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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門
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リーザとの出会い 3

耳。

耳が、少し尖って、る?

思わず私は自分の耳に触れた。

丸い。

いや、人それぞれに特徴は個別に有るし、、、でも、宇宙人?奇形?失礼だな。

今は彼女の髪を乾かそう。それからだ。


「ごめんね、反対側の髪の毛も乾かしたいから、今度は向こうを向いてくれるかな?」

彼女はゆっくりと逆の方向へ頭を傾ける。

顔を傾ける時、一瞬目が合った。吸い込まれるような深くて濃いエメラルド色。昔イギリスのポップスグループに緑色の目をしたメンバーがいた事を思い出した。が、比べものにならない。

「少しテレビは我慢してね」

私はこの後5分程掛けて、残りの髪を乾かした。


彼女の体を抱え起こし、頭の部分、髪の毛で濡れてしまった所に別の乾いたタオルを敷いた。

「色々と、ありがとうございます」

少し片言の日本語に戻ったか?


「日本語普通に喋れますね。失礼ながらお姿から外国の方と思ったのですが(それか宇宙人)」

彼女の両耳がピクピクと動いた気がする。やっぱ気になる。

「日本語、、、あなたとソレから学びました」

と言ってテレビを指差した。

「えっ!?」

何言ってんの?

「まだ、言葉に含まれる意味や物の名前の判断は出来ませんが、会話はなんとか行けそうです」

んー??だ。

もしもそれが本当なら、この短時間でどうやって?天才?やっぱ宇宙人?


「本当に助かりました。多くのお世話もしてもらいました。ありがとうございます」

彼女自身も少しづつ落ち着いて来たのかな?

「ひとつ伺ってもいいですか?」

気になる。

「はい」

気になる。

「あなたは何者なんですか」

ストレート過ぎか?


彼女の両耳がピクピクと、確かに動いた。

「私はエルフの里国からやって来ました」

エルフ?里国?

エルフっておとぎ話しやファンタジー、ゲームの中に登場する想像と空想のキャラクター。弓が得意な森の護り人か。

「はい、そんなイメージかも知れません。宇宙人も近いのかも知れませんね」

と言い微笑んだ。

わっ、何?頭の中読まれた?

「私達は、そうですね日本語として言葉として表現するならば『思考による会話』『相手の思いを聞く』というものが使えますから。『心話』とでも名付けましょうか、お互い相手の気持ちを読み取るのです」

それは便利、、、いやいやダメでしょう。勝手に相手の頭の中に入り込むような事しちゃ。

じゃあ、今までの暴走気味な考えも筒抜け?バレてたりしたって事?まいったなぁ~変な妄想しちゃてたか?


目の前で横になったまま私を見つめる『エルフ』と名乗った女性は少し困惑しているようだ。

「常には相手の思考は分かりませんよ。お互いが心を開き『聞く』『聞かれる』立場を取らないと会話と同じで成立はしません」

はぁ~ちょっとセーフか?


「あなたはお会いした時から、ずっと心を開いて下さってました。でも言葉や思考、表現の違いが有り、理解するのに少し時間が掛かりました」

彼女はずっと私に呼び掛けていたって事か。

「でも、あなたからわたしの方へは聞いては下さらない。戸惑ってました」

って言われてもなぁ。

「人間は普通『心話?』なんて出来ませんから」

「そうみたいですね」

まてまて、これは現実か?実はさっきの雨に打てれて風邪でも引いて廊下に倒れたまま見てる夢ってオチか?


「私に触れて下さい」

穏やかに、彼女が言った。

私は恐る恐ると、彼女の右の手を取った。

「伝わりますね。私達は現存しているんですね」

でも、理解が追いつかない。

空想の存在が今、私の目の前で存在している?私のベットに横たわっている?

現実?空想?夢?やっぱ事実?頭がパンクしそう。

もう一度、彼女の手に触れた。

確かにここに、居る。


私はゴロンと床に寝転がり天井を見つめた。

照明器具はそこに有り、横を見ればテレビがつけっ放しだ。

壁に貼ったポスター、カレンダー、確かに私の住む部屋だ。

反対側を見ると美しい女性、自分はエルフと言った女性がベットからこちらを見ている。

ん?ドッキリか!コスプレ?どこかに隠しカメラでも有るのか!

体を起こす。何か落ち着けない。

何だなんだなんだ、この状況!

「うーん」

まさしく頭を抱えた。

頬をつねる。昔ながらの方法だ。痛む。

「分かった」

少し声を荒げたせいか、彼女がびくっとした。

「分からんが分かった。理解も納得も出来ないが、現実なんだよな。よし!」

何がよしなのか?


彼女の見解だと、彼女がこちらの世界に来た途端に先程の落雷に遭遇し、何らかの要因となり彼女の体の変調の原因になったのでは、と。

彼女の国(世界)では、カミナリはほとんど発生せず(大気の構成や地形の構造が違うので雲が育ち上昇下降の落雷の発生するメカニズムが当てはまらないのかな)北部の山岳地帯では稀にあるそうだが、彼女自身は見た事が無いそうだ。

まあ私も、あんなに近くで落雷に遭遇したのは初めてだったのだが。


幾分か体調が回復して来たのか、全身をもぞもぞと動かし出した。

私は彼女が上半身を起こせるように手助けした。

彼女の美しいグリーンの瞳が私を見据えると口を開いた。

「お願いがあります」

今度は何かな。


「今の私の体の状態から計算しまして、こちらの時間で約2,160時間。ここの暦、期間表現として3ヶ月間、何卒私をこちらに置いて頂けませんでしょうか」

え、3ヶ月って。

「多分次の陽が昇る頃~6時間後~には、起き上がる事が出来そうです。ただ」

ただ?

「ただし、術、私の体内の魔術の回路が回復するのに、その時間を要します」

「術、魔術って?」

エルフって、魔法が使えるんだ。

「そうですね、適度に表現する言葉が見当たりませんが、『魔術』『魔法』の概念が近そうです」

いや「魔術』も『魔法』もいずれにしても空想の事でファンタジー世界の考えなんだがなぁ。

「私がこの世界に来る時に使いました術です。でも今は我が王に語りかける事もエルフの里国に戻る事も出来ません」

その力を回復させるのにそれだけの時間が掛かるって事ね。計算して分かるものなのか。

3ヶ月、、、言葉(日本語)マスターしちゃいそうだが、エルフって食べ物は?お風呂入るの?

そもそもエルフの里国って何処に有るんだ?


「そうだ、とりあえずお名前は?なんと呼べばいいのかな?」

彼女は少し何か考えたようだが、程なくしてにっこりと微笑んだ。可愛い。

「リーザとお呼び下さい」


短いながらも、二人の奇妙な生活が始まった。




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