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32 厳島①

次の日、目を覚ました俺たちは起き出して快く家に泊めてくれたマコトに礼を言った。


「一泊止めてくれて感謝します。何か困った事があったら連絡してください。」

「1日泊めたくらいで大袈裟だな。でもその時はありがたく頼らせてもらうさ。」


そして俺達はアヤネの結界石もお礼として渡して家を出た。

その際、イソさんも俺たちに付いて家を出たので厳島では一緒に行動するようだ。

今ハルは猫の姿で付いて来ているが何時かは人の姿で並んで歩ける日が来るだろう。


だがしばらく歩いていると後ろから声が聞こえ俺達は足を止めた。

しかしそれは家を出る時には居なかったシンヤのものでかなり焦っている様にも聞こえる。


「お~い。待ってくれ~。」


声の方向へ振り向くと寝相でボサボサになった頭を振り乱してシンヤがこちらへ走って来る。

深夜に色々あったので今朝は寝坊した様だが、今は目をしっかりと開きその手には何故か木刀が握られている。

どう見ても何処かに殴り込みに行く外見だが何かあったのだろうか。


「どうしたんだシンヤ。そんなの持って来て。」

「こ、これ!昨日話してた・・・彼女からの・・・メール!」


そして荒く息を乱しながら携帯を取り出すと俺達に突き出してその画面を見せる。

これで彼女がフラれたとかならこの場でお仕置きとなるがこの顔はそうではなさそうだ。

何故なら昨日までの悩んでいた顔が嘘の様に消え去り、真剣な顔で目には闘志が漲っている。

そしてそれを引き起こしたのは1通のメールの様で非常事態を示す文章が書かれていた。


『助けて信也。朝になっても外の怪物が家の前を歩き回ってるの。入り口を固めてあるけど魔物が何度も来て入ろうとしてる。お願い早く助けに来て。』


俺達はそのメールを読んで即座に周囲を警戒するがマップには魔物の反応はない。

ならこのメールは何処からの物だろうか?


「昨日話した彼女のアオイは厳島に住んでるんだ。だから頼む!俺も一緒に連れて行ってくれ!」


シンヤはそう言って深々と頭を下げて来る。

俺はその真剣な顔を見て周りを見回すが誰も首を横に振ら無いので肩に手を置き許可を出した。


「分かった。覚悟が本物ならこれを着て付いて来い。」

「ああ!」


そして俺がコボルト装備を渡すとシンヤは急いでそれを装備して俺達の後ろに付いた。

武器に関しては向こうに着いてから状況に応じて適した物を渡せば良いだろう。

しかし、港に行くと新たな問題が待ち受けていた。


「申し訳ありません!今日のフェリーでの渡航は中止になっております!」

「おいどうなってるんだ!」

「今日はあっちのホテルを予約してるのよ!」

「家族があっちに居るんだ。島民くらいは運んでくれ!」

「申し訳ありません!今は誰もあちらに渡らせる事が禁止されています!ご迷惑をおかけしますが問題が解決するまでお待ちください!」


フェリー乗り場ではそこのスタッフと思われる男性が声を張り上げて集まっている人々にお詫びと要領を得ない説明を行っていた。

どうやら既にあちらの状況を知り、運航を停止したようだ。

理由を言わないのは観光名所としての信頼を守る為か、それとも警察か何処かから指示を受けているのか。

しかしこのままだと俺達も島に渡る事が出来ない。


仕方なく俺達は少し離れ、人気のない海の見える場所に向かった。

そして岸辺まで行くと今は潮が満ちている様で潮位はすぐそこまで上がってきている。

そのおかげでどこでもイソさんの船を海に出すことが出来そうだ。

船を海に浮かべて確認したところ船体に損傷は無いようで浸水もしていない。

俺はシンヤを抱えて船に飛び降りると他のメンバーも船に飛び乗った。


イソさんは操舵室に入りエンジンの始動キーを回す。


『キュルキュルキュル。』


しかし、セルは回るが一向にエンジンが掛かる気配はない。

昨日シンヤが叫んでいた様にどうやら壊れてしまっているようで原因を調べて修理をしていてはいつになるか分からない。

それにもしかすると浜に乗り上げた時にスクリューのシャフトも曲がっているかもしれない。

どうやらこの船を正常に動かそうとするなら専門の業者に依頼してドックで修理する必要がありそうだ。

しかし、今は一刻を争う状況だ。

最悪でも泳いで渡るつもりではあるが俺はアリシアに望みを託した。


「アリシア、精霊でどうにかならないか?」

「それなら任せてください。少し時間はかかりますがあの島まで船を運んで見せます。」


するとアリシアはすぐに水の精霊を呼び出し船を進ませ始めた。

エンジンで進むのに比べれば速くはないが確実に島に向かっている。

すると今度はライラが風を起こし船を押し始めてくれたので帆船くらいの速度に放った。

俺達も何もしない訳にはいかず、オールになる物を手に取り人力で漕ぎ始め少しでも早く前に進める。

海の魔物も警戒したがまだそこまでは影響がないようだ。

すると港のスタッフがこちらに気付いた様でスピーカーを使って呼び掛けてきた。


「そこの船舶!すぐに戻って来なさい!島に渡るのは危険です!」


しかし、言い方が悪かったのかその声を聴いた他の人々が騒ぎ出した。


「危険ってどういうことだ!」

「ハッキリと答えろよ!」

「島に居る家族は無事なのか!」

「あそこでいったい何が起こっているんだ!」


アレではこちらの相手をしている余裕はないだろう。

既に観光客を含めて数百人は集まっているので収拾が着かなくなっている。

しかし、島に渡る者を警戒しているのは彼らだけではない。

陸からも見えていたが、互いの陸の間には海上保安庁の船が待機しており何隻もの船が目を光らせている。

そして、今のような速度では逃げる事も回避する事も出来ず、俺達の行く手を遮る様に鉄で出来た立派な船が立ちはだかった。


「そこの船舶に告げる。すぐにあちらの陸に戻りなさい!さもないと拘束し警察に引き渡す事になります。」

「クソ!急いでるってのによ!ユウさんどうするんだ!」

「まあ待て。これも予定に含まれてる事だ。」

「そうだな。ここは俺に任せろ。」


そう言って前に立ったアキトは身分証を取り出しこちらを双眼鏡で見ている乗組員に見える様に翳した。

すると船がこちらへと近寄ると船員の一人が声を掛けて来た。


「もしかして問題解決に来た特殊対策班の方ですか!」

「そうだ。しかし、この船ではあちらに渡るまでに時間が掛かる。可能なら協力を要請したい。」

「分かりました。上からはアナタ方には可能な限り協力は惜しむなと指示が来ております。それで、こちらに乗船しますか?」

「牽引で頼む。途中まで運んでもらえれば後はこちらで島に向かう。」

「分かりました。それと島には見た事の無い強力な魔物が多数いるようです。現在は自衛隊の出動要請をしていますが手続きを終わるのは夕方頃になりそうとの事です。」

「了解した。」


そして、船にロープを繋ぐと海上自衛隊の船に引かれ予定よりも早く到着する事が出来た。

その様子にシンヤは少し驚いていたが精神的にはそれほどに余裕がない為か何も聞かずに真直ぐに島を見詰めている。

その後、船は無事に島に到着し、俺達はフェリー乗り場で船を降り桟橋に足を付ける。

すると俺達が船から降りると同時に陸地の方向から魔物が現れこちらへと駆け寄って来る。


「ギギギー!」


こちらに向かって来るのはゴブリンが5匹。

雑魚だがステータスを持っていないシンヤには丁度いい相手だ。

俺は木刀を使って寄って来たゴブリンに突きを放ち両肩を貫き足の骨を折ってからシンヤの前に転がした。


「覚悟があるならそれを見せてみろ。口だけなら今すぐにその船に乗って島を出ろ。」


覚悟があろうとなかろうと口では何とでも言える。

本当に彼女を救う気があるならこの程度の事は既に出来て当たり前だ。

それにこの島は現在、魔物が常時存在してる危険な場所になっている。

そんな場所に付いて来たのだから自分の身は自分で守らなければいざという時に生き残れない。

メールを送って来たコイツの彼女は他でもないシンヤに助けを求めたのだ。

ならばここは少しでも強くなって男を見せる時だろう。

シンヤは痛みで叫び声を上げるゴブリンの前に立つと目に力を宿して大きく頷いた。


「分かった。」


そして顔を歪めながらも全力で木刀を振り下ろし一匹目のゴブリンに止めを刺した。

するとゴブリンは死ぬと同時に血の跡すら残さずその場に魔石を残し消えていく。

それが生き物を殺しているという罪悪感を緩和させているのか2匹目以降からは戸惑いも少なくなり次々に止めを刺した。

それに漁師として鍛えられたシンヤなら頭への一撃で十分に殺す事が可能だ。

そして俺はシンヤと二人でパーティを組むとゴブリンが来た道を辿って島へと入って行った。


するとそこは観光地だというのに誰も出歩いては居らず、この島の名物である鹿の姿すらない。

まるでゴーストタウンの様に辺りは静まり返り人の声も聞こえず、物音がするとすれば傍にある海の波音くらいだ。

しかし、建物の中にはマップで人がいる事を確認できる。

そして、町の至る所には魔物が我が物顔で闊歩している様で町中の至る所に反応がある。

それにしても今のところは被害が出ていないようだがそれもいつまで持つかは分からない。もともと夜の魔物に備えて窓などが鉄格子などで強化されている様だが、さっき聞いた話では強力な魔物も居ると言っていたので時間の問題だろう。

それにこの周辺の建物には防御に適した壁が備わっていない。

もし壁の一部が破損してそこから魔物が入り込むと惨事は免れないだろう

更にここは魔素が濃いので更に強力な魔物が生まれるか分からない。

そうなればいつかは破られ、人に被害が出てしまう。


この世界がこうなってからしばらくは出歩く人にそれなりの犠牲者が出たらしい。

俺達の地域では怪我人しか出ていないが人口の多い町などでは何十人と死者も出たそうだ。

報道はされていないらしいが先日に家へ来た時にアキトが教えてくれた。

だが最初に出たのはゴブリンばかりなので死者は少ない。

殆どが酔っ払いの怪我人ばかりで死んだ理由も酷く泥酔していたか倒れた時の打ち所が悪かったのが原因らしい。


俺はあの時に自分の事しか考えておらず、家族であるホロ以外はどうなっても良いと思っていた。

それは今も大きくは変わっていないがあの時にアヤネを助けたのは間違いではなかったと言い切れる。

全ては偶然であったがそのおかげで今の楽しい日常があるのだから。

あの時、目の前で襲われていた彼女を見捨てていたらこんな気持ちにはなれなかっただろう。

そしてアヤネに視線を向けると彼女は笑顔を返してくれる。

それは他の皆も同じでその表情は今の状況に相応しいとは言えないがそこには俺が取った行動の確かな結果がある。

シンヤにも出来れば今の気持ちを大切にして彼女を大事にしてもらいたい。

きっと何もしないで過ごすよりもずっと良い未来が待ってくれているはずだ。


その後、俺達はそれぞれ分散して島を制圧する事にした。

アキトたちは島の北に向かう事になりフェリー乗り場で別れ俺達とは反対方向へと向かう。

あちらには学校やホテル、幾つかの港に住宅街がある。

そちらに向かって魔物を駆除し、ライラの結界石を起動してもらう予定だ。

学校周辺に1つと、ホテル・港・住宅街を囲む位置に1つ設置すれば安全は確保できる。

そして俺達は残りのメンバーでこの島の郵便局へと向かった。

そこが結界石を置くには距離的に最も適した場所になる。

この周辺の民家やフェーリー乗り場を1つの結界石でカバーできるのだ。

しかしもう一つ置かなければこの島の主要な場所をカバーしきる事は出来ない。

それにパワースポットの件もある。

事前にメノウの調査で判明しているがその場所はこの島の山頂だそうだ。

俺はてっきり厳島神社かと思っていたがある意味では予想が外れてよかった。

世界遺産であるその場所にダンジョンなんて作ったら酷い風評被害を受けそうだ。

俺達はまず結界石を設置し、それから魔物を殲滅する流れを取る事にした。

ただ、結界石は外からの魔物の侵入と内部での発生は止めてくれるが既に中にいる魔物は逆に結界に閉じ込められて他に移動する事が出来なくなる。

だが魔物が追加で現れなければ俺達にはマップがあるので駆除は難しくないだろう。

シンヤとしては早く彼女の元に行きたいだろうがそれはしばらく我慢してもらった。

彼には少しレベルを上げてもらい、最低限の安全を自分で確保できる力を手に入れてもらう予定だ。


そして移動しながら散発的な魔物の襲撃を跳ね除け結界石を設置した。

これでこの周辺の魔物が湧く状況は抑制できる。

もう一つは少し離れた水族館にでも設置すればいいだろう。

やはりここにはパワースポットの影響か、強力な魔物も現れていた。

俺達が進む先には数種類の獣が一体となった魔物、キマイラが堂々と歩きこちらに近寄ってくる。

その大きさは3メートル以上はありそうで、ライオンと山羊と蜥蜴の頭が生えており、尻尾は蛇になっていて自分の意思でゆらゆらと揺れている。

そしてその四肢には鋭い爪が生えており口からは毒々しい色の唾液を滴らせていた。


「お前は少し下がってみていろ。」

「ああ、コイツは俺じゃあ手も足も出そうにない。」


俺はシンヤを下がらせると刀を構えて前に出た。

それに危険察知が反応しているので弱い相手ではないのは確かだ。

しかし、反応はアデルに比べれば遥かに小さい。

東京に向かう前ならともかく今なら倒すのは難しくないだろう。

するとキマイラは刀を向けた俺に反応し、その歩みを止めて姿勢を下げ戦闘態勢に入る。

鋭い目で俺達を見るとシンヤで視線を止めた。


そして自然界では弱い者は淘汰され餌食となっていく。

恐らくこいつは俺達の中で最も弱い者を見定め、獲物と決めたのだろう。

しかし、俺達はシンヤを餌として差し出すつもりはない。

例えサバンナの草食獣でも、肉食獣を撃退するために力を振るうのだ。

俺達は雑食の人間だが奴の好きにさせない。

まずは威圧と挑発を合わせて飛ばし、キマイラの注意をこちらへと引きつける。


「グオアーーー!!」


するとそれが気に食わなかったのかキマイラは唾液を撒き散らしながら俺に突進してきた。

口を大きく開けているがそちらはフェイントだ。

本命は口ではなくその下の前足。

その鋭い爪が俺にめがけて薙ぎ払うように振るわれ、胴体の部分へと襲い掛かって来る。


俺はそれを余裕をもって横に躱すと刀を振るう。

するとキマイラは体をずらし、今度は尻尾の蛇が毒を滴らせた牙を剥いて襲ってきた。

だがこの動きも俺の先見のスキルは完全に捉えている。

俺は魔装で強化した刀を振るい襲い来る蛇の首を切り落とした。


「グアアアーーー!」


そして切り落とした蛇からは血飛沫が飛び、あたりに赤い血を撒き散らせる。

キマイラは憎悪に燃える目を俺に向けると後ろ脚で石畳を蹴り一気に飛び掛かって来た。

どうやらようやく俺を敵と認識したようで最優先ターゲットに格上げされたようだ。

しかしそんな愚直な特攻が通用するほど俺のスキルレベルは低くはない。

俺は素早い動きで相手の右を擦り抜け、それと同時に山羊の首を切り落とした。

更に刀を振り上げるとそのまま今も暴れまわる蛇の尻尾を根元から切り落とし追加のダメージを与える。


「ギャアアアーーーーー!」


これだけダメージを与えれば急激な出血でキマイラは足元が覚束なくなっている。

その為、動きが鈍った所で俺は瞬動で懐に入ると残りの首を同時に切り落とした。

するとその身は消え去り、そこに今迄で最大になる魔石が転がった。

それなりに大きな魔石なので結界の維持を考え俺達は先ほど設置した結界石の魔石をキマイラの魔石に取り換えた。

これでしばらくは魔石を交換しなくても維持が出来るだろう。


「よし、次に行くぞ。」


俺の掛け声で一斉に動き出すと次の目的地である水族館へと向かった。

あそこはこの観光地で言えば端にあるので行くのが面倒ではある。

今は潮が満ちているので厳島神社も迂回しなければならない。

俺達だけなら到着にさして時間は掛からないが今は低レベルなシンヤがいるので全力で走る訳にもいかない。

そして水族館に到着するとそこには新たな魔物である亀型の魔物。

ロックタートルがいた。

その大きさは2メートル程と先ほどのキマイラに比べると小さい。

しかしその甲羅は岩の見た目のわりに丈夫らしい。

するとロックタートルを見たライラが残念そうな目をして呟いた。


「勿体ないわね。ダンジョン内ならあの甲羅がいい材料になったのに。」

「そうなのか?」

「ええ、結界の核に使えば今よりも強力な結界石が作れるわ。1,5・・・いえ、2倍は強力になるわね。もしかするとダンジョンを作ったらこいつが湧くかもしれないから時々調達に来たいわ。」

「いや、その時は買えばいいんじゃないか?」

「ん~~それもそうね。お金を貯めてばかりだと経済が回らないし。その時はイソさんにお願いするわね。」


すると急に話を振られたイソさんは目をパチクリさせて「俺か?」と問いかけた。

そういえばダンジョンについての話はしていなかったので後で教えておこう。


「いい収入源にになるわよ。船も壊れたんだからいっその事そっち関係に転職したら?」

「・・・考えておく。」


イソさんはその場では頷かず結論を保留にした。

しかし、船のエンジンや船体を修理するにしてもお金は必要だ。

しかも彼には養うべき家族が出来たので兼業でもやってもらいたい。

まあ、取らぬ狸の皮算用と言うのでまずはダンジョンを作り、この島を安定させなければならない。

そうすると話を終えたライラは俺の横に立つとロックタートルに向かい火炎を放ち始めた。


「ロックタートルは火であぶると弱いの。昔は私もダンジョンで良く狩ったわね。」


どうやらこの亀はライラの得意な魔物の様だ。

ロックタートルは炎を受けるたびに逃げ惑うがそれを容赦ないライラの火魔法が追い掛ける。

そして次第に動きが遅くなってきたところで風の刃を飛ばしその熱さに耐えかねて伸び切っていた首を切り落とした。

その余りの呆気なさとライラの容赦のなさに周りで見ていた者はライラに視線を集める。


(前から思っていたけどライラって時々容赦ないよな。)


きっと皆、俺と同じ考えだと思う。

ライラはその視線を受け「何?」と首を傾げているがこちらも揃って首を傾げて何も言わない。

まあ、彼女の過去を考えればソロでの狩りも多かっただろうし自然と効率優先になったのだろう。

俺はそういう事にしておいてその魔石で結界石を起動させると次の場所に向かうべく振り向いた。

そして次の目的地へと向かい歩き出すと最終確認で結界内に魔物が残っていないかの確認を行い安全を確認した

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