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72 プレゼントを準備しよう③

俺はまずはアキトの手を見て状態を確認する。

するとその手は油に汚れ黒ずんでいて綺麗とはとても言えな。

俺の使うのは羊毛100パーセントなのでこんな手では毛が油を吸って汚れてしまう。

その為すぐに後ろの椅子に座っていたライラとアリシアを呼び寄せた。


「二人ともすまないがアキトの手を徹底的に綺麗にしてくれ。」

「分かったわ。任せておいて。」

「分かりました。精霊王アクア、我が前に現れ彼の物の傷を癒し身を清めよ。」


そしてライラは返事と共に浄化、洗浄、回復の魔法を連発し、アリシアはアクアを呼び出して手の中までしみ込んだ油を完全に除去し更に手の表面がスベスベになる様に皮膚を癒してくれる。


「ザっとこんな物かしら。」

「これなら小さな仕事も出来そうですね。ありがとうアクア。これは試作品だけどみんなで食べて。」


そしてライラは得意満面な笑顔で頷き、アリシアも満足したのかアクアに大量のお菓子を持たせて送還した。


「二人ともありがとう。これなら問題なさそうだ。」

「お、俺の手が、これまで鍛え上げた手が~・・・」


するとアキト自分の手を見て嘆いているがこれは所詮、一時的な物だろう。

毛糸は細い糸の集合体なので先程までの傷んだ掌では毛糸が引っ掛かり上手に扱えないのだ。

それに手は綺麗になっているが別に手の皮の厚さが変わった訳ではない。

ただ、綺麗になってささくれていた皮膚が滑らかに回復しただけだ。

こんな物、使っていればすぐに元に戻るし手作りプレゼントの前では些細とも言えない出来事だ。。


しかし、この状態は今だけなので早く次の段階に移り制作を始めなくてはならない。

俺は毛糸と鍵針を取り出すとそれをテーブルに置いた。


「これでアスカとカエデにマフラーを作ってもらう。手順書を読みながら行くぞ。」


俺はアキトに今回使わなかった紺色の毛糸とメノウのマフラーにも使ったミルク色の毛糸を渡した。

紺色でアスカのマフラーを作り、ミルク色でカエデのマフラーを作ってもらう。

赤を渡しても良かったのだがいきなりその色で作るのはハードルが高いと思ったからだ。

それと残った毛糸を大量に渡し、まずは練習をしてもらう。


「それとアキト、スキルを全力使用するぞ。しっかり付いて来いよ。」

「ま、待て。たかが編み物に・・・」


(なに~~~!初心者がどうやって1日半で合計3メートル以上もマフラーを編むんだ。編み物を舐めるなよ!)


「ハッキリ言うが普通にやるとお前がマフラーを完成させるのは年末か新年になってからだ。それはここに相談に来た時点で許されない事と思ってくれ。さあ、スキルを発動して本気になれ。まずはそれからだ。」


そして俺達はスキルを発動し、アキトは制作に取り掛かった。

裁縫は一般的なスキルなので殆どの者が持っている。

それに持っていて困る物ではないので取得してもらった。

それからアキトが毛糸を上手く扱えるようになるまで現実時間でも7時間の時を有した。

これは感覚を加速させている俺達にとっては5日もの時間を使ったとも言っていい。

その間に製作した物は2本の単純なゴム編みのマフラーとミトンが2つ。

ミトンはアキトの部屋で鍋敷きか鍋掴みにでもしてもらおう。


「やっとまともになって来たな。次が本番だ。気合を入れるぞ。」

「おう、任せておけ。今なら何でも編める気がするぞ。」


俺達は自身の体感時間で既に4日は徹夜している事になる。

体は問題ないがそろそろ精神に異常が出てもおかしくない状態だ。

しかし、ここで寝る訳にはいかない。

ここで寝てしまいせっかく掴んだ感覚が鈍るのも困るが、起きた時にクリスマス当日だったら目も当てられないからだ。


そして、俺達はラストスパートをかけて毛糸と鍵棒を握り締めた。

アキトは今にも目から血が流れだしそうな程集中し手元と毛糸以外には何も見えていない。

そして2本のマフラーが完成したのは次の日の昼過ぎだった。

そこでアキトは力尽きてしまったので仕方なくソファーに寝かせておく。

俺もかなり疲れたので後の事はメノウに任せて部屋に帰って眠りに付いた。


そして目を覚ましたのはクリスマス・イブとなる12月24日の昼。

精神的にはかなり疲れていたようで1日近く寝ていたようだ。

そして俺が一階に下りて部屋に入るとそこはクリスマスパーティーの会場に変化していた。

部屋はおそらくマリベルが操作して広げたのだろう。

天井も高くなり大きなクリスマスツリーが飾られている。

テーブルと椅子も複数並べられグラスや取り皿も置かれていた。

料理はまだ並んでいないが数日前から準備を初めて誰かのアイテムボックスにでも入れてあるのだろう。

しかし、少し寝すぎてしまったようで俺は準備を手伝えなかった。

するとキッチンからメノウが顔を出してこちらへと向かって来る。


「気にしなくても大丈夫です。皆さんもちゃんと分かってくれていますから。それに準備と言ってもちょっと山奥に行って木を一本切り倒して部屋と一緒に飾り付けしただけです。それに人手は足りていましたし楽しそうに準備していたので大丈夫ですよ。」


そしてメノウは離れて行きマリベルに声を掛けた。


「そろそろ皆さんを呼びに行ってください。」

「わかりました。まずはゲンジュウロウさんですね。」


そう言ってマリベルはゲートを開くとそこから総理を含め数十人の人達がやって来る。

どうやら道場に居たメンバーが全員来ているようだ。

そして総理の横には見覚えのない総理と同い年位の女性と、その後ろには40代と思われる男女が並んでいた。

総理は3人を俺の前まで連れて来るとそれぞれ紹介をしてくれる。


「ユウ、今日は呼んでくれて感謝するぞ。こっちが儂の妻の桜月サツキだ。」

「こんにちはユウ君。あなたの事はこの人から聞いていますよ。とてもお強いとの事で。アスカの事も助けてくれたそうでありがとうございます。」


サツキさんは丁寧にお辞儀をして俺に頭を下げてくれるが実際助けたのはアリシアなのでお礼は彼女に言うのが一番だろう。


「いえ、私は大した事はしていません。お礼ならアリシアに言ってあげてください。彼女の薬のおかげでアスカも重傷から回復する事が出来ましたから。」

「ええ、それなら彼女にも後程お礼を言っておきます。それで、アキトの姿が見えませんが彼は何処に?」


そういえばアキトは何処だろうと探すと、どうやら未だにソファーで寝ているようだ。

俺は視線で位置を知らせると彼女は静かに歩み寄って行った。

それを見送り総理は残りの二人を紹介し始める。


(サツキさんの事は良いのだろうか?)


「続いてこの二人だが、こちらが儂の息子の志朗シロウ、その隣が嫁の椿ツバキじゃ。アスカの両親じゃな。」


するとシロウさんとツバキさんは前に出て軽く頭を下げる。

俺もそれに返して頭を下げてから話を始めた。


「私達も後でアリシアさんの方にもお礼には行くが、君にもお礼を伝えておきたい。ありがとう。」

「アスカを見つけてくれてありがとうね。それに良い人も見つけたみたいで私は嬉しいわ。」


そう言って笑うツバキさんの横でシロウさんは僅かに顔を歪める。

やはり父親としては複雑な気分なんだろうな。


「まだ決まった訳ではない。あの子はまだ若いのだからもう少しゆっくり決めさせても・・・。」

「あ・な・た。まだそんな戯言を言っているの?それにもう決まった事です。それに結果はもうすぐ出るのですから私達が何を言っても意味のない事ですよ。」


するとシロウさんは目を泳がせながら汗を浮かべた。


(もしかして奥さんの方がシロウさんよりも強いのか?尻に敷かれてる?)

「言っておくが私は尻に敷かれてなどいないからな。ただ口答え出来ないだけだ。」

(いえ、それが尻に敷かれているというのでは?)

「君も結婚すればすぐに分かる。衣食住を握られるという意味がな。」

(しかし、初対面でいきなり内心を見抜かれてしまった。さすが総理の直系という所か。なかなかに鋭い。)

「フフ、もう手遅れかもしれません。」


そして俺達は互いに一歩踏み出すと互いに固い握手を交わした。

どうやら彼とは今後も良いお付き合いが出来そうだ。

そして俺とシロウさんが握手を交わしているとサツキさんが向かった方向から何処か絡みつくような気配が伝わって来る。

まるで蜘蛛の巣に絡めとられたような、蛇にでも巻き付かれた様な今までに感じた事の無い感じだ。

しかし、それが発せられてすぐにアキトは目を覚ましソファーから飛び起きた。


「うお!まさかサツキさん!?」


どうやらこの気配の主は先ほど歩いて行ったサツキさんの様だ

それにあの反応を見るとアキトは以前からサツキさんとも面識がありそうだ。

それにしてもアイツにしては珍しい反応だな。

総理にもそれなりに普通に接しているのに彼女に対してはまるで上官と対峙しているようだ。


「サ、サツキさんも来られていたのですね。」

「ええ、こちらのお家に招待されたのよ。」


するとアキトは俺に視線を向けるが俺は何も知らなかったので慌てて首を振った。

それに俺は今の段階になっても誰が来るのかを知らない位だ。

ハッキリ言ってそんなに見られても俺の方が困る。

するとサツキさんから張りのある声が響き渡った。


「何処を見ているのです!今は私が話しているのですよ!」

「す、すみません。」


アキトは素早く姿勢を正すと直立の姿勢で視線を向けた。

それにしてもさすが総理の奥さんだ。

先程までの慈愛に満ちた仮面の下にはしっかりと戦士の顔を持っている。

まあ、総理の奥さんをするなら菩薩か鬼神の様な人だろうとは思っていたが総理と同じく両方を持ち合わせている人物の様だ。


「まあいいでしょう。今から試験を行います。庭に出なさい。」

「あの、試験とは?」


するとアキトはサツキさんの言葉が理解できなかったのか疑問を零した。

しかし、彼女はアキトに選択肢を与える気はないらしい。


「私は何と言いましたか。」

「イエッサー。すぐに向かいます」


そしてアキトは駆け足で外に向かいサツキさんは口元に手を当て「フフ」とこちらに朗らかな笑顔を向けて来る。

しかし、この部屋の中でその顔に騙される者はもう居ない。

俺と総理を除いた男性陣はサツキさんの気に当てられ息を飲んで見送っている。

恐らく今から恐ろしい事が起きるのだろう。

しかし、女性陣は何かを感じ取ったらしくウキウキしながら窓辺に向かっている。

そして俺も見届けるために直接外へと出る事にした。

するとそこには二人の他にアスカが既に来ており、二人の様子を心配そうに見つめている。


俺は少し距離を置いて立つと二人の勝負が始まるのを待った。


「遠慮はいりません。殺す気で来なさい。」

「もともとそのつもりです。」


そして合図もなくアキトは腰のハンドガンを抜くと魔弾を発射する。

これは不可避の弾丸なので確実に命中する・・・はずだった。

サツキさんは俺でも感知できない程まで気配を消し、俺達の前から姿を消してしまう。

そして次の瞬間にはアキトは後方へと吹き飛ばされた。


「秘技、新月。その姿は何者も捉えること叶わず。」


そして再びサツキさんは姿を現したが彼女もかなりの使い手の様だ。

その手には先ほどまで無かった黒い木刀を所持している。

しかもアキトをあそこまで容易く吹き飛ばした事からレベルもかなり高いのだろう。

サツキさんは倒れるアキトを見下ろし、鋭い視線を向けて言葉を叩きつける。


「強くなったのはあなただけではありませんよ。ライラさんのレポートによってこの国にも自然発生したダンジョンが既にいくつか発見されています。私は富士の樹海に発生したダンジョンで更に修行し、今ではレベル50を超えています。さあ立ちなさい。」


どうやら彼女は俺達が旅をしている間もずっとダンジョンでレベル上げをしていたようだ。

俺達が実際にレベル上げをしたのはたったの数時間だとすれば彼女はその何倍も戦っていたのだろう。

しかもアキトの様子から最初からかなり強かった様なのでスキルが高レベルだった可能性も大きい。

するとアキトはサツキさんの言葉を受け、立ち上がった。


「流石は鬼の教官。他人にも厳しいが自分には更に厳しいと有名でしたからね。どうやら今もそれは健在の様ですか。」

「当たり前です。我が家の家訓は常在戦場。戦えなくなった時が死ぬ時です。さあ来なさい。この程度ではない筈です。」


するとアキトは武器を変えてサブマシンガンに変更した。

どうやら物量で押し切るようだ。

アキトは一切の躊躇なく引き金を引くと魔力は赤い閃光となってサツキさんに襲い掛かる。


「あなたはもっと見どころがあると思っていましたが・・・。秘剣桜花。」

「その技は以前見させてもらいました。それではこちらの発射速度を上回る事は出来ませんよ。」


しかし、サツキさんはアキトの言葉に冷笑で返した。


「スキル同時発動、スキル連撃、これは攻撃が当たる度に速度が増していきます。更にスキル加速。」


サツキさんがスキルを重複発動すると剣を振る速度が一気に跳ね上がる。

俺にはまだ知覚できるが確実にアキトの攻撃速度を上回り始めた。

恐らくは先ほど言っていた連撃の効果だろう。

しかし、スキルの重複発動はその制御がかなり難しい。

早くし過ぎると感覚が追いつかず攻撃も雑になる。

しかし、彼女はアキトの攻撃を完全に捉えており魔弾を全て木刀で破壊している。

恐らくは武器に光が灯っているので魔刃も習得しているのだろう。


「その程度ですかアキト。あなたにも見えているはずです。その武器では今の私は倒せませんよ。」


それにしてもなんと非常識な夫婦なのだろうか。

今の状態のアキトを上回る人間はそうはいないだろうに。

するとアキトは攻撃を止めるとサブマシンガンを仕舞いハンドガンを取り出した。

しかし、その先端にはナイフが装備されており接近戦も視野に入れた装備の様だ。


「ようやく気付きましたか。そんな所から何度撃っても私には掠りもしません。もっと接近して来なさい。あなたにはその技術があるはずです。」


するとサツキさんは木刀の長さを太刀から小太刀に変更した。

どうやら彼女も小太刀二刀を使うようだ。


「御婆様が本気になった。お願いアキト、生きて帰って来て。」


何か横でアスカが物騒な事を言っているが本当に大丈夫だろうか?

もし彼女が総理と同じなら手足の一本か二本は切り取られるかもしれない。


「来なさいアキト!」


そしてアキトは距離を詰めながら発砲するが小太刀は防御に適している為、魔弾の全ては木刀に叩き落される。

するとアキトは移動系のスキルを使い残りの距離を一気に詰めた。

しかしそれよりも早くサツキさんの木刀はアキトへと向かって振り下ろされる。

それはまるで来る所が予め分かっていたような動きでだった。


(もしかして直感・・・いや、上位スキルの先見を持っているのか。)


彼女もあの強さなので総理の様にスキルが進化していてもおかしくはない。

しかもこの戦い方は総理というよりも俺に似ている所がある。


「後で手が空いたら少し手合わせしてもらうか。得られる物があるかもしれない。」


そして振り下ろされた木刀をアキトは紙一重で躱して見せる。

しかし、魔刃を纏った木刀の攻撃はアキトの額を掠りそこから血の筋を流させた。

だが、アキトの傷は即座に塞がり血はすぐに止まる。


そしてそこからは完全なインファイトへと変わっていった。

アキトは方向も定めずに魔弾を発射するがそれは大きく円を描きサツキさんへと襲い掛かる。

その隙を突いて銃についたナイフを振るうが、それは簡単に躱され合間を縫って斬撃が飛んでくる。

アキトはその命がけの闘いの中で次第に速度を上げて行くがサツキさんの速度には届きそうにない。

そして、一番最初に限界が来たのはアキトの持つ武器であった。


サツキさんからの強力な斬撃によりとうとう銃本体が悲鳴を上げバラバラに砕け散った。

それを見たサツキさんは手を止めるどころか最後に右手の木刀を掲げると大技を放った。


「奥義、アマテラス。」


サツキさんの剣は強く輝きその刀身がアキトに迫る。

そしてその瞬間、命の危機を感じたアキトのスキルは一気に成長を遂げた。

魔刃が魔装に進化し更にレベルが10まで上昇する。

更に鉄壁という防御力を跳ね上げるスキルを習得し、更に致死耐性と斬撃耐性もレベル10まで上昇した。

その結果アキトは胸を大きく切り裂かれたが刃は骨を貫通する事無く振り切られた。

その代わり大量の出血はしたが命に別状はなさそうだ。


「こんな所ですね。やはり命を賭けた訓練でなければ真の成長は見られない様です。武器を作り変えて後日もう一度試験をします。もっと技とイメージを磨きなさい。」


それだけ言い残しサツキさんは笑顔で戻って行った。

アキトはどうやら今回は生き残れたようだが完全敗北と言っても良いだろう。

すると横にいたアスカはアキトに駆け寄ると切られた服を剥ぎ取り傷を確認した。


「良かった、心臓までは届いてない。これなら大丈夫。」


アスカはホッとしているが重傷なのには変わりはない。

あれで大丈夫と断言できるのだからかなり現状に毒されていると言っても良いだろう。

それにしてもまるで今回は指導の様な戦いだった。

サツキさんは完全に手を抜いていたし、もし本気だったらアキトは死んでいたかもしてない。


「そういえば私と手合わせしたいとさっき言ってたわね。予想よりもアキトが弱くて不完全燃焼なの。少し私と戦ってくれないかしら。」


俺は横から突然声を掛けられて勢いよく顔を向けた。

するとそこには最初に会った時の様な笑顔で俺を見上げるサツキさんの姿がある。

どうやら先ほどの気配を完全に絶つ新月を使った様だがあの独り言が聞こえていたのか。

しかし、これは良い機会かもしれない。

この技を破る事が出来れば、もしかしたらオリジンの事も感知できるようになる可能性がある。

その為にはここで命を賭けた試合をする必要がある。


「ならお願い出来ますか?」

「ふふ、良いわねあなた。顔から命を賭けてる気配が伝わって来るわ。やっぱり訓練はこうじゃないとダメね。命が伴っていない訓練なんて遊びと同じだものね。」


そして俺達は庭の中心で向かい合い互いに木刀を構えた。

俺は通常の木刀を二本。

サツキさんは最初から小太刀の木刀を二本持っている。

どうやら最初から本気を出さないと死ぬ事になりそうだ。

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