表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/51

3人の関係性

「は?」


死ぬ?俺が?どうして?そんな疑問が胸を渦巻く。

理解が追い付けない俺の前、元凶はフッと笑う。


「――なんてね。ちょっと過大表現してみただけさ」

「おまっ―――」


ドン!と大きな音が鳴る。

巻き起こる砂ぼこりに咄嗟に目を瞑る。

何が起きた。一瞬過ぎて何が起きたのか理解できない。

砂ぼこりが入らぬよう、ゆっくりと目を開く。


「は?」


2度目の驚きであった。

先程まで伊神が居た場所は穴が空いており、砂ぼこりが立ち込め折れた板が落ちて行く。


「あやつは人をおちょくるのが相変わらず好きだな」

「そうじゃの。妾を急かしながら遊びに興じるとは、命が惜しくないらしい」


なるほど。どうやら母さん達がやったらしい。

家を壊しても良いのかとか、疑問もあるが今だけは喜ぼう。


「ありがとう、2人とも。俺のために怒ってくれて」

「なに、可愛いナツキを馬鹿にしたあやつのことが許せなかっただけよ。逆に、邪魔をしてしもうて悪いのぉ」

「伊神の悪い癖だ。ここで1発殴らなにゃ治らん不治の病ってやつだ」

「2人とも、鬱憤が溜まっていたんだな」

「「当たり前じゃ(だ)」」


はは、ホント息ぴったり。

とても良い笑顔を浮かべて言うものだから、さっきまでの不安は何処かに行ってしまった。


「というかさ。あれ、大丈夫なのか?」


簡単に殺られるようには見えないが、重症を負っていてもおかしくない。

というより、生きてる方がおかしいと言うべきか。

なにせ、元とは言え神と鬼の一撃を喰らって無事な生物がいるはずがないのだ。

それでも生きているだろうと確信させる伊神がおかしい気がする。


「ふん。その程度で殺れる奴ならとっくのとうに倒しておる」

「まったく酷いじゃないか。危うく死ぬかと思ったよ。君たち、力強すぎ」

「うわっ……」


思わずドン引く。首の骨が折れ曲がった状態で這い上がってきた。

どこのホラーかと思いながら、母さんの背に隠れる。


「ふぅ……肩が解れた」


首をゴキゴキと鳴らしながら元の位置に戻す様はどう見ても人じゃない。

それもあんな攻撃受けときながら肩が解れたで済ますとか異常と言う他ない。

本当に、あれが親戚とか嫌だ。


「これで懲りたら“2度と”やらぬことじゃ」

「今度はこの程度で済まさぬからな?」

「はいはい。やらないからそんな睨み付けないで欲しいよ。まるで夫婦みたいだよ、君たち」


毅然とした態度で対応する2人に頼もしくなったが、懲りた様子のない伊神に対し、こいつに反省の言葉はあるのかと疑問を抱く。


「それに、別に僕は嘘は言っていないよ。最悪の場合、死ぬのは本当なんだし」

「え?」


あれ嘘じゃなかったのか。

その言葉に驚いたのは母さん達も同じらしい。


「なんじゃと!?妾はそんな話し聞いてはおらぬぞ!」

「だから、最悪の場合だから。さ、い、あ、く、の場合ね。僕が居る以上、そんな事にはならない。なら、言わなくても問題ないよね?」

「それで納得できるか!!ちゃんと情報は共有しろと口酸っぱく言っただろ!!」

「そうじゃそうじゃ!お主は昔から自信過剰過ぎるのじゃ!!失敗した時の対策を考えろと何度言うたと思っておる!!」

「聞こえない!聞こえない!!君たちは昔からそうだ!!僕は君たちの子供じゃないのにあーだこーだ言ってくる!!僕は好きに生きるって決めてるの!!」


目の前でガヤガヤと口喧嘩が繰り広げられる。

俺は置いてけぼりだ。今さっき死ぬ恐れがあるとか言われたばかりなんだか。

ポツリと置いてかれた俺はどうすれば良いのだろう。

会話に混ざるか。いや、あの中に入るのは相当勇気が要る。

下手に関わらない方が良いだろう。

見ていて気づいたが、まるで親子だ。

母さんと一鬼が両親として、伊神は子供と言った感じか。

それで行くと俺は伊神の妹と言った立ち位置になるのだろう。

正直、こんな兄嫌だ。

さっきも似たようなことを思った気がしたが、妹をおちょくる兄とか嫌われても仕方ないと思う。

あぁ、早く終わってくれないかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ