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新生活(中編)改変中

タイトル【もう元には戻れない】の“元”続きの話でした。

前の話が変わった以上、まぁね。

「にしても、広いなぁ~~」


ここに来て早1週間。神――母様(かかさま)との暮らしにも慣れた。

最初こそ慣れない体で戸惑う事もあったが、今は違和感なく過ごすことが出来ている。

それも偏に母様のお陰としか言いようがない。

寝る際の姿勢から、耳や尻尾の洗い方までほんと色々と教えてもらった。

元凶だけど、とても感謝している。

ただ未だに自分の裸体を見るのはどうにも慣れない。

俺が言うのもなんだが、母様譲りの美貌は絶世と言っても過言ではなく。

染み一つない白い肌は見惚れるほどだ。

男だったなら、こんな女の子と付き合ってみたかったと何度思ったことか。


(……別にロリコンじゃないが、まるで幼女に興奮するロリコンにしか見えねぇ)


思わず溜め息を吐く。

そうじゃない、客観的に見てそう思っただけなんだと誰とも知らぬ相手に心の中で言い訳をしてしまう。

ただ、何故だろう。言い訳をすればする程、ロリコン感が増して行く気がするのは。

もはや本当にロリコンなのではと思い始めてしまう。

頭の冷静な部分では違うと叫んでるのに、思い込みが強くなる。

これが所謂、自己暗示というやつかと、頭の更に冷静な部分でそんな気付きを得る。

ちなみになぜ俺が母様なんて呼んでいるかというと、試しに神と呼んだらしかめっ面をされ、強めの口調でお願いされたからだ。


『神では親しみを感じられん。妾のことは母様と呼ぶのじゃ』


それ以降は母様と呼び続けている。

これもまた慣れるまでに時間が掛かった。

出会ってから此の方、ずっと心の中で神と呼び続けていたんだ。

すっかり定着した物を直すのは時間が掛かる。

それを1週間足らずで直したのは我ながら頑張ったと思う。

それに、神と言う度に怖い表情を浮かべられたら必死に直すしかなかった。

あの時は殺されるんじゃないかと、ヒヤヒヤしたっけ。

定着さえしてしまえば、神と呼び間違えることもなく安心して過ごせている。

そもそも安心して過ごせているのもどうかと思うが、染まって来たという事か。


(このまま染まってしまったら俺はどうなってしまうんだか……)


嫌だと思うが、ここ以外に安全に過ごせる場所もない。

今はただ、ここで暮らすしかないのだ。

何度も目と知らぬ溜め息を吐く。

ちょうどそのタイミングで目的の部屋の前に着いた。


「ん?着いたか」


木の一枚板で作られた襖。

他の部屋とは異なり障子紙のない木目と引手のみの襖は武骨な印象を受ける。

なぜ他とは違うのか、それは中を見れば分かるだろう。

今の身長では体ごと動かないと開けない襖を「んしょ、んしょ」と頑張って横に動かす。

ちなみに、ちなみにだが、背を伸ばして力を籠める関係上、どうしてもその声が出てしまう。

これは自然の摂理であって、精神が体に引っ張られた訳ではない。

本当だからな?本当だぞ?


「何言い訳してるんだろ俺……」


誰に見られてる訳でもないのに、そう心の中で呟く。

気落ちしてしまうが、落ち込んでる暇はない。

改めて正面に立って見えた扉の先には岩の壁が広がっていた。

それもただの岩の壁じゃない。

地下に降りて行く階段があるのだ。

男としてワクワクしない訳がない。

昨日この場所を見つけた時は時間の関係で潜れなかった。

だが、早朝のこの時間から潜れば無問題。

母様は子供の自由意思を尊重するタイプらしく、飯の時間さえ守ればしつこく関わって来ないのだ。

ただ、それとは別に愛でる時間なる物が存在するし、風呂は一緒に入るし、同じベットで寝るけど。

それさえ除けば、良い親だと言える。

思わず遠い目をしてしまうが、意識を戻し地下へと目を向ける。


「――それに怪しんだよな、ここ。あの噂と何かしら関係があるかもな」


本来の目的。母様というイレギュラーによって中断されたが、今なら逆に警戒されずに調べられるだろう。

この姿になって初めて良かったと感謝した。

だからと言って、こんな体に成りたかったとは思えないが、このチャンスを俺は手放す事はしない。

絶好の機会を逃してなるかと、そう意気込み俺は地下へと下って行く。

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