プロローグ
「君の事だから、万事大丈夫だと思うけど」
「君の、事だから、万事、大丈夫、だと、思う、けど、」
京都のとある病院の一室。
僕ー野崎 尊ーは、友人ー山上 時政ーの代筆をしていた。
なぜ、代筆をしているかって?
山上は病気で文字が書けない。
手紙の相手は、僕と山上と同じ中学校で、今は僕のクラスメイトの平坂 綾香だ。山上と平坂は僕を通じて文通している。
もう一年近く、こんな感じだろうか。もう慣れてしまった。
「野崎、おい野崎」
「ーあ、わりぃ」
つい、ぼーっとしていた。
「もう、頼むよ。君は僕の“腕”なんだから」
「あぁ、すまん、すまん。で、続きは?」
「え~とー」
こんな調子がずっと続くと思っていた。
でも、ある日、それは虚像だと気づかされた。
山上 時政 死去
享年 十六歳
それが、その事が、僕を苦しめる。
始まりは、山上からの僕宛の手紙だった。
今後も、頑張って投稿するので、応援、よろしくお願いいたします。
また、何かアドバイスや改善点がありましたら、教えて下さい。
よろしくお願いいたします。