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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

企画倒した伝説のクソ恋愛ゲーに転生した俺、ゲームマスターとなり神ゲーに昇華させる

作者: 冬幸雪


 pv、ホームページ、ストーリー全てに置いてカオス極まれりの企画倒れして発売中止となった伝説の恋愛ゲームその名を『マジカミフォーチュンラブ』

 

 ◇


 キィィィィドンッ!!!!


 トラックに衝突した鈍い音が響く。

 俺荒剤冬気(あらざいとうき)は沢山の女の子のイラストが描かれた伝説のクソ恋愛ゲーマジカミフォーチュンラブを手にしたままこの世を去った――





 荒剤冬気さん…………荒剤冬気さん……荒剤冬気さん!


「はっ!」


 俺は意識を戻した。目を開けるとそこにはまるで女神のような神々しい女の人が立っていた。気づけば俺の体がない。意識だけの状態だ。


 俺死んだのか……まだ高1なのに短い人生だったな


「私は女神イリア。荒剤さん貴方はこれから人生をスタートさせるんですよ」


「え?」


「貴方に頼み事があります。この地球に異世界の悪魔が襲いかかり侵略しようとしているのです」


 ん……? ちょっと待ってくれ悪魔? これってまさか異世界転生的なやつかでも地球にって言ってるし……


「あの悪魔の大王、魔王までもが侵略に赴こうと企んでいます」


「あの女神様これって元の世界に転生って感じですか?」


「貴方はこれから人生をスタートさせるんですよ」


 あれ? さっきと同じ返しだ。よく分からんが悪魔と魔王から地球を守ればいいのか地球も大変な事になるんだなー


「それで話の続きですが魔王はとても強大です。魔王に打ち勝つためにも貴方には私の100人の娘を授けます」


「100人の娘…………はい? 100人!? それぐらいいないと魔王に勝てないってことなのか女神様たくさん産んだな」


「私の100人の娘たちを共に育て導いてください。大丈夫、年齢はおおよそ貴方と同じ子たちです」


「んなんだそれ……」


 100人なんて数は多いい、俺は何かこの展開に見覚え、既視感を抱きつつあった。と言うかこの女神様も何処かで……


「さあ娘たち出ておいで」


 そう女神様が言うと遠くからわらわらと少女たちが走ってきた年齢は確かに俺と同じくらいの女子高生って感じの整った顔立ちの人たちがこっちに来る。……多いい。右から左視界いっぱいに同じような顔の人たちが集まっていた。ん……これって


「この子たちが貴方についていく娘たちです」


「これってゲームとおんなじじゃん!!!!」


 女神様と100人の娘たちは黙っていた。


「これゲームだ! 伝説のクソ恋愛ゲーマジカミフォーチュンラブじゃん。手に持ったまま死んだからこのゲームに転生しちゃったのかと言うことはさっき言ってた悪魔やら地球も全部ゲームの設定か! この女神様も何処かで見たことあるなーと思ってたけど、そうそうゲームのpvで見たわ…………あのー女神様」


「はい」


「受け答えはするのか」


 ゲームと分かれば、今の俺がここで何をできるのかまずは探ることから始めないとな


「メニュー」


 ピロンッと青緑色の画面が目の前に開いた。

 試しに言ってみたがまさか開くとは思わず俺は驚いた。


 すげーメニューだ。ステージ情報や音量調節か、音量調節は意味ないなステージは神界か……ん?これは


 俺は1つ気になるものを見つけた。


 システム管理?


 俺は取り敢えず押してみることにした。ピンと画面が変わる。するとそこには設定変更と書かれた画面が出てきた。


 設定変更……まさかこのゲームの設定を変更できるのか!? やってみるか

 

「そうだなこれギャルゲーだよな目の前の女神様の娘100人の誰かを攻略する。100人は多いいから5人にするっと」


 俺は画面に音声で、文字を入力して完了を押した。

 シューンと目の前にいた大量の女神様の娘たちが消えていなくなり5人になった。その光景に俺は目を見開く。


「なにまじか、ほんとにできた。これ俺がゲームマスターってことだよな……」


 俺は顎に手を当て考える。今後どうしていくかを。自分の好きなように作り替えていってもいい。だがしかし散々叩かれていたこのかわいそうなゲーム、折角だ、誰が触るってことでもないけど俺の手で発売される前から伝説のクソゲーと言われたこのゲームを神ゲーにしてやるってのも面白いかもな!


「よしこのゲームを神ゲーにしよう」


 俺は手をぐっと握り誓う。


「大丈夫でしょうか?」


 女神様が俺に問うてくる。


「いや大丈夫です。そうだじゃあそこの娘さんたちの名前まずは聞いていいですか?」

 

 綺麗な娘5人が左から名乗っていく。


「私はみきです」


「私はのらよ」


「うちは、はさ」


「まや」


「わたくしはなかですわ」


「そっかありがとうみき、のら、はさ、まや、なか俺のことは気軽に冬気って呼んでくれ」


「「分かりました」」や分かったなど各々返事をした。女神様がこちらを見て話し出す。


「では自己紹介も済んだようで荒剤さん貴方を下界へと送ります。よろしいですか?」


 俺は考える。


「まあここでやれることもこれと言ってないし分かりましたいいですよ」


「では送ります。ご武運を」


 俺と娘たちは体がシュッとなりその場から消えた。





 ちゅんちゅんちゅんちゅん。鳥の鳴き声が聞こえる。

 瞼を閉じていたみたいで視界が真っ暗だ。俺は目を開けると見知らぬ天井が見えた。俺は横たわっていてベットで寝ていたみたいだ。横を見ると5人の娘たちが座っていた。


「…………」


 どうしよう何も言うことがない。


「おはよう」


 さっきまで起きてたのに俺は変なことを言ってしまった。


「おはようございます」


 みきが返事をしてくれた。因みにみきやのらなど見た目がすごくにているがさっきはちょっとした顔の骨格矢順番で見分けていた。今は髪型をアレンジしてくれているようで分かりやすくなっている。

 みきはロングにリボンが2つサイドについていた。のらはツインテール。はさはショート。まやは普通のロング。なかはショートに三つ編みをしていた。

 俺が寝ている間にしたのか、髪を結ぶのはできても切るのは無理だろ〜ま、ゲームだからできるか。


 俺がどうしようかと考えているとガチャと扉が開く。そこから黒服の男が入ってきた。


「冬気様お食事の用意ができています」


 俺は悩む。


「あの、えっと変な質問になっちゃうんですけど貴方は誰で俺は何してる人なんですか?」


「私は冬気様の面倒を観させていただいておりますマスクです。貴方はこの国の大統領であるお父上様の息子である荒剤冬気坊ちゃまであられますよ」


「ほー成る程……ギャルゲーなのに大統領の息子なのか何でだ」


「貴方がお父上様の息子だからです」


「ああそういう意味じゃないんだけどねまあいいやごめんありがとうマスクさん」


「気安くいつもの通りマスクで構いません」


「ありがとうマスク」


「はい」


 俺の隣には女神様の娘たちがいるがこの人たちはどういう扱いなんだろうか


「マスクこの人たちは?」


「居候です」


「居候か」


「朝食を食べ学校へ行かないと始業に遅れてしまいますよ」


「分かった」


 俺は布団からでて娘たちにもなにかやっててと言って動かした。





 学校へ行く途中。


「これ悪魔か?」


 隣には娘たちがいるマスクは流石に学校までは行かないようで家の玄関で別れた。今、目の前には黒くて丸っこい宙に浮くものがいた。

 丸っこいのが俺に突っ込んできた。


 ぎゃあるるる。と鳴き俺の手を噛む。


「痛ええ!」


 俺はそいつをブンブン手から離そうとするが離れない。みきがこっちに駆け寄ってきて悪魔に手を当てる。


「消えてください悪魔退散!!」


 手からは眩い光が放たれ悪魔が散り散りになって消えていった。


「すげー」


 俺は思わず口をつく。よくやったとまややのらもみきを褒めていた。


「ありがとうみきこれが女神様の娘の力か」


「はいそうです」


 みきが淡々と返事をした。噛まれた後がひりひりするゲームだけど転生してるんだ痛みはあるんだな。次からは悪魔が出たら気おつけよう。

 俺たちはその場を後にして学校へ向かった。





 学校では5人の娘たちとは全員同じクラスで俺は真ん中で四方八方を塞がれてる配置だった。


 なんだこの座席順はふざけてるな運営……いやこれ元々100人だったのを5人にしたんだし運営じゃなくてたまたまか。これ100人だったら俺の学年の生徒全員女神様の娘ってこともあり得たわけか。さすがだな。


 するとのらがこっちを向いてノートを見せてきた。


「書いてないじゃない」


 先生は黒板に板書しているが俺はノートに何も書いていなかった。


「だってゲームだし」


「文句言わないの。ほら写していいわよ」


 俺はのらからノートを渡された。渡された時のらの胸が肘に当たりひゃっと言ってのらが顔を伏せる。俺も照れながら会釈してどうしたものかと取り敢えずノートを写した。


 ちゃんとラブコメゲームしてるんだなと思った。





 授業をしていて暫く時間が経った頃。

 ドシンドシンと音と共に揺れが起こっていた。


「なんだ」


「地震?」


 辺りの生徒たちが不思議がっている。

 俺もその内の1人だ。


「何が起こってるんだ? 転生してるとは言えゲーム内で地震とかいやな予兆でしかないんだけど」


 窓の外を見た。そこには学校と同じくらいの大きさの大きな体をした角の生えた禍々しい存在がこっちに歩いていた。そいつは学校に手を突っ込んだ。


 ドオオン!!!!


 ガシャガシャと弄られ辺りの天井や壁は崩壊、一部生徒も血まみれになっていた。


「まずい死者が出てる」


 俺は言う。

 崩れた天井の瓦礫が俺に落ちようとした。


 ドオンと俺にみきは飛び抱きつき瓦礫から見を躱す。みきの温かい体が当たる。


「あ、ありがとうみき」


「いいえ」


 破壊していたそいつは言った。


「女神の血を継ぐものよ我は魔王なり貴様らを魔界より殺しに来てやったぞハッハッハッ」


 魔王と言った巨大の奴は高笑いしながら学校を破壊していく。


「学園ラブコメ展開の今のゲーム中に魔王襲来はいらないだろ! メニュー」


 俺はメニューのシステム管理の設定変更を押した。


「ギャルゲーに魔王襲来はいらない。魔王、魔王の娘でいいんじゃないか」


 俺はそのまま完了を押した。


 すると巨体の魔王はシュッと小さく縮み少女となった。

 が魔王の少女からはとてつもない魔力のようなオーラが発せられた。

 

「我は小さくなれど力は最強」


「な、そうか内面設定も変えなきゃいけないのか」


 俺がボンミスする。だが魔王の少女からはオーラが消えていった。


「ま、でも侵略とかもうこうなったらいいかな。と言うか女の子になったし誰かと恋愛したいなー!」


 ちらっとこっちを見てくる。


「どういうことだ……まあ上手く行ったしいいか。何かラブコメルート入ったっぽいけどギャルゲーとしてはアリだよな」


 その後俺は設定を使って学校を治した。





 それから何日も経った。


「あ〜んなのだ!」


 魔王が俺にあ~んしてくる。


「は、恥ずかしいから」


「恥ずかしがり屋さん目」


 俺は5人の女神様の娘たちと少女になった魔王とピクニックに来ていた。自然豊かな場所で景色もいい場所だ。


 このゲームいつ終わるんだろう。もう色々改変したしいいんじゃないかな終わりでも……。


「そろそろ終わりにするか……メニュー……やっぱ神ゲーの終わり方は感動エンドだよな――」


 メニューを開く俺の手をみきが掴んだ。


「結婚エンドがいいです」


「え!?」


 今まで女神様の娘やこの世界の人たちは俺のゲーム的発言に触れてきたことは一度もなかったので俺は驚いた。みきが話を続ける。


「ずっと見てたから分かるこのおかしな世界を良くしようとしてくれてるんですよね。私たちはちゃんとここで生きてます」


「生きてる……」


「はい……私たちは生きてます」


 他の娘たち、のら、はさ、まや、なか、魔王が立ってこっちを見て頷く。


「もう一度言います。結婚エンドがいいです」


 はっきり言われ俺の胸はドキドキ高鳴っていく。


「選んで選んでくれたらずっと貴方に寄り添い続けますから」


 皆が俺の方を真剣な表情で見てくる。


「今……か?」


「はい終わりにするんですよね」


「そうだな…………誰を選ぶにしても皆今まで俺と一緒にいてくれてありがとう。実はゲームのキャラだと皆のことを思ってた時もあったけどもうやめるよ」


 皆が微笑み笑顔になる。俺は意を決心していう。


「俺は――――」


 俺は顔を見てしっかり言った。





 結婚式。女神様の娘たち魔王やマスクなど皆が見守る中俺は誓う。


「俺はみき(・・)お前を今後一生大切にすると誓います」


「はい。私もずっと貴方に寄り添い続けます」


 そう言ってみきは一粒の涙を流した。




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