!!!」
頭にチョップを食らわせてやった。
「うええぇぇぇぇぇぇ〜」
「あぁ、わかった、わかったから、住まわせてやるから、泣くなってッ」
「ほんと?ほんとに?」
だから、涙目で近づくなって・・・。
「やったぁーーーーー」
うえぇ?うってかわって元気だな、えぇ?
「そうと決まれば、ご飯ですよ、春奈君」
「いきなり、えらく上機嫌だな、あぁん?」
「そ、そんなことないですよっ!!!!」
女神が手を横に振ったひょうしに、何かが落ちた。
ん?
・・・・これは、めぐすり?
「オイ、女神・・・。」
「はい?」
笑顔で振り向くな、こんちくしょう
「芝居してやがったな・・・・。」
「何のことでしょう?ほら、もうお腹すきました。」
「るせぇ、この目薬はなんだっ!!!」
っと、おいおい、何かなその手に持ってる鎌は。
だからこっちに向けるんじゃない。
ほら、それ先っぽとがってるんだって、分かってる?
「早くいこ?ハ・ル・ちゃん?」
「は、春ちゃん言うなーーーっ!!!!」
女神はケラケラ笑いながら、階段を降りていった。
こうして、バイオレンスな日々が幕を開けたのでした。