第一話 後悔を無くすモーニングルーティン
「今日からまた小学一年生か。」
眠い目をこすりながらそうつぶやき、両親に挨拶を済ませる。
『「おはよう」』
両親は初め、急に大人っぽくなりすぎているので誰か乗り移ったのではないかと言っていたが、俺は俺なのでその点はすぐに撤回された。
また、大人っぽくなったことについては今日から小学生ということで幼いながらも自立しようとしていると判断してくれたようだ。
顔を洗い、気合を入れなおして、昨日までに練っていた後悔しない作戦を決行する。
まずは早朝ジョギングへ向かう。
これから行うことは中、高と仮にも運動部に入っていたにも関わらず、うまい具合にさぼり続けた結果、体力が無さ過ぎて体育では常に下から数えた方が早いという後悔を無くすために計画したものだ。
それに小学生の頃は特に運動が出来るとモテるだろ...?
そんな考えのもと軽くストレッチをした後、1kmほど走り、既にバテバテのため家に戻ることにした。
「まあ...最初は...こんなもん...だろ......」
死にそうになりながら家に戻り、未来の動画サイトで見た今更やるのもなと思い、実行しなかった体幹トレーニングを行う。
小さい時からガチの筋トレをすると成長に悪影響とどこかで聞いた気がするので、小学生の間は体幹トレーニングだけ行う予定だ。
最後にしっかりと柔軟性を高めるため、よりしっかりとストレッチを行う。
その後、母に頼みタンパク質多めにしてもらった朝食を無理やり胃に押し込む。
タンパク質多めにしてほしいとお願いをした時、母は『詳しいわね』と言っていたので、テレビで見たということにしてごまかした。
母も今まで食べる量が少なく、心配していた息子がたくさん食べてくれるからうれしいということで朝早いにも関わらずしっかりとした朝食を作ってくれている。
タイムスリップ前、元々胃が小さく人より食べる量が少なかった。
更に小学生の時から習慣がつき、朝食は食べないようになっていたのだ。
結果、身長は両親の遺伝もあり180cmだが、体重は55kgという超ガリガリ体系のまま成人してしまうこととなる。
今回の人生ではそんなことにならないよう、小学生の内から朝から運動をしてきちんと食事を取ろうという作戦を立てたのであった。
軽くシャワーを浴びた後、歯を磨き、昨日から用意していたランドセルを背負う。
玄関へ向かい、待っているといつにもまして厚化粧の母がやってきた。
『そろそろ行くわよー...あ、もういたのね。』
入学式ということもあり、今日だけ母と一緒に行くことになっていた。
扉を開け、一歩を踏み出す。
これが第二の人生の第一歩だ!
そんな期待と...期待しかない想いを胸に学校へ向かうのであった。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
また、評価、感想いただき本当にありがとうございます!
スローペースとなるかもしれませんが、頑張って続けていきたいと思います。
次回、いよいよ学校へ。