序章
「・・・・・・・・・・・・・・」
15歳で殺し屋と言う闇職業に携わる私は、今日もとある国にて依頼を黙々と片付けていた。
王様だのとかいうレベルではなく、マフィアとかそのような関係の人たちが主なターゲットであった。勿論、その国の警察にはコネがなく、事故や自殺と見せかける形でやらなければならなかった。
今日の依頼を片付け終わった帰り道。時刻は22時を回っていた。
一般人を装うために剣と手袋を隠し、フードを取った。そして路地裏から出ようと歩き出した瞬間―――――――
「ん・・・あぁ、あんた。ちょっといいか?」
「・・・・・・はい」
突然通路を一人の青年に塞がれた。気付かなかったので少し驚いたが、一般人を装うため・・・普通に受け答えた。その青年を観察すると、20代か10代後半位で私より年上に見えた。顔は意外と良いが、夜だからなのか眠そうな顔をしている。そんなことを思っていると男は頭を掻きながらこう言った。
「もしかして・・・あんたが例の「殺し屋」だったりする?」
私はドキッとした。私の正体が見破られたなんて、これまでには無かったからだ。
しかし、今は一般人を装ってるため、下手に動揺をしてはいけない。
「いえ・・・違いますけど・・・」
私は、とぼけることにした。恐らく、殺し屋か否かとそう聞いてくると言う事は警察か何かなのだろう。
しかし、青年の服装はどう見ても一般人だった。そう考えていると、その青年は溜息をつきながらこう言う
「だったらさ・・・なんでそんな物騒な剣を持ってる訳? この国では違法なんだけど・・・知らなかった、じゃすまされないんだぜ?」
しまった・・・自分の腰をよく見たら、剣がはみ出ていた。言い訳が出来ないとなると・・・殺すしかない。私は改めて剣を抜いた。