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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門
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リーザとの出会い

再びさくらに手を引かれて(引っ張られ)森を進んだ。

涼しげな川の流れが聞こえる。以前来た時も立ち寄ったところだろう。

森を抜け視界が広がり河原に出た。

河原には人影が有った。リーザがいた。

リーザ、変わらぬ美しい妻、愛する人、さくらの母、ボクのエルフ。


私がリーザと出会ったのは今からそう、20年前。

ずっと昔だ。でも、あっという間のついこの間だ。


 下らない。

 テレビ番組やニュース、新聞もネットニュースもSNSも、見たり読んだりしている間はそれなりの関心や高揚感、気付きが有る様に思っても、ふと思い目を閉じて今見聞きした事を思い返すと、どれも自分には関係の無い、切り離す事が出来る事ばかりだ、、、下らない。

 何の為に生きている、、、そりゃぁ美味い物が食べたい!いい女を抱きたい!だけど、クダラナイ。

 生きる意味って何だ?目的は?何を求めて生きている?下らない、、、明るい未来が想像出来ない、そんな捻くれた半端者の自分に輝く太陽が現れた瞬間であった。


その日は降水確率が50パーセントであったが、日中は天候がなんとか保ち、帰宅途中の夜の8時頃にポツリ、ポツリと雨が降って来た。

「もうちょっと、何とか保ってよ」

と始まった小雨を恨みつつ、私は帰宅の歩を早めた。


「「「ドッカーン!ズズズズズ、、、」」」

突然に特大の大轟音!何事だ!?爆発?

100m程後ろにあるお寺の大木に雷が落ちた。


カミナリって大抵ピカッ、、、ゴロゴロ、、、を全部取っ払っていきなり超巨大な落雷音、それと同時に地と体を揺さぶる地響きが起こった。


初めは何が起こったのか分からず、轟音のした方向に振り向き赤く燃え上がる大木を見て事の次第を理解した。

『大変な事が起こった』とは考えず『大自然の脅威』『近くだとスッゲー迫力』と呑気だった。


と同時に周囲は真っ暗闇に包まれた。停電となったのだ。

単なる野次馬根性で暗がりの中、足早に雷の落ちたお寺に向かい出したその時、何かが車道に倒れ込むようだった。人影だ。


先程の結果としての落雷判断もそうだが、私は目から入った情報を理解し判断し行動に繋がる反応速度が人より(少し)早いらしい。


自慢出来ないのが、この事実というか特性を知ったのは40歳の時受けたカウンセリングで知ったからだ。


それまで、そんな事に気付いたり考えた事すら無かった。

カウンセリングの時に行った問題解答や測定結果を見てカウンセリングの担当者が驚いていた。


もっと若い内に知っていたら、、、ただ知っていたとしても何に応用が出来たのかは不明だが。

まあ、シューティングゲームが上手かったのはこの特性のおかげだったのかな。

また同時に耳から入った情報(計算問題とか長文)は苦手との事だった。

視覚から得た情報と聴覚で得た情報との理解・判断能力は足し引き『ゼロ』って事かな。これではホント、誰にも自慢出来ないなぁ。


『影』を『人』と判断し私は抱きかかえるように歩道へ引きずった。

車道では近くでの落雷に驚き、信号機のランプが消えている事と合わせて少し混乱した様なドライバー達の運転する車が不安定に走っていた。危なかった。


抱きかかえた人影は触れた感覚で女性だと思った。

車のライトに瞬間だが照された時に見た彼女の姿に息を飲んだ。

「外国の人?すっげー美人!」


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