〜笑いのない世界で人生やり直す〜
初投稿です。暖かい目で見ていただけると幸いです
(主人公の心の声)朝12時。いや、朝じゃないか。昼か。
俺は毎日この時間に起きる。いや、前までは違ったと言うべきか
今はそうだ。32歳成人男性独身佐々木賢人。彼女いない歴=年齢の最底辺
コメディアンだ。いや、今は無職と呼ぶべきか。ほとんど仕事もない。
俺が27の時、芸人として大ブレイクした。見た目と発言が一致しない漫才がウケて若い世代を中心に人気が爆発した。
しかし、それは数年の出来事。すぐに業界から干され、人々の記憶から消えた。いわゆる「一発屋」だ。
もう仕事もない。
金もない。
権力もない。
友達もいない。
家族も飯も電気もガスも何もかもがない。
そんな男だ。
(心の声)今日は珍しく仕事が入った。なんとも、映画の撮影でエキストラが足りないらしく、俺はコーヒーを運ぶ店員さんの役らしい。
なんとも光栄なお仕事だな。
数年前まで映画では主演ではないとしても主要人物として出演していたこの俺がコーヒーを運ぶ店員さんか。
酷い落ちようだな。
さっさと終わらせて帰ろう。
「本番いきまーす」
「3.2.1.」
「アクション!!」
「こちらコーヒーになります」
はい、これでおしまい。
これだけ言うだけで3000円もらえんだ。感謝しなきゃな。
撮影も終わった事だし帰るか。
「おい佐々木」
「ん?なんすか監督」
「なんか今日ここに変なやつが来てな、これをお前に渡せって」
「ん?木箱?」
「お前の知り合いからか知らんが、不気味なやつだったな」
「ちゃんと渡したからな」
「あっ、ありがとうございます」
(心の声)なんだろうこの木箱
なにか入ってる
お菓子?
手紙が入ってる、、、
(帰ってきて、アテル)
あてる?誰だそれまあいい
クッキーか、美味そうだなぁ食ってみっか
モグモグ、、、
「うっっっっっっ!!!」
「かっはっ」
「喉がっ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この世界にあるものは一つ一つに意味がある
建物は生活するため
食は生きるため
学びは人生に価値を見出すため
そして
笑いは
人々の心に安らぎを与えるため
ひとつでもかけたらその世界では偏りができてしまう
そんな世界に彼、佐々木賢人は迷い込む
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「はっっっっっ!!」
起きたらそこは暗闇だった
光がひとつも差し込まない闇が続く場所。
絶望しかないようなそんな場所。
「どこだここは」
?「気がついたようじゃな」
「ッッ!あんた誰だ」
聖人「わしはこの世の聖人じゃよ」
「?」
聖人「なんじゃ信じられんか?まぁいい」
聖人「説明したろうお前がここにいる意味を」
「いや、脳が追いつかないなんだここまさか俺死んだの?あれか?よくある異世界転生的な?」
聖人「なんだお主知っとるのか、なら話は早い」
「いや、わからんなんだここ、どうゆう事だ」
聖人「お前はこれから転生するんじゃよ」
「は?フェ?」
聖人「お前クッキー食ったじゃろ、あれん中に毒と転生薬入っとったんじゃ」
「転生薬?」
聖人「本来なら殺されるとヘブンズゲートくぐって天国行くはずなんじゃが、転生薬が入ってると転生できるんじゃ」
「ほう、で、なんでそんなもの入れて俺殺すんだ?」
聖人「そりゃお前の世界にいた異世界人がお前を必要としたんじゃろ、そしてわしも必要としてる」
「なんで?」
聖人「いやぁ詳しいことは言えん。それより本題じゃ」
聖人「お前の転生先はもう決まっとる」
「脳が追いつかんが聞いた方が良さそうだな」
聖人「お前が行くのは、ちーっと困ったとこでなぁ」
「でっ、どんなとこなんだ?」
聖人「まぁ至って普通でなぁ、ミルゴという魔物たちがいてダンジョンがあって、職業がある」
「テンプレすぎるな、」
聖人「だがひとつだけないものがある」
「なんなんだそれは」
聖人「笑いじゃ」
「わっ笑い?」
聖人「うむ、笑いがないのじゃ。笑うという行動があっても人を笑わせるという行為がない」
聖人「そうなるとどう思う?」
「さっ、さぁ」
聖人「皆すぐ死ぬんじゃ。精神的ダメージを貯め続けてな」
「、、、」
聖人「だからお主に与える職業はコメディアン」
聖人「言葉で攻撃をする言霊コメディアンじゃ」
「は?」
聖人「じゃあ頑張ってのぉ」
「えっちょっ待っ」
聖人「いざ、転生」
聖人が指を鳴らした瞬間俺は洋風の街にいた
ほのかに香るピッツァの香り
人々が賑わう商店の音
レンガ建築が建ち並ぶ素晴らしい光景
そして俺は今
高校生くらいの年齢になっている。