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No.20 私に逆らうの?

玄関へは、私、優さん、秋斗、秋斗のお母様の4人で向かった。


ゴンゴンゴンッ!!ガンッ!


扉の前にたった直後、激しいノック音が玄関に響き渡る。

私は怖くて、思わず秋斗の服をぎゅっと掴んだ。


「大丈夫だから」


秋斗の力強い「大丈夫」に、私は答えられるだろうか。

私が怯えていては、何も始まらない。さっきもそう思ったばかりなのに。


「どちらさまでしょうか?」


秋斗のお母様が落ち着いた声音で外に声をかける。


「そこに葉つめ私鶴がいるわね?!早く出しなさい!!!」


響く、母の怒声。

未だに激しいノックをやめず、「私鶴!私鶴!」と叫んでいる。

いつもの、落ち着いた母とは比べ物にならないほど怒り狂っていた。


「お名前をお聞かせ願います」

「はぁ?!わかってるでしょう?!あなた達、葉つめ家を敵に回してこの先生きて行けると思っていらっしゃるの?!」

「という事は、葉つめ財閥総裁のご婦人、葉つめ麗華様ですね」

「だからそうだと言っているわ!!いいからここを開けなさい!!」


秋斗のお母様は、また落ち着いた動作で玄関を開けた。

扉の向こうには、もちろん私のお母様が。

執事を2人つけて、怒りを隠さないまま立っていた。


「私鶴!!」

「お母様…」


相変わらず、真っ赤なドレスを身に纏い、真っ赤な口紅を塗ったお母様。

私は、閉じ込められた時の恐怖と絶望を思い出していた。


…恐ろしくて、まだ手が震えるけど。

でも、負けちゃいけない。

私はもう帰らない。

もう、お母様のお人形にはならない。


「帰るわよ、私鶴」

「…帰りません。」

「あなた、私に逆らうの?」

「…帰りません。」

「明日は、花むろ財閥のお坊ちゃまとの顔合わせなの。あなたがいなくちゃどうするのよ?」

「…結婚なんてしません。帰りません。帰ってください、お母様」

「はぁっ…こんな馬鹿な子に育てたかと思うと、情けない気持ちになるわ。ここのお家にも迷惑になるでしょう?もう少し考えて発言しなくちゃ、今後、花むろ財閥の妻としてやっていけないわ」


だから!!誰が結婚するって言った?!


そう叫びたい衝動に駆られ、とりあえず口を開こうとしたその時だった。


「麗華様」


__低く落ち着いた声音がストンと落ちた。


名前を呼ばれた母は、少し面食らった様子で声主に目を向ける。


「申し訳ございません、自己紹介がまだでしたよね。私、笹山優と申します。こっちは私の妻のゆりかです。夫婦共々、葉つめ燈波様にはお世話になっております」


優さんの落ち着いた丁寧なあいさつに、母は数秒固まっていた。

しかし、葉つめ燈波、と父の名前が出た途端、にっこりと顔に笑みを浮かべた。


その表情に、私は背筋が寒くなる。


「…そう。やっぱり燈波のお友達なね。うふふ…。ほんと、あの人はどこまでいっても気に食わないわぁ」


母は、父が大嫌いだ。

2人はいわゆる「政略結婚」で結ばれたこともあり、いつまでたっても母は父を嫌う。


だから、父の友人や取引先、学校関係者は端から母のブラックリストに記載されている。


「まぁ、なんでもいいわ。とにかく私鶴を返していただけるかしら?こちらにも予定がありますから」

「そうはいきません。彼女は自宅へ帰ることを固く拒んでいますよね?しかも、私たちは燈波から私鶴さんを頼むと申し付けられています。そう易々とあなたの元へは帰らせません」

「あなたがどう言おうと、あの人が何を言っても、私鶴は私の物です。返してちょうだい」

「…気に食いませんね。なぜ自分の大切な娘をモノ扱いするような母親の元へ返す必要があるんです?」


優さんの強気な態度に、母の顔はみるみるうちに険しくなっていく。

赤い唇をぐっと噛み、目を見開いて、母は私の腕へ手を伸ばした。


「やっ…」

「ねぇ、私鶴ちゃん。あなた、おうちへ帰りたいわよね?そうそう、今日のディナーは私鶴ちゃんが大好きな、…大好きな、ハンバーグよ!ほら、ね?帰りましょう?帰りたいわよね??」

「いっ…。お母様…離してください」


母の長い爪が腕へとくい込んでいく。

秋斗と優さんがすぐ助けようと手を伸ばしてくれたけど、私はその手を制した。


「…大丈夫です。私が向き合わなきゃいけない」


…私が向き合わなければ、何も終わらない、始まらない。


大丈夫。怖くない。

彼女に背いたって、死ぬわけじゃない。


「帰るわよねぇ…?」

「なぜ帰る必要があるんですか?!私の好物さえ知らないあなたの元へ帰る意味なんて少しもない!!」

「…あなたの好物なんて知る必要ないわ。だってあなたは私のために生きてればいいんだから。私があなたのために生きる必要なんてないもの。いい?あなたは、葉つめの家系に生まれた以上、その運命を受け入れなきゃいけないの。それでもって、あなたの運命は私のために生きること。あなたの意思は全く関係ないのよ」


平然と言い立てる母に、私は絶句していた。


…お母様は、私に少しの愛もないんだ。

ただお母様のために生きる私だけを愛していたんだな。



母の言葉で、私の何かがまたプツンと切れたような気がした。


みなさん、お久しぶりです…!


はい、すみません、更新さぼってました深く反省してます。


お母様の激しい怒りで許して!!!(無理)


じ、次回もお楽しみに!!!(大汗)

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