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神様と初授業ッ?!!

「にっぽんこくみんは、せーぎとちつじょをきちょーとするこくさいへーわをせーじつに・・・・?」

「・・・・希求」

「ききゅーし、こっけんのはつどうたるせんそうと、ぶりょくによる・・・・・・??」

「威嚇」

「いかく、またはぶりょくのこーしは、こくさいふんそーをかいけつするしゅだんとしては、えいきゅーにこれを・・・・・・・・・・???」

「放棄・・・・」

「ほーきするっ☆」


 今日、女神が学校に来てわかったこと。

 それは、こいつの名前(あると思わなかった)と、とんでもなく『バカ』だという事、この二つだ。


『キーンコーンカーンコーン』

「はい、じゃぁ、ここまでー。アイちゃんは漢字覚えてきてなー」

「はぁい、侑子せんせー☆」


 やけになじんでるなー、この二人。

 侑子先生もっとそいつに仲良くしてやってください。

 オレの負担が減って大いに助かります。


「こうしてると、ホント平和だなぁ〜〜」

「うん、日本は平和だね」

「あっ、柏木さん、こんちわッス」

「こんにちは、春奈君」

 いまいきなり現れたのは、柏木(かしわぎ)由梨子(ゆりこ)

 オレん家の近くに住んでて、昔はよく遊んでもらってもいた先輩だ。

 普段は名前で呼んでいるが、まぁ、学校だし形式的に苗字で呼んでいる。

 そういや、小学校の時は、学校にも連れて行ってもらったりしたな・・・。

 要約すればひとつ上の姉のような先輩か・・・。

 全然そんな感じしないんだけど・・・


「またそんな敬語つかってー」

「いや、だってここ学校だし、一応先輩だしね」

「一応ってどういうことぉ?」

「はっははーー、さぁ、どういうことでしょう」

「むっかーーっ、馬鹿にしてるわねぇーーっ!!!」


 あぁ、コレが平和だなぁ

 たとえ横から半泣きの先輩に殴られ続けていたとしても、どこぞの馬鹿がオレを異世界に追いやったり、きられたと思ったら次の瞬間生き返ってたり・・・・・

 そういう、非現実とは関係ないもんなぁ。

 ・・・・・・今は。


 学校ってこんなに安心するものだったっけ?

 もっと、こう、漠然とはしているけど、いやなところだったはずだが?

 なぜ今は家のほうが嫌なんだ?

 

 ・・・・多分あれだな、もうハロウィンが近いってのにスイカが食べたいとか、プロレスを見てはオレで技を習得しようとしてくる奴がいるせいだな。

 あぁ、頭いてぇ・・・


「はるちゃーーんっ、これなんて読むの?」

と、いいながら俺の前に文庫本を差し出す。

「あぁ、コレはな『うましか』って読むんだ」

「へーーぇっ、そうなんだーー」


 『馬鹿』は適当にあしらって、俺は今日最後の授業に向かうことにした。

 次は、確か、科学だったな。


――――――――


―――――


―――


 びっくりだよ。

 まさかこういう展開になるとは・・・


 今現在、オレは化学の実験室にいる。

 女神が隣に座っているわけだがすごいことになっている。

 女神がすごいことになっているのだ。

 くどいようだが『ある意味すごい』のではなく『本当にすごい』のだ。


「熱化学反応式は、化学反応におけるエネルギー収支を化学方程式で表記したもので、エネルギー収支は右辺に式量当りの発生熱量を示しますっ。なので、発熱反応の場合は正の値、吸熱反応の場合は負の値で表しますっ☆」


 ・・・・いったい何語ですか。

 さっきまで、馬鹿丸出しの人がいきなり難しいことを言い出すもんだから、皆さんあんぐりと口を開けてますよ。

 科学の教師・谷本だけはにんまりしてますけど・・・・


 

 女神いわく、『この世界の科学って、魔法の原理とすっごく似てるんだよっ☆』ということらしい・・・・・

 そうですか、魔法ですか、絶対に使ったりせんように。

 

『キーンコーンカーンコーン』


「よーしじゃぁ、今日はここまで」

 そういうと、谷本は上機嫌で出て行った。


 まぁ、何はともあれ、コレで地獄のような一日は一通り終わったわけだ。

 いつもと特に変わらないホームルームを終え、俺たちは帰り道についた。


 オレの目の前には、女神と由梨子が並んで歩いていた。


「まさか、そんなロマンスが合ってハルくんの家に住むことになっただなんてねーー」

「すごいでしょーーー♪」

 女神がケタケタ笑い声を上げる。

 またいらん誤解を・・・




 しかし、 すごく疲れた日になったことには違いないが、それでもいろいろ楽しかったしな。

 久しぶりに友達にも会えたしなぁ。

 それは良かったよな。


「ハルちゃんっ、はやくはやくーーっ」

 夕日の中を二人が振り向いて笑顔で手を振っている。

 こうしているとオレも普通の高校生なんだけどなぁ・・・


「ねぇ、ねぇ、ハルちゃん、お腹すいたーーっ」

「そうかぁ、そうだなぁ・・・・」

今日は学校にいって機嫌がいいから、

「何か喰いたいものあるか、何でも作ってやるよ」

と、珍しくいってみる。

「やったぁ〜!!!」

 女神が飛び跳ねながら喜ぶ。

 そんなにうれしいものか?

「じゃぁねぇ、餃子とラーメンとチャーハン・・・・」

 お、今日は中華か。


「それとぉ、ボルシチとそうめんと玉子焼きとカステラとポトフとリゾットと、あとねぇ」

「後半却下な」

「えぇーーっ」

 家の家計を破綻させる気か・・・・

 しかも、季節も国もあったもんじゃねぇ


「あ、そだ、柏木さんも食べていきます?」

「そだね、お言葉に甘えちゃおうかなぁ?」

 そういうと、女神がトコトコと走ってきたかと思うと、二人して笑いながら走っていく。


「ハルちゃんの恥ずかしい本の場所教えてあげるっ☆」

「ンなもんあるかぁーーーーーーーっ」

 二人はキラキラ笑いながら走り去った。



 ま、こんな日もありかな?


 そう、思うことにした。

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