表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

〇〇様

作者: アルデンテ

世の中には科学や偶然といった言葉だけでは解決できないことがあるのだと思わされます。これからする話は、

オカルト好きであっても心霊現象の類いを全く信じていなかった私がそれを信じるきっかけになった話です。

簡単に説明すると、とある怖い話を読んだら何かがやって来るというもので、この話のタイトルの○○と伏せ字にしているものが、とある怖い話のタイトルになっています。その話を読んだ方に何かが起きても嫌なので伏せ字にさせていただきます。


あれは中学生の時でした。怖い話を読むのが好きだった私は、今でも怖い話系のスレに出てくる有名なものからマイナーなものまで色々なものを読み漁っていました。その中には、自己責任系の読んだら怪現象が起きると言われている話もありましたが、読んでも特に何も起こらず、オカルトを単にフィクションとして楽しんでいました。

そんな中、新しく見つけた自己責任系の怖い話をオカルト好きの友人と一緒に読もうとしたことが始まりでした。

その話の導入部分には、「この話を最後まで読むと○○があなたを襲いに来ます」というような文言があった覚えがあります。

よくある導入なので私も友人も本当に起こるわけがないだろうと軽い気持ちで、友人の部屋で読むことになりました。私自身も未読だったので、ワクワクしながら読み進めていきました。しかし、読んでいても何も起きる気配がなく、やっぱり嘘だったな、と二人で笑いながら最後まで読み終えた時にソレはやって来ました。

天気もよく風が強い日でもなかったのに、急に窓がカタカタと音を立て始めたのです。一回だけなら風のせいと思い込むことができたのですが、その後も何度も何度も音を立てて鳴り止むことはありませんでした。初めての心霊現象に私と友人は凄い!凄い!と暢気にも興奮していたのですが


ギシッ、ギシッ


と、私たちがいる部屋の外から階段を上ってくる音が聞こえてきました。その日、友人の家には私と友人と友人の祖母しかいませんでしたが、友人の祖母は外で畑仕事をしていているはずでした。作業を切り上げて家に戻り、私たちの様子を見るために階段を上がってきているのだろうと思いながらも、家の裏の畑に目を向けると、そこには畑仕事をしている友人の祖母の姿がありました。


徐々に近づいてくる足音に冷や水を浴びせられたような気持ちになり、本当に○○が近づいていることを悟った私たちは、ヤバイ!ヤバイ!マジで来た!とパニックになりました。

焦っている間にも○○は迫ってきており、


ギシッ、ギシッ


とゆっくりと階段を上ってくる音は、私たちが恐怖におののく様を楽しんでいるようにも思えました。


恐怖で正常な思考ができない中ではありましたが、その話には、実際に○○が来た時の対処法も書かれていました。必死になってそれを行っていると、いつの間にか、ずっとカタカタうるさかった窓の音が止み、部屋に近づいてきていた足音も聞こえなくなっていました。

友人はあんな体験は2度としたくないと言いながら、私を軽く殴ってきましたが、恐怖から解放された安堵感の前には痛みなど感じませんでした。


その後、二人の間ではその時の話はタブー扱いになりました。あの話は、読むことで低級霊を呼び込むという触れ込みのものでしたが、幸いにも心霊現象が起きたからといって友人の家に霊が取り憑いたということもなく、何事もない日々を過ごすことができています。



もし、この内容でピンと来た方がいらっしゃれば、元ネタの怪談を読んだ時にどんな心霊現象が起きたのか、はたまた起きなかったか感想で教えて下さい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ