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3、異世界転生する為に〜転生先の世界を知ろう〜

「次はこの世界の常識を教えるわね」

「はい、お願いします先生!!」

「先生?」

「うん。私は教えてもらう側だから今はママはママだけじゃなくて先生でもあるのです! なので先生と呼ばせてもらいます!」

「うふふ、先生厳しいわよ!」


 私もママ先生もノリノリです。


 厳しく強制されたほうが覚えなくてはいけないという気になって覚えられるんだよね。


「では、ビシバシいきますよ!これからあなたが転生する世界はテンプレでありがちな剣と魔法の世界です。またテンプレなのですが、魔法があるため科学が地球に比べて全然、本当に全然、全くと言っていいほど発展していません」


 先生、くどいほど強調しなくてもわかりますから。


「だからといって、地球の知識を広めてはいけません! ……なんてことはありません。逆にどんどん広めて発展させて下さい! 私、全然発展しない世界を見てるのは飽き飽きなのです!!!!………………はっ!」

「…………」

「今のは正真正銘私の心叫びですけど聞かなかったことにしてください」

「いや無理」

「しなさい」


 ママ先生敬語テンションだわ。


 私はおざなりに頷いた。




「で、です。この世界にはいろんな種族の子達がいるし、魔物などもいるし、魔王もいます。し・か・も! ギルドなどもあります。ちなみに魔物や魔獣には魔石もあります。それは買い取ってもらえますから。まあ、常識は体を実際に作る時に刷り込ませるのでとりあえず簡単に済ませます」


 え。ならこの授業いらない。


「え。ならこの授業いらない」


 正直モノ過ぎる自分の口を塞ぐが遅すぎた。


「ツッコミはいれなくて結構です!」


 少し先生がむくれた。膨れた頬が可愛い。美人は何をしても美人だ。


 焦った私はにこにこ笑顔に声のトーンを高くしてママ先生に話しかける。


「続きどうぞ! 聞きたいです!」


 ちょっと話してもいいかな、と頬の膨らみが少し萎む。



「ママ先生お願いします!!」

「んん! とにかくですね、危険な生物もいるので気をつけて下さい! これはとても大切なことなのでしっかりと覚えておいてください。あと、この世界は基本的に身分がしっかりと分かれています。なので、貴族とかにも気をつけて下さいね。なんでも許されると思っているヤカラが多いんですよ。まったく腐ってますよね!」


 ママ先生、敬語だと取り繕うことができなくなってるよ。授業にちょくちょく私を挟んでるよ。それは良くないんじゃないかなって、私思います。具体的に言うと、反応に困ります。


 でも私の反応なんてお構い無しに授業は進められる。


「お金は銅貨、銀貨、金貨、白銀貨、白金貨があり、日本円に換算すると銅貨一枚=百円、銀貨一枚=千円、金貨一枚=一万、白銀貨一枚=十万円、白金貨一枚=百万円です。金銭感覚は買い物をしていくうちに感覚で覚えて下さい。私の授業は以上です」

「ありがとうございました。先生」


 パチパチと拍手をする。


 授業を終えたママ先生は得意げに笑う。なにそれ可愛い。



「いってらっしゃい。私の可愛い愛娘。いつも神界から見守っているわ。ああ、教会に来たらいつでも会えるから沢山来てね」

「わかった。行ってきます!」


 パアァーー。


 光が眩しい。


 異世界に対する期待に胸が弾み、頬がゆるむ。



「あ。…………ヤバイ!! 転移先間違えちゃった」


 楽しみだったのに。楽しみだったのに、こんな声が聞こえてきた。え、大丈夫なの。待って。私の期待返してーーーー








ママ先生はしっかりものな見た目だけどおっちょこちょい。

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