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久方ぶりの再会side伊神

やっと新作書き終わったので更新再開します。

後、その書いてた作品の影響で文体が少し変化しておりますが、暫くすれば元に戻ると思うので気にしないでいただけると助かります。

やっと新作書き終わったので更新再開します。

後、その書いてた作品の影響で文体が少し変化しておりますが、暫くすれば元に戻ると思うので気にしないでいただけると助かります。

*******


懐かしい扉を前に僕は立っていた。

久しぶりだよ。

ここに来るまで長かった。

だけど、今日やっと戻って来ることが出来た。

懐かしさを胸に扉をノックする。


「どうぞ」


扉の奥から聞こえるは女性の声。

懐かしい声だ。

嬉しさでニヤけそうになる頬を堪えて扉を開く。

そして、いつものように僕は言うのだ。


「やぁ、久しぶりだね?」

「えぇ、お久しぶりです」


久しぶりにあった彼女――イオリはあの頃と変わらず酷悪な見た目ではあったけど、昔と変わらないままだ。

その事実にホッと安堵する。


「君の願い通り無事に彼等を解放したよ」

「あんなに暴れていれば嫌でも分かりますよ……ありがとうございます、解放していただいて」


ベットから伏して動けないと言うのに無理に頭を下げようとしなくて良いのに。

これも彼女の気風というやつかな?

そこが好ましいと感じるのだけど、無理してまで頭を下げられたところでありがたみはない。

そう告げればイオリは苦笑する。


「ありがとうございます。貴方様は相変わらずお優しいですね」

「そうだろう?僕は優しいだ。なのに、ナヨ達は理解してくれない。酷いと思わないかい?」

「ふふ!そうですね。ナヨ様も見る目がありませんね」


僕は肩を竦める。


「僕の味方をしても良いのかい?それでも君、ナヨの巫女だろう?」

「良いんですよ。その程度で怒るほどナヨ様は狭量ではありませんから」


信頼が厚いね。

これを聞いたらナヨは何て思うだろうか。

………お怒りながらも嬉しさを隠せずに笑えでも浮かべそうだ。

なんなら、尻尾もフリフリと揺らすんじゃないかな?

思わず想起したその光景、吹き出しそうになる笑い。

首を傾げるイオリにも話して上げれば抑えきれないといった様子で笑い声を上げる。

それが限界だった。

イオリの笑い声を引き金にして、僕も笑いが止まらない。

こんな地獄に響くとは思えない愉しげな声だ。


「はぁ、はぁ………こんなに笑ったのは久しぶりだよ」

「わ、私も……ふふ!こんなに笑ったのは久しぶりです……!」


本当に愉しげに笑うね。

久しぶりに見たイオリの笑みに、僕は知らず知らずの内に笑みを浮かべる。


「どうだい?久しぶりに笑った感想はさ」

「楽しかった。笑うのがこんなにも楽しかったと、久しぶりに思い出すことができました」


笑いから目尻に溜まる涙。

イオリはその涙を拭いながら、懐かしげに感想を溢す。

そこでふと、イオリの顔は哀愁を帯びる。


「あの……あの子は、鏡は元気ですか?」

「元気だよ。餓鬼に堕ちることもなく人として育つことができた」

「そうですか、無事に人として育つことが出来たんですね………良かった」


イオリは一筋の涙を流す。

笑い泣きではなく、子を思うが故に。

安堵とも、悲しみともつかない笑みを浮かべる。


「あの時はああするしかなかった……たとえ、餓鬼に堕ちるとしても私は、鏡に生きながらえて欲しかったんです。それが苦しむことになるって分かってた筈なのに……酷い母親ですね」

「そんな事はないさ。君のお陰で境は生きることが出来たんだ。でなければ、生きることも叶わず死んでいた筈だよ」


静かに涙を流す彼女を抱き締め、優しく語りかける。

1人の親の前に、イオリは1人の人間だ。

それも、20を幾ばくか越えた歳の彼女にこの地獄はあまりにも辛すぎた。

それでも、子のために頑張れた君はスゴいよ。

最後ぐらい、大泣きしても良いんだ。

君にはその資格がある。


「では、甘えさせてもらいますね」


泣き笑いを浮かべるイオリ。

僕はそれに対し、言葉ではなく胸を貸すことで返事とする。

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